史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます

白い彗星

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第十四章 他学年試合編

1028話 こうして見に来たわけだけど

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 ……そんなわけで休日。

「うーん……」

 私は建物の影に隠れて、ちょいっと顔を出した。その先にいるのは、シルフィ先輩だ。

 先日、リーメイにデート(仮)に誘われたシルフィ先輩。それをオーケーしたはいいけど、先輩はなにをどうすればいいのかわからなかったので私にいろいろ聞いてきたわけだ。
 ま、私もデートの経験なんて……まああるけど。

 その件は一旦置いといて。女性の立場として、私に意見を求めてきたわけだ。
 私、頼りにされてる! まあリリアーナ先輩がその場にいたら、そっちに相談していただろうけど。

「で、こうして見に来たわけだけど……」

 一緒に出かけることに関して、私なりにアドバイスはした。
 変に着飾らずにいつも通りの方がいいとか、女の子からするとさりげなくエスコートしてくれるのが嬉しいとか。

 で、私はこうして見に来たわけだ。もちろん、私がこっそり見ていることは先輩には伝えていないけど……

「約束三十分前か……なかなかだねえ」

 シルフィ先輩とリーメイは個人的にやりとりをしていたようで、そこで決めた待ち合わせ時間や場所などを先輩から教えてもらった。
 そのおかげで、こうしてここにいられるわけだ。

 一応、待ち合わせ時間よりは早く着いておこうと思って、サングラスと帽子で変装した私は早めに来たわけだけど……
 まさかすでに居るなんて思わなかったよ。

 まあ、約束よりも早めに来ておくのはいいことだと思う。

「服装も、別に気取った感じじゃないな」

 私は先輩の普段の服を知らないけど、多分いつも通りに近い服だ。
 それでも、気になっている子とのお出かけなのだから、多少なりおしゃれはしているみたいだけど。

 ……なんかしきりに時間を気にしていたり、窓で自分の髪型を確認したりしているな。乙女かな。

「……まさか私、一人でこんなことをすることになるなんて」

 もしも相手がクラスメイトとか、知った人ならクレアちゃんやルリーちゃんに相談していたんだけど……さすがに、シルフィ先輩のことは言えないよなぁ。
 リーメイは友達だけど、シルフィ先輩は生徒会の先輩だし。そんな人がリーメイを好き、なんて相談できるわけもない。

「できるとしたら、事情を知ってるタメリア先輩やメメメリ先輩、リリアーナ先輩だけど……」

「私がどうかしましたか?」

「いやね、シルフィ先輩の想いを知ってる人なら気兼ねなく相談できるのに、なかなか会えないから……」

 そう、シルフィ先輩のリーメイに対する想いは、生徒会メンバーなら知っている。
 ああ見えてわかりやすいのだ、シルフィ先輩は。

 なので、そういう相手ならば相談するのに気兼ねすることはないんだけど。残念ながら、今日までの間に生徒会室含め会う機会がなかったから…………ん?

「だ、誰!?」

 いきなり聞こえた声に、私は驚きながら振り向く。

「どうも」

「り、リリアーナ先輩……?」

 私の背後に立っていたのは、リリアーナ先輩だった。
 い、いつの間に後ろに立っていたんだ……まったく気配を感じなかった。それとも、私がシルフィ先輩に集中していたせいか。

 まさか、こんなところでリリアーナ先輩に会うなんて。
 それに……いつもは白い髪を後ろで結んでいるのに、今日はストレートに下ろしている。

 いつもは見ない姿で新鮮だ。この髪型も似合ってるなぁ。

「エランちゃん?」

「! あ、えっと……ちょ、ちょっとした人間観察をしていたと言いますか……」

 うわっ、さっきは先輩たちがいてくれたら心強いとか思ってたけど……実際に会ったら、なんて言えばいいのかわからない。
 シルフィ先輩を尾行してます! とか言えないし……いや、正確にはこれからするんだけど……

「あら……シルフィドーラくん?」

「あ」

 そんなことをしているうちに、リリアーナ先輩が私の見ていた人物に気付いた。
 これはもう……ごまかせないかなぁ。

「彼が、どうかした?」

「……実は……」

 耐え切れなくなった私は、シルフィ先輩とリーメイの話をする。
 二人はこれから合流して、一緒にお出掛けをするのだと。

 するとリリアーナ先輩は、口元を押さえて「まあまあ」と言っていた。

「リーメイさん……とは、転校生の人魚族の方よね。それに、最近シルフィドーラくんと懇意にしている」

「そうなんですよー」

 二人の関係は、もう生徒会では周知のようなものだ。
 その認識が広まったのは、やっぱり学園祭の影響が大きいだろうな。

 リリアーナ先輩は興味深そうにうなずいたあと、私と同じく身を隠した。

「先輩?」

「面白そうだから、私も同行していいかしら?」

 面白そう!? 今この人面白そうって言った!?
 そんなこと言うイメージなかったなぁ……なんなら、尾行なんていけないことだと注意されるかと。

 それがどうだ。若干わくわくした様子じゃないか。

「あ、来たみたいよ」

「え、あ、はい」

 そうこうしているうちに、リーメイがやって来たようだ。

 リーメイとは、たまに外出して遊ぶこともある。その時のことを思うと……
 リーメイ、おしゃれしてる?

「……エランちゃん。今回お出掛けに誘ったのは、リーメイさんからなのよね?」

「え? あ、はい」

「なるほど……もしかして、彼女の方もまんざらではないのかも……」

 ……なんか、私よりもリリアーナ先輩の方が興味津々だなぁ。

 生徒会の副会長にして、ゴルさんの婚約者。常に冷静だけど、話してみると結構親しみやすい。
 そんな人の、新たな一面を見た気がした。
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