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第一章
千秋危機一発
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モロ押し倒されてるところを誠至に救われた後、琳門が我に返ったように凄い勢いで心配してくれた。
が、残念ながら何もされていない、無事だ。いや残念ながらってなんだ。心底ホッとしてるわ。
そして私は脱衣所で買ってきてくれたブラを付けることにした。
サイズは……まあちょっとキツいけど許容範囲内だ。さすがにピッタリは当てられなかったかぁ。当てられたらそれはそれでキモいけど。教えておけば良かったかな。
それにしても黒って……誠至はもっと白とか水色の清楚系の方が好きなのかと思ってたよ。
黒かぁ……なんか友人の知ってはいけない部分を知ってしまったみたいで妙な気分だ……まあ襲われたくないし付けるけども。
鏡を見ながら浴衣をきっちりと着直す。それはもうきっちりと。どこぞの性欲魔神が襲ってきてもちょっとやそっとじゃ解けないよう帯も複雑な結び方にしよう。
フン、解けるもんなら解いてみろ!!
……とか言ったらほんとに解いてきそうだなやめよう。
部屋に戻ると既に豪華な夕飯が並べられていた。
「おお! うんまそ~!」
すかさず料理に飛びつく私。だけどそんなにはしゃいでいるのは私だけのようで、室内には何やら殺伐とした雰囲気が漂う。
私が着替えている間何かあったのだろうか? まあそんなことどうでもいっか。
「ほーら千秋、お前の大好きなサーモンがあるぞー!」
「わぁほんとだ! やっぱり刺身はサーモ……え、なんで先輩私の好物知ってるんですか?言ったことありませんよね?」
「あはは!」
あははじゃねーよ。このストーカーが。
「「いただきます」」
とまあ、先輩のストーカーは今に始まった事ではないので早速大好物のサーモンを食べようと座布団の上に座る。
ちなみに先輩は満面の笑みでサーモンを全部私にくれた。やったね!
「あれ? そういえば倭人は?」
食べ始めてすぐ、倭人が見当たらないことに気付く。
すると私の言葉を受け3人とも不思議そうな顔をした。
「おー、どこ行ったんだろうな?」
「千秋が着替えにいった後すぐ消えたような……どうでもいいけど」
「どこぞの女でも漁りにいったんじゃないの? 気持ち悪」
うん、みんなもうちょっと倭人に興味持とうぜ。まあ私もすぐに気付かなかったけども。
……ふーん、そっか。倭人いないのかぁ。
夕飯食べないのかなぁ? それは勿体無いよねぇ。
「……倭人の分のサーモン、食べていいかな」
「狙いはソレかよ」
「……僕のも食べる?」
その後、誠至と琳門の分も美味しくいただきました。
◆◇◆
「はあ~食った食った」
全てを平らげた後、先輩がゴロンと寝転がる。そんなにすぐ寝たら牛になりますよ。
―――結局倭人は最後まで帰ってこなかった。
まあ団体行動とかできなさそうだしな~。ほんとなんで温泉来たんだアイツ。今頃どこで何をやっているのやら。
倭人の分は残すと勿体無いということで各自好物を攫っていった。しかし相当な量だったので大分残り、その残りは全て礎先輩の胃袋へ……。さすがだ。倭人が途中で帰ってくることを一切考慮せずにばくばく食ってたな。まあ結果オーライだけど。
食べたら後は寝るだけ……なんだけど、私はもう一度温泉に入りたかったためその旨を告げると、就寝時間まで各自自由行動となった。
琳門は私と一緒に温泉、先輩はお土産コーナー、誠至は外の空気を吸いにいくらしい。
本日2回目の温泉には誰もいなかった。
「ふぅ~やっぱきもちい~」
だらーと背を岩に預け、空を仰ぐ。すると満天の星空が広がった。星座とかよくわからんけどとりあえず綺麗だな。
都会から少し離れたここは、新鮮な空気が漂っていて気分が良い。
ようやく一息つけたといったところか。
温泉に来た目的は日々の疲れ&心の傷を癒すためだった。そして今のところその目的は――達成されている。
なんか一瞬危なかったけど……うん。
琳門と仲直りできたし。まあ仲直りってか別に喧嘩してたわけでも嫌われたわけでもなかったんだけどね! その事実さえあればまたいつもの元気いっぱいな千秋クンに戻れる……!
いつもの千秋クンに――――
「……あれ?」
温泉から戻ると、またもや倭人以外は揃っていた。
そして目の前に広がる光景―――それは5人分の布団。見るからにふっかふかそうな布団が横一列に綺麗に並べられている。
あれ、待てよ。
「今更だけど私……ここでみんなと寝るの?」
「本当に今更だな」
すかさず誠至のツッコミが入る。その目は心底呆れたと言っていた。
「だからあれほど注意したじゃねぇか……」
呆然としている私にさらに聞こえた責めるような声。確かにこれは……考えが足りなかったな。
だ、だって……癒されたかったんだもん! 久しぶりにのんびりした時間が欲しかったんだもん!!
「ちーあき! 一緒に寝ようぜー!」
「はぁ? 何言ってんの? 千秋は僕と一緒に寝たいよね?」
……うん、全然のんびりできそうにないね。
クソッ、なんでこうなった! まあ自業自得だけど!!
「ふざけんな俺が許すわけないだろ! てか千秋お前篁と喧嘩中じゃなかったのか?」
「あーまあね、喧嘩っていうか、ただ誤解してただけっていうか」
「今ではもうすっかり仲良しだよね、千秋?」
「う、うん!」
琳門から嬉しいことを言われ頬が緩む。
でも琳門前からそんなベッタリする感じだったっけ? それよりはもっとこう……ツンデレだったような……
まあどちらにしろ可愛いからいいか。可愛いは最強。
「はあ? いつの間にそんな……あれか、篁のヤツが遅れて温泉来た時か」
デレデレと微笑み合う俺らに向けて放たられたのは誠至の思案声。
「はあ……やっぱり読み通りじゃねぇか……ホモだったら良かったものを……」
「ほ、ホモ? いきなりどうした?」
「とにかく! 俺は許さねぇからな! お前は俺と寝ろ」
「ねえ二人と言ってること同じだからね??」
何をそんな決定事項みたいに言ってんだ。お前だって私からしたら手を出してきた内の一人だよ! いつの間にか以前のテンションになっちゃってたけどやっぱり信用できないことには変わりない!
ていうか段々『寝る』が『ヤる』の意味に聞こえてくるんだけどまあ気のせいですよね、ちょっと今私の脳内おかしいみたい。ちゃんと『就寝する』の意味ですよね?
この中だったら琳門が一番安全かなー……そもそも『安全』ってなんだ? 何もされないこと? それならさっき琳門にチューされちゃったし……(厳密に言えば自分からだけど)
あれ、なんか誰選んでもダメじゃない? どうしよう……どうすれば……あ、そうだ!! 大体誰かと寝る必要ないじゃん!! 部屋は広いんだし何もこんなに布団をくっつけなくても、一人だけ離れたところで寝ればいい。
よしそうと決まれば進言あるのみ!
「私はあっちで―――」
「じゃあさ~誰が千秋と寝るかコレで決めねぇ?」
と、口を開けば速攻先輩に遮られた。コレ、と言って先輩が掲げて見せたのは……『黒ひげ危機一発』?
は? なんだそれどっから出した。
フロントで借りてきた! と言いながらブンブン尻尾を振る先輩。
てか私の発言を遮るとは相変わらず駄犬だな。そんなのやらないに決まって―――
「ふぅーんどうやるんだっけソレ」
「……ぜってえ勝ってやる」
うんやる気満々だね君達。
何故に!? 君達大学生にもなってこんな昔懐かしのゲームやるの!? しかも賞品が『私の隣で寝る権利』!? なんだそりゃ!!
そんなの絶対反対に決まって―――
「ほら千秋ボサッとしてないで座れって!」
「僕の隣空いてるよ」
「ちょ待って私はやらないから!!」
「えーやんないの? じゃあ誰がそこで勝つか観戦してるか?」
「……ッ!!」
なんだコイツ私の参加有無にかかわらずゲームは強行する気だ。
誰が私と寝るか黙って見てろと……そんなことあってたまるか!
「私が勝ったら一人で寝るからね!!」
「お前も大概流されやすいよな」
そしていざ、『チキチキ☆千秋と一緒に寝るのは誰だ!? 黒ひげ危機一発!』が始まったのであった―――。
いやこれじゃあ黒ひげじゃなくて『千秋危機一発』だわ。
が、残念ながら何もされていない、無事だ。いや残念ながらってなんだ。心底ホッとしてるわ。
そして私は脱衣所で買ってきてくれたブラを付けることにした。
サイズは……まあちょっとキツいけど許容範囲内だ。さすがにピッタリは当てられなかったかぁ。当てられたらそれはそれでキモいけど。教えておけば良かったかな。
それにしても黒って……誠至はもっと白とか水色の清楚系の方が好きなのかと思ってたよ。
黒かぁ……なんか友人の知ってはいけない部分を知ってしまったみたいで妙な気分だ……まあ襲われたくないし付けるけども。
鏡を見ながら浴衣をきっちりと着直す。それはもうきっちりと。どこぞの性欲魔神が襲ってきてもちょっとやそっとじゃ解けないよう帯も複雑な結び方にしよう。
フン、解けるもんなら解いてみろ!!
……とか言ったらほんとに解いてきそうだなやめよう。
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すかさず料理に飛びつく私。だけどそんなにはしゃいでいるのは私だけのようで、室内には何やら殺伐とした雰囲気が漂う。
私が着替えている間何かあったのだろうか? まあそんなことどうでもいっか。
「ほーら千秋、お前の大好きなサーモンがあるぞー!」
「わぁほんとだ! やっぱり刺身はサーモ……え、なんで先輩私の好物知ってるんですか?言ったことありませんよね?」
「あはは!」
あははじゃねーよ。このストーカーが。
「「いただきます」」
とまあ、先輩のストーカーは今に始まった事ではないので早速大好物のサーモンを食べようと座布団の上に座る。
ちなみに先輩は満面の笑みでサーモンを全部私にくれた。やったね!
「あれ? そういえば倭人は?」
食べ始めてすぐ、倭人が見当たらないことに気付く。
すると私の言葉を受け3人とも不思議そうな顔をした。
「おー、どこ行ったんだろうな?」
「千秋が着替えにいった後すぐ消えたような……どうでもいいけど」
「どこぞの女でも漁りにいったんじゃないの? 気持ち悪」
うん、みんなもうちょっと倭人に興味持とうぜ。まあ私もすぐに気付かなかったけども。
……ふーん、そっか。倭人いないのかぁ。
夕飯食べないのかなぁ? それは勿体無いよねぇ。
「……倭人の分のサーモン、食べていいかな」
「狙いはソレかよ」
「……僕のも食べる?」
その後、誠至と琳門の分も美味しくいただきました。
◆◇◆
「はあ~食った食った」
全てを平らげた後、先輩がゴロンと寝転がる。そんなにすぐ寝たら牛になりますよ。
―――結局倭人は最後まで帰ってこなかった。
まあ団体行動とかできなさそうだしな~。ほんとなんで温泉来たんだアイツ。今頃どこで何をやっているのやら。
倭人の分は残すと勿体無いということで各自好物を攫っていった。しかし相当な量だったので大分残り、その残りは全て礎先輩の胃袋へ……。さすがだ。倭人が途中で帰ってくることを一切考慮せずにばくばく食ってたな。まあ結果オーライだけど。
食べたら後は寝るだけ……なんだけど、私はもう一度温泉に入りたかったためその旨を告げると、就寝時間まで各自自由行動となった。
琳門は私と一緒に温泉、先輩はお土産コーナー、誠至は外の空気を吸いにいくらしい。
本日2回目の温泉には誰もいなかった。
「ふぅ~やっぱきもちい~」
だらーと背を岩に預け、空を仰ぐ。すると満天の星空が広がった。星座とかよくわからんけどとりあえず綺麗だな。
都会から少し離れたここは、新鮮な空気が漂っていて気分が良い。
ようやく一息つけたといったところか。
温泉に来た目的は日々の疲れ&心の傷を癒すためだった。そして今のところその目的は――達成されている。
なんか一瞬危なかったけど……うん。
琳門と仲直りできたし。まあ仲直りってか別に喧嘩してたわけでも嫌われたわけでもなかったんだけどね! その事実さえあればまたいつもの元気いっぱいな千秋クンに戻れる……!
いつもの千秋クンに――――
「……あれ?」
温泉から戻ると、またもや倭人以外は揃っていた。
そして目の前に広がる光景―――それは5人分の布団。見るからにふっかふかそうな布団が横一列に綺麗に並べられている。
あれ、待てよ。
「今更だけど私……ここでみんなと寝るの?」
「本当に今更だな」
すかさず誠至のツッコミが入る。その目は心底呆れたと言っていた。
「だからあれほど注意したじゃねぇか……」
呆然としている私にさらに聞こえた責めるような声。確かにこれは……考えが足りなかったな。
だ、だって……癒されたかったんだもん! 久しぶりにのんびりした時間が欲しかったんだもん!!
「ちーあき! 一緒に寝ようぜー!」
「はぁ? 何言ってんの? 千秋は僕と一緒に寝たいよね?」
……うん、全然のんびりできそうにないね。
クソッ、なんでこうなった! まあ自業自得だけど!!
「ふざけんな俺が許すわけないだろ! てか千秋お前篁と喧嘩中じゃなかったのか?」
「あーまあね、喧嘩っていうか、ただ誤解してただけっていうか」
「今ではもうすっかり仲良しだよね、千秋?」
「う、うん!」
琳門から嬉しいことを言われ頬が緩む。
でも琳門前からそんなベッタリする感じだったっけ? それよりはもっとこう……ツンデレだったような……
まあどちらにしろ可愛いからいいか。可愛いは最強。
「はあ? いつの間にそんな……あれか、篁のヤツが遅れて温泉来た時か」
デレデレと微笑み合う俺らに向けて放たられたのは誠至の思案声。
「はあ……やっぱり読み通りじゃねぇか……ホモだったら良かったものを……」
「ほ、ホモ? いきなりどうした?」
「とにかく! 俺は許さねぇからな! お前は俺と寝ろ」
「ねえ二人と言ってること同じだからね??」
何をそんな決定事項みたいに言ってんだ。お前だって私からしたら手を出してきた内の一人だよ! いつの間にか以前のテンションになっちゃってたけどやっぱり信用できないことには変わりない!
ていうか段々『寝る』が『ヤる』の意味に聞こえてくるんだけどまあ気のせいですよね、ちょっと今私の脳内おかしいみたい。ちゃんと『就寝する』の意味ですよね?
この中だったら琳門が一番安全かなー……そもそも『安全』ってなんだ? 何もされないこと? それならさっき琳門にチューされちゃったし……(厳密に言えば自分からだけど)
あれ、なんか誰選んでもダメじゃない? どうしよう……どうすれば……あ、そうだ!! 大体誰かと寝る必要ないじゃん!! 部屋は広いんだし何もこんなに布団をくっつけなくても、一人だけ離れたところで寝ればいい。
よしそうと決まれば進言あるのみ!
「私はあっちで―――」
「じゃあさ~誰が千秋と寝るかコレで決めねぇ?」
と、口を開けば速攻先輩に遮られた。コレ、と言って先輩が掲げて見せたのは……『黒ひげ危機一発』?
は? なんだそれどっから出した。
フロントで借りてきた! と言いながらブンブン尻尾を振る先輩。
てか私の発言を遮るとは相変わらず駄犬だな。そんなのやらないに決まって―――
「ふぅーんどうやるんだっけソレ」
「……ぜってえ勝ってやる」
うんやる気満々だね君達。
何故に!? 君達大学生にもなってこんな昔懐かしのゲームやるの!? しかも賞品が『私の隣で寝る権利』!? なんだそりゃ!!
そんなの絶対反対に決まって―――
「ほら千秋ボサッとしてないで座れって!」
「僕の隣空いてるよ」
「ちょ待って私はやらないから!!」
「えーやんないの? じゃあ誰がそこで勝つか観戦してるか?」
「……ッ!!」
なんだコイツ私の参加有無にかかわらずゲームは強行する気だ。
誰が私と寝るか黙って見てろと……そんなことあってたまるか!
「私が勝ったら一人で寝るからね!!」
「お前も大概流されやすいよな」
そしていざ、『チキチキ☆千秋と一緒に寝るのは誰だ!? 黒ひげ危機一発!』が始まったのであった―――。
いやこれじゃあ黒ひげじゃなくて『千秋危機一発』だわ。
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