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第十四章 他学年試合編
1033話 みんな強いから!
しおりを挟む「うーん、ちべたーい! おいしー!」
「ふふ、それならよかったわ」
今私たちは、とあるお店のテラスにて食事をしている。食事といっても、デザートタイムだけど。
口の中に広がるほのかな甘味と、ひんやりとした食感。舌の上で溶けちゃうほどに柔らかくて、喉を通る冷たさが心地良い。
そのアイスクリーム、すごくおいしい!
「リリアーナ先輩おすすめのお店、さいっこう!」
「喜んでもらえてなによりだわ」
先輩は、ここのデザートが絶品なのだと言って、このお店をおすすめしてくれた。
私は入ったことのないお店だ。こんなしゃれたお店、なかなか入る勇気がない。
スプーンの上に乗ったアイスをぱくり。うーん、おいしー!
対して、優雅に食べているリリアーナ先輩……うわー、絵になるなぁ。
「今度クレアちゃんたちにも教えてあげよう」
「エランちゃんは友達と仲良くやっているみたいね」
「うん!」
こういうお店、と言うかデザート目的でお店に入ることがなかったからなぁ。
ノマちゃんなんかいろいろ知ってそうだけど、そういう話になったことはないし。
あむあむ……教えたらみんな喜ぶな。女の子は甘いものが好きなのだ。
「人脈を広げるのはいいことよ、学園の中はもちろん、外でも。様々な貴族と繋がりを持っておけば、今後に役立つ。
もっともエランちゃんはそんなことは考えていないだろうけどね。王族ともすでに繋がりがあるし」
「ん?」
あー……そういえば、学園じゃ仲良くしている子たちは多いけど、そのほとんどが難しい話ししてるよなぁ。
ダルマスは人気者ではあるけど、その話のほとんどがダルマスの家のことだったりするし。
有名貴族はそれでそれで、大変なのだろうな。
「エランちゃんは、学園外にもお知り合いは多いの?」
「うーん、多いってほどじゃないけど……クレアちゃんのお母さんや、冒険者の人とも仲がいいよ」
「そう」
それに、みんないい人ばかりだ。……いや、中には変な人もいるけど。
この国に来て、いろんな人と仲良くなれて、私は嬉しいのだ!
学園のみんなとも、もっともっと仲良くなりたいし!
「ねえねえ先輩、今度の他学年試合、いっぱい仲良くなれるチャンスあるかな!」
「……そうね。他学年試合、交流試合……言い方は様々だけど、そういう機会もあると思うわ。
特に別の学年の人と関わるのは、あなたたちにとっては貴重でしょうから、積極的に関わっていっても問題ないと思うわ」
確かに、自分と同じ学年の人とはある程度仲良くなってるけど、他の学年の人はほとんど知らないもんなぁ。
入学したてで迷子になった結果知り合ったピアさんや、生徒会の関係で先輩と関わる機会はあったけど。
そんな人たちと、もっと関わっていきたい。私より長くこの学園にいるんだし、盗めるものは盗みたいしね!
「……きっと、エランちゃんと話したいって人もいると思うわよ」
「そ、そうかな?」
「だって、話題の尽きない一年生ですもの。興味を持つなって方が無理よ」
その割には、学園で他の学年の人に話しかけられる機会はあんまりないんだけど……
まあ、わざわざ私の教室に来てまで、って考える人もいないだろうけど。
私だって、先輩と話したいからって先輩の教室には行かないし。
学園内を歩いていると注目されるのは、この黒髪だけが理由ではなかったみたいだ。
「それに、話題に出た他学年試合だけど……エランちゃんのクラスと当たりたいって考えてる人も、多いと思うわよ?」
「そうなの?」
「えぇ。エランちゃんはもちろん、ダルマス家の長男やアレクシャン家の子……しかもその二人に関しては、伝説の生き物を使い魔として召喚している。他にも、魔物を使い魔にしているフィルちゃん……いえ、それだけじゃない。エランちゃんに触発されて、他の子もかなり頑張っていると思うし」
……やっぱりダルマスや筋肉男は、一目置かれてるんだなぁ。それだけ家の名前がすごいってことだ。
まあ、実際に戦ったり訓練していたダルマスはよく知ってるからともかく、筋肉男がどんな実力なのか私にはまったくわからないけど。
同じクラスなのに未だにあいつのことだけなんにも知らないなぁ。知りたいとも思わないけど。
フィルちゃんも、前代未聞の魔物を使い魔ってのがよほど話が広がっているみたいだ。本人はまだ子供なのに。
クラスの子も期待されているのは、なんだか嬉しいかも。
「というか、私のクラス結構有名?」
「かもね。まあ、有名かどうかに関しては、他のクラスも同じことよ。とにかく今年の一年生は、話題に富んでいるわ」
多かれ少なかれ、それぞれのクラスには注目するべきところがある。
第二王子のコーロランやエルフのラッへが所属しているクラス、【成績上位者】のヨルやその妹で使い魔として召喚されたマヒルちゃんが所属しているクラス、同じく【成績上位者】のナタリアちゃんや第一王女のコロニアちゃん、ニンギョのリーメイが所属しているクラス……
ざっと見ても、他の人から注目される理由はある。
もちろん、私にとっても楽しみだ。みんなが、上級生相手にどう立ち回るのか。
「私の友達だって、みんな強い子ばかりだからね!」
「ふふ、それは楽しみね」
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