詩集

D・D

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楽になる

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熱さだと勘違いしたのは

最初の数分だっただろうか

ぐじゅぐじゅと噴出して

ぐるんぐるんと目まぐるしく駆け回っている

熱いってのはその液体がただ熱いからだ

首から次々に飛び出て行く

肺が酸素を求めている

だけども口腔が酸素を取り込まない

取り込めない

掠れた空気が唇の前を舞う

辛苦に塗れて前が霞んでくる

目玉が沸騰したみたいだ
眼球がジュルジュルしてきた

手は冷たいかもしれない
足も冷たいかもしれない

体は起きない
力が入らない

赤が舞う 僕の周りに赤が舞う

口からとろりと赤がはみ出る

熱い熱い熱い 熱い熱い熱い

どくどくどくどく心臓が無駄な動きを繰り返す
どくどくどくどくうるさいうるさい

もう遅い 心臓よそんなに頑張ってももう遅い

早く楽に………

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