史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます

白い彗星

文字の大きさ
832 / 1,198
第十一章 使い魔召喚編

819話 契約のやり方

しおりを挟む


 学園祭が終わってからの授業は、ゴルさんの言うように使い魔召喚に関する内容が多かった。

 使い魔召喚……と簡単に一言言っても、そのやり方は簡単なものではない。
 まず使い魔を召喚するための術式の知識を学び、やり方も覚える。召喚するための魔法陣は、使い魔を召喚すること同時に使い魔の家みたいなものでもある。

 クロガネが魔法陣を行き来するのと同じみたいにね。
 ちなみに、魔法陣の向こう側がどうなっているのかはわからない。クロガネに聞いたこともないしなぁ。

「とはいえ、魔法陣の知識があるだけで使い魔を召喚することはできない。正しい手順を学び、それを行わなければ思わぬ事故に繋がるからな」

「先生、思わぬ事故……ってなんでしょうか」

「そうだな……簡単に言うと爆発する」

 すごい、本当に簡単にまとめた……

 使い魔召喚しようとして爆発したんじゃ、どうしようもない。

「ま、覚えることは多いがそこまで複雑なものではない。お前たちがこれまで学んできた知識をまとめたようなものだからな」

 それからは、召喚の方法を主に学んだ。
 術式……魔法陣の作り方。そして魔法陣に自分の魔力を注ぎ込む。入学の組分けのとき、魔導具に魔力を注ぎ込んだときみたいに。

 使い魔召喚ってのは基本、自分の魔力に応じたモンスターが召喚に応じる形だ。つまり、モンスターが主人を選ぶと言っていい。

「魔法陣の作り方も、大して難しくはない。基本的にはこの魔導の杖で、絵を描くように描けば問題はない」

「魔法陣はみんな同じものなんですか?」

「基本的にはな。ただ、使い魔召喚にも大きく二種類ある。使い魔となるモンスターを召喚する場合と、すでにいるモンスターと直接契約を結ぶことだ。
 だから、フィールドやフィルの魔法陣は、私の魔法陣とは違うはずだ」

 みんなの視線が、いっせいにこっちに向いた。こ、怖いよぉ。

 なるほど、魔法陣にも二種類あるってことか。そこにいたクロガネと契約した私と、使い魔を召喚した先生とじゃ、魔法陣の形も違う。
 思い返してみれば、私は契約時に別に魔法陣描いたりしてないもんなぁ。フィルちゃんだってそうだ。

 その違いってことか。

「すでに契約し使い魔を持っているお前たちには、ぜひともその経験談をみなに話してほしいものだな」

 先生の言葉に、みんなの興味がさらにこっちに向いた気がした。
 うぅ、ゴルさんが言ってたみたいになったよぅ。

 考えてみれば、クロガネのことはみんなに自慢したけど、契約したときのことはあんまり話してはいないような……

「でも、私とみんなとじゃやり方が違うんだから、あんま意味ないと思うけど……」

 これから使い魔となるモンスターを召喚するみんなと、その場でモンスターと契約した私とじゃやり方が違うはずだ。
 だから、あんまり参考にならない気もする。

「いや、経験者の話は貴重だ。それも同世代の話はな」

 ただ教えるだけなら、先生の体験談を話せばいい。
 それでも私に話させようとするのが、私がすでにクロガネと契約しているから。

 先生の体験談とクラスメイトの体験談とじゃ、また新鮮味が違うのだろう。

「と言っても……私は、ラッへに教わった通りやっただけだしなぁ」

 何度思い出しても、あのときはラッへに従っただけだ。
 細かな作業はラッへに。私はただ、魔力と血を使ってクロガネと契約しただけだ。

「ラッへ……この間の転校生か」

 ラッへのことは、当然先生も知っている。
 転校生な上に、エルフ。しかも記憶喪失という、どうやったって目立つ存在だ。

 ちなみに、ラッへは偽名で本当の名前はエラン……つまり師匠グレイシア・フィールドの子供だってことは、誰にも話していない。
 知っているのは直接聞いた私と、ルリーちゃんだけだ。

「彼女は記憶が……なら、その時のことも覚えてはいないか」

「だね。まあ、やり方は覚えてるよ。すでに契約を結ぶと決めたモンスターがいる場合は、契約の術式……つまり魔法陣を組み立てるのは誰でも構わないんだって。
 で、お互いに契約を結ぶことを同意した上で……ラッへは魔法陣サークルって言ってたけど、そこに血を垂らすんだ」

「なるほどな。で、モンスターと……いや魔物と契約したフィルは……」

「もふもふがやってくれたの!」

「……」

 そうだよなぁ。あのとき、黒い毛玉魔物もといもふもふが、自らフィルちゃんと契約をしにいったように見えた。

 つまり私もフィルちゃんも、自分だけの力ではやっていないってことだ。フィルちゃんに関しては完全に魔物任せだし。

「……そうか」

 あ、今役に立たねえなって顔した!

「ま、わからないなら仕方ない。フィールドの話も参考がてら覚えておけ。
 さて、使い魔といえばもっとも大事なことがある」

 こほん、と咳払いをして、先生は口を開く。

「契約者と使い魔の間に結ばれる絆、とでも言うべきものか。それは魔力でも、契約でもない。両者にとってもっとも大事なもの、それは名前だ」

 先生ははっきりと、そう言った。
 使い魔との間には、名前が重要なのだと。

 そういえば、タメリア先輩あたりが言ってた気がする。使い魔は名前が大切で、契約者以外は基本的に名前を呼ぶことはないって。
 もちろん、絶対だめってわけじゃないけど。

 私は……どうだったかな。わりとクロガネって呼ばせているような気がしないでもない。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい

空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。 孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。 竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。 火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜? いやいや、ないでしょ……。 【お知らせ】2018/2/27 完結しました。 ◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ

さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。 絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。 荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。 優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。 華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。

英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~

ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。 彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。 敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。 結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。 だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。 「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」 謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。 少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。 これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。 【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】

ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします

ランド犬
ファンタジー
 異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは ――〈ホームセンター〉 壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。 気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。 拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?

婚約破棄された公爵令嬢は冤罪で地下牢へ、前世の記憶を思い出したので、スキル引きこもりを使って王子たちに復讐します!

山田 バルス
ファンタジー
王宮大広間は春の祝宴で黄金色に輝き、各地の貴族たちの笑い声と音楽で満ちていた。しかしその中心で、空気を切り裂くように響いたのは、第1王子アルベルトの声だった。 「ローゼ・フォン・エルンスト! おまえとの婚約は、今日をもって破棄する!」 周囲の視線が一斉にローゼに注がれ、彼女は凍りついた。「……は?」唇からもれる言葉は震え、理解できないまま広間のざわめきが広がっていく。幼い頃から王子の隣で育ち、未来の王妃として教育を受けてきたローゼ――その誇り高き公爵令嬢が、今まさに公開の場で突き放されたのだ。 アルベルトは勝ち誇る笑みを浮かべ、隣に立つ淡いピンク髪の少女ミーアを差し置き、「おれはこの天使を選ぶ」と宣言した。ミーアは目を潤ませ、か細い声で応じる。取り巻きの貴族たちも次々にローゼの罪を指摘し、アーサーやマッスルといった証人が証言を加えることで、非難の声は広間を震わせた。 ローゼは必死に抗う。「わたしは何もしていない……」だが、王子の視線と群衆の圧力の前に言葉は届かない。アルベルトは公然と彼女を罪人扱いし、地下牢への収監を命じる。近衛兵に両腕を拘束され、引きずられるローゼ。広間には王子を讃える喝采と、哀れむ視線だけが残った。 その孤立無援の絶望の中で、ローゼの胸にかすかな光がともる。それは前世の記憶――ブラック企業で心身をすり減らし、引きこもりとなった過去の記憶だった。地下牢という絶望的な空間が、彼女の心に小さな希望を芽生えさせる。 そして――スキル《引きこもり》が発動する兆しを見せた。絶望の牢獄は、ローゼにとって新たな力を得る場となる。《マイルーム》が呼び出され、誰にも侵入されない自分だけの聖域が生まれる。泣き崩れる心に、未来への決意が灯る。ここから、ローゼの再起と逆転の物語が始まるのだった。

転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜

みおな
ファンタジー
 私の名前は、瀬尾あかり。 37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。  そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。  今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。  それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。  そして、目覚めた時ー

無能と蔑まれ敵国に送られた私、故郷の料理を振る舞ったら『食の聖女』と呼ばれ皇帝陛下に溺愛されています~今さら返せと言われても、もう遅いです!

夏見ナイ
恋愛
リンドブルム王国の第二王女アリアは、魔力を持たない『無能』として家族に虐げられ、厄介払いとして敵国ガルディナ帝国へ人質に送られる。死を覚悟した彼女だが、あまりに不味い帝国の食事に耐えかね、前世の記憶を頼りに自ら厨房に立つことを決意する。 彼女が作った温かい家庭料理は、偶然離宮を訪れた『氷の皇帝』レオンハルトの孤独な心を癒していく。やがてその味は堅物騎士団長や宰相をも虜にし、食べた者を癒す奇跡から『食の聖女』と讃えられるように。 価値を知った故郷が「返せ」と言ってきたが、もう遅い! これは、料理で運命を切り開き、最強皇帝から世界一甘く溺愛される、美味しい逆転シンデレラストーリー。

戦姫のトロイメライ~断罪される未来が視えたので先に死んだことにしました

志熊みゅう
恋愛
 十三歳の誕生日、侯爵令嬢エディット・ユングリングは、自分が死ぬ瞬間を"夢"に視た。  卒業舞踏会で、婚約者であるフィーラ帝国・第一皇子マティアス殿下から、身に覚えのない罪で断罪され、捕らえられる。傍らでは見知らぬピンクブロンドの令嬢が不敵に微笑む。貴族牢のある北の古城に連行される途中、馬車ごと“死の谷”へと落ちていった――そんな妙に生々しい夢。  マティアス殿下は聡明で優しく、エディットを大切にしているように見えた。だから誰もその"夢"のことを気に留めなかった。しかし、兄の怪我、愛猫の死、そして大干ばつ――エディットの"夢"は次々と現実になっていく。ある日、エディットは気づく。この"夢"が、母の祖国・トヴォー王国の建国の軍師と同じ異能――"未来視"であることに。  その頃、一年早く貴族学院に入学したマティアス殿下は、皇宮から解放され、つかの間の自由を知った。そして、子爵令嬢ライラに懸想するようになる。彼女は、"夢"の中で冷酷に微笑むあの令嬢に瓜二つ。エディットは自分が視た"夢"が少しずつ現実になっていくことに恐怖した。そんな時に視た、黒髪の令息が「愛しているよ」と優しくはにかむ、もう一つの『未来』。エディットは決心する。  ――断罪される未来を変えたい。もう一つの未来を自分で選び取る。  彼女は断罪される前に、家族と共に自らの死を偽装し、トヴォー王国へと身を隠す。選び取った未来の先で、エディットは『戦姫』として新たな運命の渦に飲まれていく――。  断罪の未来を捨て、愛する者のために戦う令嬢の恋愛ファンタジー!

処理中です...