史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます

白い彗星

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第十五章 最高の魔導士編

1156話 お前も大変のようだな、ママ

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 私の周りがアレなのは……まあ今更な話だけども。アレってのも失礼な話だけども。
 ラッへやリーフェルさんというエルフにして記憶喪失者なの含め、いろんな子がいるもんなぁ。

 一度死に闇の魔術で生ける屍リビングデッドとなったクレアちゃん。
 ダークエルフのルリーちゃん。
 エルフの眼"魔眼"を持つナタリアちゃん。
 身体の中に魔石の魔力が混じり"魔人"と呼ばれるルリーちゃん。
 こことは異なる世界から来たっていうヨル……と。

 それぞれが秘密を抱えているし、しかもその秘密はほとんど私だけが知っている。みんなの秘密を知っている。
 しかも、どれもバレたらヤバいものばかり。ここまできたらもう、笑っちゃうよね。

「…………じゃ、いろいろと準備もあるし……今日学園に戻るとするよ」

「えー。まだここにいたいよママー」

 朝ごはんを食べ終え、私は立ち上がる。
 不服そうな声を漏らすフィルちゃんはほっぺたを膨らませているが、こればかりはさすがにね。

 ……なんか、心なしかラッへも残念そうな顔をしているような気がする。

「大丈夫だよ、また近いうちに来るから」

 ……少なくとも、ラッへの記憶云々とは別に母親に会いに行きたいのは私の意思だ。
 なので、ラッへが記憶を戻したくない、母親に会いたくないと言うのなら無理に連れて行くことはしない。

 その場合、一人でも会いに行くつもりだ。道案内をアスィーに頼むことにはなる。
 なので、どのみち学園卒業式後の長期休みでまたここへは戻ってくるつもりだ。

「フィルちゃんも、そんな膨れないの。休みのうちに、やらないといけないこともあるんだから」

 フィルちゃんの身内を捜す……それが本来の目的だったもんな。
 頭を撫でつつ、私はサラサラの白い髪に指を通した。白い髪で、黒い瞳。この特徴に当てはまる人や、心当たりのある人はいないかどうか。

 これまで捜しても見つからなかった。でも、これまで見つからなかっただけでこれから捜せば見つかるかもしれない。
 昨日まで手がかりがなかったからって、明日手がかりが見つからない理由なんてないんだから。

「そうか……お前も大変のようだな、ママ」

「その呼び方やめて」

 フィルちゃんはもう慣れたけど同じくらいの年頃の子に言われるとシャレにならないんだよ。
 いや、アスィーは私よりも長く生きてるんだろうけど。いや、そんな相手からママ呼びは余計に変な感じが。

「ラッへさんは、学園に残っているんですかね?」

「どうだろ。なんか、何人かで集まってなんかするって言ってたような気がする」

「曖昧すぎるだろ」

 確かここに来る前、ラッへたちにも声はかけたんだよな。
 だけど、ラッへやリーメイ、マヒルちゃんなど帰省する家がない子や帰省する気のない子は、それぞれ集まって親睦会みたいなことをやっているのだとか。

 私だって、この家に戻ってこようと思わなければそっちに参加していただろう。

「……人付き合いもろくに知らない人間の子供が学園なんかに行ってちゃんとできるのかと思っていたが、うまくやっているようだな」

 どこか親みたいな目線で、アスィーは言う。
 さっき、仲の良い子たちのことを話した。もちろん、各々の秘密はある程度隠したままで。

 ルリーちゃんもいる前だったし。それに、あんまり広めたい話でもないからね。
 ただ……

「エルフの眼を持つ人間、か……それは興味があるな」

 ナタリアちゃんの話には興味を抱いていた。
 ナタリアちゃんの秘密については、ルームメイトのルリーちゃんは知っている。というか、そのおかげと言うべきかでルリーがダークエルフだって知ったんだから。

 ナタリアちゃん自体も、そこまで絶対秘密、とは言ってなかったし。ただ、世間のエルフに対する扱いを見て積極的に話そうとしないだけで。
 師匠やウーラスト先生の存在があるとはいえ、まだ不安定な立場なのだから。

「なら、ナタリアちゃんにも今度ここに来ないか、聞いてみるよ」

「あぁ」

 アスィーが学園に来れば……とも思ったけど、ここを留守にするのは警備的な意味でもあまりしたくないのだろう。
 ただ、だとするならラッへの母親捜しに同行する話はどうするのどろう、とも思うわけだけど……

「あすー! また来るからね!」

「あぁ、ママたちと仲良くやれよ」

「うん!」

 ……そのへんのこと考えてない人じゃないし、その時になったら聞いてみよう。

 その後、話をしながらも帰り支度を進める。
 まあ支度って言っても特になにを持ってきたわけじゃないから、家の中に残っているもので持って帰りたいものはないかとか……そのあたりの選別だ。

「わー!」

「フィルちゃん、走らないでー」

 二人を見ながら、私は家の壁に触れる。懐かしいなぁ。
 師匠と二人だけだったこの家に、今は友達がいる。不思議な気分だ。

「エラン、あのダークエルフ……」

「アスィー?」

 背後から、アスィーが話しかけてくる。びっくりしたぁ。

「ルリーちゃんがどうかした?」

「どうか、というほどでもないんだけどな。あのダークエルフは、お前にとって大切な存在か?」

「? それはもちろん」

「……そうか」

 それだけ確認して、アスィーは向こうに行ってしまった。どうしたんだろ。
 もしかして、表には出してないけど……やっぱりダークエルフが近くにいることが心配だったりするのかな。
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