史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます

白い彗星

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第十四章 他学年試合編

1103話 うざったいエラン

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「試合終了!」

 試合が終わった。その声が響く。
 結果は、私たちのクラスの勝利だ。ほっとため息。

 最後……ダルマスはレーレアント先輩に、炎を帯びた『魔剣』を居合いとして振り抜いた。
 それが先輩の身体を一閃したことで、勝敗は決した。もちろん、結界内の攻撃なので致命傷にはならない。

 それでも、一太刀で戦闘不能となるには充分の威力だったようだ。

「つ、ついに決勝まで勝ち残っちゃったわね……」

「うん、震えてきた……」

 みんな決勝まで残ったことに、思うところあるみたいだ。不安そうではあるけど、ここまで来たら……って気持ちも見える。

 会場を後にする中、一人離れたところにいたダルマスが歩いてくるのを待つ。
 すると、私に気づいたダルマスはちらっと私を見た。

「やるじゃん。私とやったときよりまた腕を上げた?」

「そんな短期間で上がるわけないだろう」

「またまたー」

 相変わらずぶっきらぼうだし足も止めないけど、構わずに私は後を追いかけていく。

「さっきさーぁ? 私に追いつく……とか言ってたよねぇ?」

「……言ってない」

「いーや言ったね。私の耳はごまかせないよん?」

「……確かに言ったな。だが、俺は個人名を言ってはいない。それは断言できる」

「そりゃそうだけどー。"そいつ"は世界一の魔導士を目指してるんでしょー? だったらもう、それって私じゃん? そりゃー私だって世界一なんてだいそれたことは(多分)言ったことないけど、私は師匠を超えるとは言ってるからさー。そんで師匠は世界一の魔導士だから、つまり師匠を超えるってことは世界一の魔導士になることだと思うんだよねー」

「話が長い。あと顔がうざい」

「そんな照れんなってのー。うりぃー」

 私は肘を使って、ダルマスをつついていく。
 ダルマスはそれを鬱陶しそうに払う。

「そっかぁー、私ってばダルマスの目標なんだー?」

「そこまで言ってないだろ! ただ追いつきたいってだけで……」

「あっれー? 認めちゃうんだ"そいつ"が私だってー!? ていうか、追いつきたいってイコール目標ってことじゃないのー!?」

「ちっ!」

 ものっすごい大きな舌打ちをされた。そんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃないか。

 会場を降り、ダルマスは男子生徒のところに戻っていく。自然と、男子と女子に分かれている。
 それにしても……私ってばついに、誰かに目標にされる人になっちゃったかぁ。

「ふふん」

「どうしたのエランちゃん、顔がものすごくうざったいわよ」

「ママうざーい」

「!?」

 ……ともかく、私たちとレーレアント先輩の属する二年生の試合は終わった。私たちの勝利で。

 そして、残るは……ナタリアちゃんたちのクラスvsゴルさんたちのクラスだ。
 またも、一年生vs三年生の組み合わせ。

「な、ナタリアさん……」

「大丈夫、みんなの力を合わせれば、勝てない相手じゃない。ノマくんたちだって、三年生相手にあそこまでの試合を見せてくれたんだ」

 不安がるクラスメイトを、ナタリアちゃんが励ましている。
 クラス代表として、そしてそのさっぱりした性格から男女問わずに人気のあるナタリアちゃん。リーダーシップもあるみたいだな。

 あのクラスにはコロニアちゃんもいるけど、コロニアちゃんは王女ではあってもリーダーシップのあるタイプってわけじゃないしな。

「さあ、行こう」

「お、おう!」

 崩れていた会場も直り、ついに決勝に上がる最後のクラスを決める試合が始まる。
 一年生、ナタリアちゃんクラス。三年生、ゴルさんクラス。やはりどちらも、油断ならない相手だ。

 決勝に決まっているのは、私たちだけだ。私たちの前にやったノマちゃんクラスvsメメメリ先輩クラスは、両者引き分けに終わった。
 引き分けでは、どちらも決勝に勝ち上がる……ではなく、どちらも勝ち上がれない。

 そのため、この試合で勝ったクラスと、私たちは決勝でぶつかることになる。本来三つのクラスの総当たりが、二つのクラスになったわけだ。
 もっとも、この試合の結果が引き分けでなかったら……だけどね。

「ナタリアさん……」

「お、ルリーちゃん」

 いつの間にか近くには、ルリーちゃんがいた。さっき試合でナタリアちゃんのクラスと戦い、負けてしまった。
 ルリーちゃんからしてみれば、ナタリアちゃんたちを応援したいのだろう。

「エランさん! お疲れ様です!」

「あはは、うん」

 私は……どっちだろうな。
 ナタリアちゃんたちはもちろん応援したい。でも、数少ない三年生との試合……それもゴルさんのクラスだ。

 友達をだからって気持ちをなしにして、純粋に応援したい、次に戦いたいクラスは……

「……なるほど、なんというか……"気"が違うね」

 両クラス、会場に上がる。
 ゴルさんクラスを前にして、ナタリアちゃんが冷や汗を流しているのが見えた。

 三年生クラス。それも、その筆頭にいるのは生徒会長にして次期国王のゴルさん……ゴルドーラ・ラニ・ベルザだ。
 彼の放つ威圧感がどれほどのものか。私はよくわかっている。

 二つのクラスが向かい合い……ついに、今日最後の試合が始まる。

「それでは、試合開始!」
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