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もしも『ボーリング』がこの世になかったら

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もしも『ボーリング』がこの世になかったら、俺みたいな田舎者にとっては貴重な遊び場が消えて困る。

 ボーリングの球を思いっきり力任せに投げるって結構スッキリする。そんな投げ方をした暁には絶対にガーターになるけど。
  俺はボーリングが好きだけど上手いわけじゃない。倒すピンは正面に丁寧に整列している。なのに球は狙いを逸れたり、勢いよくガーターに突っ込んだりする。まるで自分の人生そのものをみているかのように。
 それでも二投目を投げずにはいられない。一投目がゼロでも、もしかしたら二投目はスペアになるかもしれない。
どうしようもなさそうなピンチでも諦めなければどうにかなる希望がある。

それもまた、自分の人生のようで。
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