史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます

白い彗星

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第十五章 最高の魔導士編

1169話 騒がしい国の中

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「エランさん、大丈夫ですか? 代わりましょうか?」

「だ、大丈夫。こんなの、なんてことないよ」

 国の中に入った私たちは、学園の寮に向かって歩いていた。
 そんな中、ルリーちゃんは私を心配した様子で声をかけてくる。

 というのも、それは私がフィルちゃんを背負っているからだ。
 私がマーチさんを連れて戻ってくる間に寝てしまったフィルちゃん。すやすやと気持ちよさそうに眠る彼女を起こすのは忍びなかった。

 なので、寝ているフィルちゃんをこうしておぶっているわけだ。

「私だって、魔力なしでも力はそれなりにあるんだから」

 もう魔力封じの石の効果範囲外だろうけど、今私は魔力を使っていない。
 寝ていて脱力しているとはいえ、フィルちゃん一人素の力で抱えるなんてわけないことだよ。プライドの問題だよ。

 耳元で、すやすやと心地よさそうな寝息が聞こえて少しくすぐったい。

「そ、そうですか……つらくなったら、言ってくださいね」

「うん」

 ……もう魔導を使えるのなら、もふもふを召喚してもらってその背に乗せたほうが楽ではある。
 でも、もふもふを召喚するためにはフィルちゃんを起こさないといけないという事態が発生してしまう。パラドクスのなんとかだ。

 そんなこんなで、フィルちゃんを落とさないようにしっかり歩いていく。

「それにしても、さっきの人がエランさんがよく話してくれる、マーチさんなんですね」

「うん。優しそうないい人でしょ?」

「はい。とても年上とは思え……って、エルフ族だから私のほうが年上なんですよね」

 子供っぽいけど私より遥かに年上らしいマーチさん。見た目は私と同じくらいだけどエルフ族だからずっと年上のルリーちゃん。
 見た目だけならまさかこんな複雑な関係だとは思わないだろう。

「それに、ノマさんがよくお話をしていましたね。定期検診に、付き合ってくれてるって。"魔死事件"のあと、異変がないか調べてるんですよね?」

「うん」

 それは、間違ってはいない。ただ、全てを話してはいないだけで。
 ノマちゃんの身体に起こっている異変を正確に知っているのは、お城の一部の関係者を除けば私とカゲくんくらいだ。

 ノマちゃんが事件の被害者で、生死の境をさまよったのは隠すことはできない。
 だからマーチさんのところに通っているのは、その後遺症がないか……なんて理由で通している。

 これに関しては、ルリーちゃんの正体やクレアちゃんの身体のように、明かしても問題あるとは思えないことだけど……

「まだ、はっきりと危険がないってわからないから。ずっと通ってるんだ」

「そうなんですね」

 ……事情が事情だけに、あまり多くの人には言えない。たとえ信用できる人でも。
 なにもなければ、それでいいんだ。みんなを変に心配させる必要もない。今は私たちで見ていれば、いい。

 ……見る、と言えば。そういえば、さっきも思ったけど……

「国の中、なんだか騒がしくない?」

 国の中が、やけに賑やかと言うか、活発と言うか。普段と違うのだ。
 まあ普段と言うほど王都を歩いているわけでもないけどさ。

「そう言われれば……」

 言われて、ルリーちゃんも思ったらしい。周囲をキョロキョロ見ている。

 もしかして、なにかまつりごとでもあるのだろうか……そんなことを思っていると、ふと人の集団の中に見慣れた影を見つけた。

「あれ、サテラン先生?」

「え?」

 そこには、クラスの担任であるサテラン先生の姿。
 スーツを着てかしこまった姿だけど、なにしてるんだろう。なんか、周りの人に指示を出しているみたいだけど。

 学園の外に出ることあるんだ……そりゃそうだよね。

「なにか用事でしょうか。でも、邪魔したら悪いですし行きましょう……」

「サテランせんせー!」

「エランさん!?」

 私は構わずに足を進め、先生に近づいていく。
 すると先生もこちらに気づいたようで、首を向けた。

「フィールド。どうしたこんなところで」

「ちょっと里帰りをしてまして。先生こそ、どうしたの?」

「里帰り、ね。……私は、見ての通りだ」

 見ての通りって言われても、見てもわからないんですけど!

 ただ、周りの状況と無関係ではない気がする。

「なんか、あちこち賑やかだけどどうしたの?」

「あぁ……お前たちは、初めてだったな。
 魔導学園の卒業式が間近だからな、毎年この国ではこんな感じだ」

 周囲の様子がいつもと違う……それは私の気のせいではなかったようだ。
 どうやらこの国では、魔導学園の卒業式が近づくとあたりが活気づく……らしい。

 魔導大国であるべルザ国の、魔導学園。その一大イベントに、国を挙げて盛り上げようってことだろうか。

「特に今年は、第一王子……いや卒業すればその後国王となる、ゴルドーラ・ラニ・べルザがいる。いつもより気合いも入っているな」

 なるほど、ゴルさんの存在が余計に周囲を盛り上げているのか。
 ゴルさんは国民のみんなにも人気みたいだし、国王に認めない……とか言う人がいなくてよかったよ。

 卒業式に関しては、学園祭と同じく学園外から来る人も多い。だから注意も必要だけど……それでも、私たちにとって特別な日だ。
 今までそこに居た人たちが、居なくなるんだから。
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