史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます

白い彗星

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第十四章 他学年試合編

1101話 『魔剣』vs『魔剣』

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 ……私は自分との戦いを勝ち抜いた。この戦いで得たものは大きかった。
 強い人と戦うのはもちろん力になる。でも、自分自身とってのはまた違った感覚があるものだ。私はそれを思い知った。

 今後の見直す点を頭の中で整えつつ、私はクラスメイトの戦いの場へと戻っていった。
 そこからはもう、思いのままに暴れるだけで。

「うぅりゃあああああ!」

 ……髪が白くなった状態の私は気分がアガる。魔力も昂り、多分ちょっとおかしなテンションになってる。
 だからだろうか。一応味方とそうじゃない人の区別はついているけど、手当たり次第にボコボコにしていくのは。

 そして気づけば、私の周りには倒れた生徒たちがいた。もちろん、ほとんどが二年生だ。

「うわぁ……」

「まるで悪魔ね……」

「あくまのママ……あくママ……」

「なんかみんなちょっと距離があるんだけど!?」

 倒れた人たちは次々に結界の外に弾き出されていく。戦闘不能扱いだ。
 それと同時に、私の身体からもどっと力が抜けるのがわかった。倒れそうになるのを、なんとか踏みとどまる。

「あ、髪が黒くなった」

 と、私の姿を見て誰かが言った。どうやらこの気持ちの変化は、髪白状態が解けたってことらしい。
 なんとなく、気分がアガっているときとそうでないときの区別がついてきたかもな。

「……相変わらずめちゃくちゃね」

「エランさんは、あのおかし……お強い状態になる確信があったのですか?」

 今おかしな状態って言おうとした!? まあ否定はしないものの。

 ……おかしなくらいに強くなるって意味で、おかしな人って意味じゃないよね?

「いや、確信はなかったよ。ただ、ああしたらなるかなぁって思っただけで」

 ……なんでだろう、気のせいかな。私が答えた瞬間私を見るみんなの目が「うわぁ」って言っているみたいだ。
 物理的以外にも距離を感じる。

「それはともかくとして……残るはダルマス様だけですね」

 その指摘に、私たちは残った戦い……ダルマスとレーレアント先輩の戦いへと目を向ける。
 そう、残っているのは……相手のクラスは、レーレアント先輩のみ。どうやら魔導剣士ってやつみたいだ。

 その相手を、ダルマスが申し出た。同じ魔導剣士だけあって、手合わせしたい気持ちがあったのだろう、ら
 その気持ちを汲んで、私はダルマスに任せることにした。前にダルマスと手合わせしたとき、その実力は実感済みだ。

 相手が先輩でも、簡単に負けるとは思えない。

「だぁああああ!」

「やぁああああ!」

 ガギンッ……と鋭い音が響く。それは剣と剣がぶつかり合う音……
 それも、ただの剣ではない。魔導剣士が扱う剣、魔導剣。

 さらに、魔導剣が魔術を纏ってその力を発揮するとき……それは『魔剣』と呼ばれるものになる。
 今ダルマスの魔導剣は炎を纏い、レーレアント先輩は水を纏っている。凄まじい魔力の気配がぶつかり合っている。

「すごい攻防ね」

「えぇ」

 確かに、二人とも凄まじい。お互い身体強化の魔法も使っているからか、剣を振るうスピードは速い。
 ダルマスのやつ。私と最初決闘した時は、部分強化を移し変えながらが精一杯だったのに。今や『魔剣』と同時に扱えるなんて。

 見たところ……パワーではダルマスが押してるけど、テクニックではレーレアント先輩に分がある。学年に差はあれど、ここでは男の力が強く出ている。
 けれど、経験値の差か。むしろダルマスのパワーを軽くいなしているから、先輩が有利だ。
 しかも……

「ぐっ……」

 炎と水という相性ゆえか、ダルマスの勢いが押されているように見える。
 もちろん、炎と水と言っても本物ではない。あくまで魔力でそう見えているだけ。

 でも、イメージの力が具現化したのが魔導だ。それは限りなく本物とも言える。

「やれやレ……どうにも彼は、汗臭い展開が好きと見えル」

「汗臭いどころかなにもしてなかった奴がなにを」

 相変わらずの筋肉男は優雅に手鏡を見ていた。殴りてえ。
 こいつがまともに戦ってるところ見たことないんだよなぁ。使い魔も出さないし。

 まあ、今更言っても仕方ないんだけどさ。

「魔剣……火の型……!
 炎天狼牙えんてんろうが!!!」

 ダルマスの『魔剣』が赤く輝く。燃え上がる魔力を刀身に集中させているのだ。
 まさに炎の剣。その力は、先ほどの何倍にも膨れ上がる。

「へぇ、ずいぶん使いこなしてるんだね」

「それはどうも!」

 不敵に笑うレーレアント先輩に、ダルマスは斬りかかる。
 いくら同じ魔導剣でも、あれをもろに受けてしまったら剣が持たないのではないか。そう思わせるほどの威力。

 けれど、先輩は避ける素振りはない。

「魔剣……水の型……!
 流水懸情りゅうすいけんじょう!!!」

 先輩もまた、『魔剣』に膨大な魔力を込める。一見見た目は変わらない……けれど、確実に変わっている。

 振り下ろされるダルマスの一閃を、振り上げた剣で受け切る。本来なら、しかしそのままダルマスが上から押し切るだろう。
 ……本来なら。

「……!?」

 ダルマスの身体のバランスが、崩れる。キンッ……と剣が接触した瞬間、拮抗することなくダルマスの剣が受け流されたのだ。
 まるで水に流されるように……自然な形で。

 圧倒的な力を、流していく。

「どんな圧倒的な力も……当たらなければ、意味ないよ」

 そっと、レーレアント先輩がつぶやいた。
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