4 / 16
虹
しおりを挟む空に架け橋が出来上がる
ザァザァ降った黒い雨が上がり
雲の隙間からお日様が顔を出したかと思うと一つの橋が出来上がった
大きな大きな橋ができた
綺麗で美しい橋ができた
涙を流しながら私は思わずそれを見上げる
その美しさに心は高鳴るけれど
私はあの橋を渡れない
渡りたいとは思うけれど
渡ることはできないのだ
おそらく私以外の人であっても
あれを渡れる人はほとんどいない
ならばあの橋は何のために
作り上げられたのかと
あの雄大で美しい7色の橋は
なぜあそこにあるのだろうかと
私は愚かにもそう思う
おそらく私の周りの者たちも
同じようにそう思う
例外は
私と共にいたあなただけなのだ
あなたがあの大きな虹の架け橋を
ゆうゆうと歩き始めているのを見上げながら
羽の生えなかったわたしたちの代わりに
羽の生えたあなたが渡っているのを見ながら
私は口を閉じて瞳を見開かせていた
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる