詩集

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廻向 修正

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 巡りゆくその"運命"は
 輪廻の間に携わる

 循環的に繰り返すその"運命"は
 何かに止まることはない

 感銘を受けたその槍は

 汚れたものに携わって

 思い出したくもないその盾は

 価値ある若人の元へと辿り着く

 還元されるあらゆる空気は

 あらゆる素へと結びつき

 寝耳にくすぶる世に現れた胞子は

 どうにも非情に私を穿つ

 典型的なその温水と

 記憶に残る歪な体臭

 貝は海を渡り歩き

 葉は地の中へと沈んでいく。

 手を伸ばしたその先には

 微かな私の面影がある

 ついに私と出会ったその"運命"は
 私を新たな死へと迎える

 "運命"とは何か どこにいるのか
 それを分かるものはいない

 
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