831 / 1,198
第十一章 使い魔召喚編
818話 私もみんなの役に立ちたい
しおりを挟む……魔導学園での学園祭が終わり、私の周りではお祭りの熱が冷めていない人も多かった。
だけど、お祭りの跡が嫌でもお祭りが終わったことを感じさせる。
私たちはそれらを片づけながら、生徒会メンバーでもある私は生徒会の仕事と並行していた。
まあ私のやることと言っても、ほとんど先輩たちがやっちゃうからあんまりないんだけどね。
一年生の出し物の儲けとか、それらを纏めるくらいだ。
「学園祭も終わり、二年生や三年生は通常の授業に戻ることになる。だが、一年生はそうもいかない」
資料を纏めながら、ゴルさんが言う。
学園祭が終われば、残っている大きな学園行事と言えば他クラス試合くらいのものだ。それまで、二年生と三年生は普通の授業に戻る。
だけど、一年生はもう一つ、大きなイベントがあるのだ。それは……
「使い魔召喚!」
「あぁ、その通りだ」
つい声が大きくなってしまったが、私の言葉にゴルさんはうなずいてくれる。
他にも、タメリア先輩やメメメリ先輩、リリアーナ先輩が微笑ましそうにうなずいている。ちょっと恥ずかしい。
シルフィ先輩は、相変わらずだけど。
「使い魔召喚の授業。一年生はこの先、全員が使い魔を持つことになる。
ま、一部の生徒はすでに使い魔がいるようだが」
「一部ってか私とフィルちゃんだけじゃん」
その一部ってのも、黒竜と魔物というレアケースではあるんだけどね。
ともかく、ずっと楽しみにしていたんだよね。私自身はもう使い魔を召喚出来なくても、みんなのを見てるのも面白そうだよ。
クレアちゃんやルリーちゃんたち、どんな使い魔を召喚するのか。
「って、他のクラスの授業も見れないのかな」
私は、同じクラスのクレアちゃんやダルマスの召喚は見れるけど……別のクラスのノマちゃん、ナタリアちゃんたちはどうなるんだろう。
クラスごとに別の場所で行うのなら、他のクラスのは見れないよなぁ。
欲を言えば、みんなの見たい。
「さあ、どうかな。基本、使い魔を召喚するのは一人ずつだ。四クラスを一度に行えばそれだけ時間もかかるし、クラスごとに分けるんじゃないか?」
「あー、そんな意地悪言って。ゴルさんたちのときはどうだったのさ」
「さあな」
むむ、ゴルさんめ意地悪だ。去年までと一緒の方式なら、今年どうなるかわかるっていうのに。
「いや、これは本当にわかんないんだってエランちゃん」
だけど、そこにタメリア先輩が口を挟んだ。
「去年までと同じかはわからないんだよ。俺らのときは全クラスを意図角場所にまとめてやったんだけど、シルフィのときはクラスごとに分けたんだよ」
「……そうなんですか?」
「あぁ」
ふむ……意地悪で教えてくれなかったわけじゃなくて、本当に知らなかったのか。
それにしても、なんで前の年と次の年で方式が違うんだろう。
「時間の問題もあるからのぅ。わしら三年は、二年よりも人数が少ないからまとまられたのかもしれん」
「近いうちに先生方からやり方の説明があると思いますよ」
メメメリ先輩とリリアーナ先輩が、さっきの言葉を補足する。
なるほど、時間か。たくさんの人がいるなら、ばらけさせた方が効率がいいもんね。
「どちらでもいいだろう。召喚環境が変わるわけでもなし」
ツンとしたシルフィ先輩だけど、まあそうだよな。みんなの見たいってのは私の問題だし、同じクラスのみんなのを見れるだけでも良しとしよう。
はぁあ、楽しみだなぁ。
「一年生は、授業では使い魔に関するものを多く扱うはずだ。ま、お前にとっては周知のものだろうが」
「でも、復習にもなるから助かるよ」
使い魔について理解を深めていくのは、当然のことだ。
召喚の手順や、召喚してからの付き合い方……他にもいろいろ、知らなければいけないことはたくさんある。
それに、使い魔がいればこれからの魔導の扱い方にも、大きな変化が表れる。
使い魔とは視界や魔力を共有できるから、単純に自分の分身ができたってかんじだろうか。
「今年はどんなことになるかねぇ。俺らの時は、そりゃもうゴルのサラマンドラ一強って感じだったし」
「ゴルドーラ様の使い魔に比べたら、自分たちの学年は目糞鼻糞みたいなものですね」
「いや言い方!」
「その点、一年生は……エランちゃんの黒竜がいるから、それを超えるものは出てこないでしょうね」
「物珍しさで言えば、魔物も同じくだな」
先輩たちも、自分たちのことではないとはいえ気になることなんだろう。
誰がどんな使い魔を召喚するのかわからないんだ。ドキドキするのは、本人だけじゃなく周りもだ。
でも、どんなモンスターだって自分の呼びかけに応えてくれたんだ。なら、周りがどう思ったってどんな子だってかわいいさ。
「ま、経験者としてエランちゃんからも、お友達にいろいろ教えてあげなよ」
「経験者って言っても、私も教えてもらった立場だしなぁ」
しかも、私に教えてくれたラッヘは記憶喪失になってしまったわけで。ラッヘに聞くこともできない。
そういえば、ラッヘも当然使い魔召喚するんだよな。大丈夫、かな。
いや、もしかしたら私に教えてくれたことを思い出して、昔のことを思い出してくれるかも。
普段の何気ない生活が、記憶を思い出す手がかりになるって言うし。
「でもま、私もやるだけやってみるよ!」
「ん、その意気じゃ」
私もみんなの役に立ちたいしね!
11
あなたにおすすめの小説
ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい
空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。
孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。
竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。
火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜?
いやいや、ないでしょ……。
【お知らせ】2018/2/27 完結しました。
◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜
みおな
ファンタジー
私の名前は、瀬尾あかり。
37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。
そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。
今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。
それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。
そして、目覚めた時ー
美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ
さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。
絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。
荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。
優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。
華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。
テーラーボーイ 神様からもらった裁縫ギフト
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はアレク
両親は村を守る為に死んでしまった
一人になった僕は幼馴染のシーナの家に引き取られて今に至る
シーナの両親はとてもいい人で強かったんだ。僕の両親と一緒に村を守ってくれたらしい
すくすくと育った僕とシーナは成人、15歳になり、神様からギフトをもらうこととなった。
神様、フェイブルファイア様は僕の両親のした事に感謝していて、僕にだけ特別なギフトを用意してくれたんだってさ。
そのギフトが裁縫ギフト、色々な職業の良い所を服や装飾品につけられるんだってさ。何だか楽しそう。
無能と蔑まれ敵国に送られた私、故郷の料理を振る舞ったら『食の聖女』と呼ばれ皇帝陛下に溺愛されています~今さら返せと言われても、もう遅いです!
夏見ナイ
恋愛
リンドブルム王国の第二王女アリアは、魔力を持たない『無能』として家族に虐げられ、厄介払いとして敵国ガルディナ帝国へ人質に送られる。死を覚悟した彼女だが、あまりに不味い帝国の食事に耐えかね、前世の記憶を頼りに自ら厨房に立つことを決意する。
彼女が作った温かい家庭料理は、偶然離宮を訪れた『氷の皇帝』レオンハルトの孤独な心を癒していく。やがてその味は堅物騎士団長や宰相をも虜にし、食べた者を癒す奇跡から『食の聖女』と讃えられるように。
価値を知った故郷が「返せ」と言ってきたが、もう遅い!
これは、料理で運命を切り開き、最強皇帝から世界一甘く溺愛される、美味しい逆転シンデレラストーリー。
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?
【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています
きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる