史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます

白い彗星

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第十五章 最高の魔導士編

1179話 予想外の出来事

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 ふぅっ。自分よりも大柄の男を投げ飛ばすと言うのは、さすがに魔力なしじゃきついな。
 でもとにかく、これで三人とも無力化できたってことかな。一人は勝手に自滅しただけだけど。

 毒を舐めた男は痺れて動けないだろ、中型の男も背中が痛んでそれどころじゃないだろう。
 なので、この大きい男に聞くとしようか。

「さてと。聞きたいことはいろいろあるけど……とりあえず、あの石、魔力封じの石をどこで手に入れた?」

 こんな場所で襲われる。ひとけのないところなら、まあそういうこともあるだろうって気持ちはあるけど。
 さすがに、持ってるものが持ってるものだ。見過ごせない。

 それに入手経路を判明させておかないと、後々面倒なことになる気がする。

「ふん」

 だけど、男はそっぽを向く。
 まあ、ここで素直に答えるようなら、人を襲うような真似をしないよね。

 仕方ない……

「ん……おい、お前なにしてる……?」

「なにって、腕を折ろうかなって」

「!?」

 男は驚愕の表情を浮かべた。まさかこんなか弱い女の子がそんな物騒なことを言うなんて、思いもしなかったのだろう。
 私だって、心が痛いけど……本気だよ。

 まずは男の腕を伸ばし、踏んで地面にくっつける。そして両手で、腕を曲げる……本来曲がるのとは逆の方に。

「お、おいおい、お前……マジか!?」

「そうだよね、こっちには腕曲がらないもんね。でも無理やり曲げることはできるんだよ……本当な曲げちゃいけないんだけどね」

「いやお前、嘘だろ……!?」

「人を襲っといて、なに弱気なこと言ってるのさ。
 まあこれ、本当は護身術みたいなものなんだけどさ。うまく決まれば、力の弱い子でも相手の腕を追って逃げることができるから、って師匠に教えてもらって……」

 さすがに、大柄な男の丸太のような腕だ。そう簡単にはいかない。
 それでも、相手は動けず腕の動きも封じている以上、時間の問題だ。

 ほら、どんどん腕が、曲がっちゃいけない方向に……

「っ、わわ、わかった! 言う、言うから!」

 すると男は私の本気を感じ取ったのか、叫ぶ。ちょっと泣いてるんじゃないのか。
 いかつい顔してるくせに小心者なんだから……おっと、見た目で判断するのはよくないよな。

 とりあえず、私は動きを止める。

「なら、話して。どこでその石を手に入れたの」

「それは……渡されたんだ。黒い衣装を着た奴に」

「……」

 この期に及んで、男が嘘をつくとは思えない。本当だと思っていいだろう。

 今の話に出てきた、黒い衣装って……私たちを、というかヨークリアさんを襲った集団と無関係じゃないよな。
 あいつらの誰かと同一人物なのか、それとも別の人間かはわからないけど……

「よくそんな、正体もわからないような奴の言うことを聞こうと思ったね」

「ひっ……か、金を払ってくれたんだ! 大金をな! それに白髪のガキを攫う隙を作れば、その倍額払うと!」

 少し手に力を入れると、男はさらに話す。
 なるほど金か。まったく、こういう輩は金をちらつかせればすーぐなんでもやるんだから。闇襲撃者かっての。

 ……って、あれ?

「白髪のガキ?」

 私、黒髪だよね? そりゃ魔力が昂ぶった時は白髪状態になるけど、今は黒髪だ。
 それに、こいつらは私の黒髪を狙っていたんじゃ……

 ……

「フィルちゃん!?」

 私ははっとして振り向き、隠れているように伝えたフィルちゃんの姿を確認する。

 男たちを迎撃する前は、確かにそこにいた。それを確認している。
 なのに……その姿が、どこにもない。

「フィルちゃん! フィルちゃん!」

 呼びかけても、返事はない。
 どこか別の場所に隠れたんだとしても、私の声に反応するはず。

 それがない、ってことは……


『白髪のガキを攫う隙を作れば、その倍額払うと!』


「……攫う?」

 つまり、こいつらは……私を襲うと見せかけて、本当はフィルちゃんが狙いだった?
 あわよくば私も、というくらいの気持ちで、本命はフィルちゃん……!?

 やられた……! 私の黒い髪は珍しいから、それを狙う輩って時点で狙いは私だけだと思ってた!

「お前! フィルちゃんはどこだ!」

「ぐっ!」

 男の身体を地面に押し付ける。自分でも、頭に血がのぼっているのがわかる。

「し、知らねえよ! 俺たちはただ、お前を白髪のガキから注意をそらすようにと……」

「お前らの仲間が攫ったんじゃないのか!」

「ち、違う! 知らねえよ!」

 ……じゃあ、こいつらに魔力封じの石を渡した連中が、フィルちゃんを……?
 こいつらは、要は使い捨ての駒みたいなもの。

 だったら、こいつにこれ以上聞いても……

「っ、くそ!」

「あの……襲ったことは謝るから、離してもらえると……そいつらも、連れて帰るから……」

「あぁ!? そうだねお疲れ様!」

 こいつらにこれ以上構っている暇はない。なので私は手に思い切り力を入れ、腕を本来曲がらない方向へと曲げる。
 嫌な音がしたけど、そんなこと関係ないくらいに焦っている。男を放置し、とりあえず表通りに……

「あれ、エランちゃん」

「! クレアちゃん!」

 そして表通りに出たタイミングで、クレアちゃんと合流する。近くを通っていたなんて、ナイスタイミング!

「クレアちゃん、あの裏に強姦魔がいるから、憲兵さんに知らせておいて! あと、魔力封じの石も落ちてると思うから気を付けて!」

「え、ちょっとー!?」

 とりあえず、あいつらに関してはこれで良し! 一刻も早くフィルちゃんを捜さないと!
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