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第一章 四度目の勇者の実力
閑話 鳴神先生の手記 ①
しおりを挟む20XX年、6月某日。
自分を含めた41人は異世界に勇者として召喚された。
クロードと名乗った王様曰く、勇者が魔王を倒すと5年後に復活するので、大体5年に1度勇者を召喚しているらしい。
今までは一人から三人だったのだが、今回は珍しいことに41人と多かったため驚いたと王様は言っていた。
この世界には、ステータスというものがあり、自分も含めほぼ全員がレベル40代前半だった。
ほぼと言ったのは、一人確認していない生徒が居たからだ。
その生徒の名は石崎祐人くん。
クラスではいつも一歩退いたところから見ているところがあり、一般男子高校三年生では類い稀な対応力と判断力、リーダーシップ性がある。
その彼が、自分とクラスの子達が訓練のために訓練場に案内されたとき居なかった。
探してきてもらおうと生徒達に声をかけると、倉橋奈菜さんが申し出てくれたので任せた。
任せたのはいいのだが、しばらく経ってもなぜか戻ってこない。
これはおかしいと自ら王様の所へ行って、訊いてみることにした。
返ってきた言葉に、自分は驚きを隠せなかった。
なにせ、石崎くんは、この世界には四度目の来訪で、魔王を三度も倒しており、勇者としては頼りになりすぎるほどの人物だということ。
石崎くんと国一の剣士グランと国一の魔法使いのパーティで先に魔王退治の旅に出たということ。
しかも、そのパーティに倉橋さん自ら志願して同行したということを聞かされたからだ。
それを聞いた自分は、驚いたあと教師という職業柄が災いして、王様に向かって説教をしてしまった。
――うちの生徒を四度もこの世界に召喚して何も思わないのか。
――いくら国一の剣士と国一の魔法使いが付いているからと言って、担任の自分に何の相談もなく行かせることについて思うところはないのか。
――そこに初めてこの世界に来た倉橋さんを付いていかせることに対してどう思っているのか。
とこのように問い詰めると、返ってきた言葉が上から順に次の通りだった。
――申し訳ないと思っているが、召喚魔法のそちらの世界の座標が何らかの影響でユウトに固定されているようなのだ。残念だがこちらではなんともできない。
――今のユウトのレベルは最大であるから、二人はただの従者だ。人数が多い方が何かあったとき対応しやすいからな。
――クラハシ殿の意思であったし、他の3人が面倒を見てくれるということを約束したため、これでよかったと思っている。
以上が自分の問いに対する王様の答えだった。
まさか石崎くんのレベルがカンストしているとは思わなかった。
だとしたら、自分達はなにもしなくていいのでは? という考えが頭を過るが、そこは石崎くんの担任としてのプライドが許さなかった。
そういうことならば、自分は他の生徒達と共に訓練に勤しみ、レベルをあげることに専念することにした。
訓練は、騎士団の団長であるアレンさんを筆頭とする騎士団の騎士達と打ち合いをしたり、魔法の種類や使い方などを勉強した。
魔法は種類が豊富で便利性抜群だった。
しかも、様々な面で使え、使い方次第で色々なことに使えそうだった。
レベルの方は、魔王のレベルは90代らしいので、全員がレベル80代後半且つ息を合わせた集団戦法でいけば勝てるとのことらしいので、頑張らなければならない。
早くレベル80代にして石崎くん達を追いかけなければならないのだから。
ちなみに、石崎くんと倉橋さんのことを他の生徒達に話すと、自分が思ったことと同じことを口にする生徒が数名居た。
そんな生徒達に自分はこう言った。
――人任せにすることを覚えた人間は、いざ自分がやらなければならない場面にぶち当たった時、何もできない。
――自分でやり遂げたからこそ、達成したときの達成感は想像を絶するものになる。
――君達は、人任せにする無責任な人間になりたいか? いいや、なりたくないだろう。絶対に後者になりたいはずだ。
――それを石崎くんは行動で示している。君達も見習ってほしい。先生も石崎くんを見習う。
――だから頑張ろう! せっかくの異世界だ、得るものを得て日本に帰ろう!
長々と喋った割に、生徒達は真剣に自分の話を聞いていてくれた。
しかも、話し終えると、なぜか拍手喝采で真剣だったこっちが照れてしまった。
自分は生徒に恵まれている。そう感じることができた一日だった。
明日からも頑張ろうと思う。
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