35 / 76
事故つがいの夫は僕を愛してる
NewYearKiss
しおりを挟む
大晦日。
年末恒例の歌番組を見ている理人と天音。
「あ、"きみのとなりで"、だよ!」
自分達を繋げてくれた思い出の曲の順番がきて、天音はニコニコして理人に言った。
「うん、見てるよ」
理人はそんな天音を「可愛いなぁ」と言いながら見つめてくる。
「僕じゃなくてテレビを見て。ほら、♪一緒にいよう、ずっといよう、奇跡が軌跡になるように♪ ……ねぇ、理人、見てってば」
「うん、見てるよ」
そう言いながら、理人は天音が口ずさむのにリズムを合わせて頷いて、やっぱり天音を見つめてくる。
「もぅ、理人ってば。せっかく初めて二人で並んで見れるのに……」
事故つがいになってからついこの前の春まですれ違っていた二人は、大晦日も蕎麦を食べた後は各自の部屋で年越しを迎えていた。だから今年は記念すべき二人での年越しで、一緒に思い出の歌を歌いたかった。
ぷぅ、と天音が頬を膨らませると、理人は食べるように頬に吸い付いてくる。
「わわ」
「二人でいられるからこそ、ずっと天音を見ていたいんだよ」
……ま、眩しい。キラキラ王子スマイルだ。
かっこよさに、天音はつい目を閉じてしまった。すると理人は、今度は唇を啄んでくる。
ちゅ、ちゅく、ちゅぽん……。
歯列を割られ、頬の粘膜も上顎のざらざらもひと通り愛撫される。舌を濃厚に絡められたあとは、舌先まで吸われて長いキスが終わった。
「ん、理人ぉ……」
「ふふ、天音、顔が真っ赤だね。年の最後まで可愛い顔を見れて嬉しい」
口の端に伝った、どちらのものも混ざった雫もぺろりと舐め上げられる。
「も、も、もう! これじゃあいつもと変わらないってば」
理人の胸に顔を押し付けて反論しても意味はなく、あははと笑われてぎゅっと抱きしめられた。
こうして愛情を見せてくれるのは嬉しくて幸せ。でも、でも、年越しというイベントを楽しみたい天音なのだ。
「ねえ理人、忘れてないよね?」
「うん? もちろんわかってるよ。歌番組を最後まで見て、それから近くの神社に出かけて、初詣するんだよね」
「そう! 一緒に除夜の鐘をつこうね。おみくじも一緒に引きたい」
年の瀬が近づいてから何度も確認した約束だ。何もかも初めてで、天音はワクワクしていた。
……ところが。
歌番組の勝敗がわかる前に、ウトウトしだした天音はとうとう眠ってしまった。
「あーあ。気合が入りすぎちゃったね」
理人は優しいため息をついて、二人の寝室に天音を運ぶ。
「神社から帰ったら初エッチしようって約束もしてたのに、残念」
理人はすっかり眠ってしまった天音にパジャマを着せ、自分も着替えてベッドの中で抱きしめる。
それから、髪から始まり額、鼻、両瞼、両頬、顎に8個のキス。
続いて身体へのキスは痕を残して、100個のキスマークをつけた。
「うん、これで108キス」
108回のキスを終えるとちょうどお正月。
「あけましておめでとう、天音。今年もよろしくね」
理人は天音の唇に初キスを落とし、大事に大事に抱きしめ直して眠りについた。
翌朝、眠ってしまったことにガーンとなった天音だったが 「夕方には実家に行くから、今から出かけてそれまでお正月イベント行こう」と理人に誘われ、気を取り直して着替えを始める。
「天音、暖房効いているから、リビングで着替えたら?」
キッチンから、お雑煮の準備をしている理人の声が聞こえる。
「大丈夫~、寒くないから」
返事をして、パジャマのズボンをまず脱いだ。
「……あれ? なんだろう、虫刺され? 蕁麻疹……?」
太ももに、膝に、下肢に、赤い斑点が。
「!」
鏡の前に立って、肌着も脱いで声を失った。
「な、な、な、な……理人!」
天音が初驚きをして、大混乱に陥ったことは言うまでもない。
おわり
年末恒例の歌番組を見ている理人と天音。
「あ、"きみのとなりで"、だよ!」
自分達を繋げてくれた思い出の曲の順番がきて、天音はニコニコして理人に言った。
「うん、見てるよ」
理人はそんな天音を「可愛いなぁ」と言いながら見つめてくる。
「僕じゃなくてテレビを見て。ほら、♪一緒にいよう、ずっといよう、奇跡が軌跡になるように♪ ……ねぇ、理人、見てってば」
「うん、見てるよ」
そう言いながら、理人は天音が口ずさむのにリズムを合わせて頷いて、やっぱり天音を見つめてくる。
「もぅ、理人ってば。せっかく初めて二人で並んで見れるのに……」
事故つがいになってからついこの前の春まですれ違っていた二人は、大晦日も蕎麦を食べた後は各自の部屋で年越しを迎えていた。だから今年は記念すべき二人での年越しで、一緒に思い出の歌を歌いたかった。
ぷぅ、と天音が頬を膨らませると、理人は食べるように頬に吸い付いてくる。
「わわ」
「二人でいられるからこそ、ずっと天音を見ていたいんだよ」
……ま、眩しい。キラキラ王子スマイルだ。
かっこよさに、天音はつい目を閉じてしまった。すると理人は、今度は唇を啄んでくる。
ちゅ、ちゅく、ちゅぽん……。
歯列を割られ、頬の粘膜も上顎のざらざらもひと通り愛撫される。舌を濃厚に絡められたあとは、舌先まで吸われて長いキスが終わった。
「ん、理人ぉ……」
「ふふ、天音、顔が真っ赤だね。年の最後まで可愛い顔を見れて嬉しい」
口の端に伝った、どちらのものも混ざった雫もぺろりと舐め上げられる。
「も、も、もう! これじゃあいつもと変わらないってば」
理人の胸に顔を押し付けて反論しても意味はなく、あははと笑われてぎゅっと抱きしめられた。
こうして愛情を見せてくれるのは嬉しくて幸せ。でも、でも、年越しというイベントを楽しみたい天音なのだ。
「ねえ理人、忘れてないよね?」
「うん? もちろんわかってるよ。歌番組を最後まで見て、それから近くの神社に出かけて、初詣するんだよね」
「そう! 一緒に除夜の鐘をつこうね。おみくじも一緒に引きたい」
年の瀬が近づいてから何度も確認した約束だ。何もかも初めてで、天音はワクワクしていた。
……ところが。
歌番組の勝敗がわかる前に、ウトウトしだした天音はとうとう眠ってしまった。
「あーあ。気合が入りすぎちゃったね」
理人は優しいため息をついて、二人の寝室に天音を運ぶ。
「神社から帰ったら初エッチしようって約束もしてたのに、残念」
理人はすっかり眠ってしまった天音にパジャマを着せ、自分も着替えてベッドの中で抱きしめる。
それから、髪から始まり額、鼻、両瞼、両頬、顎に8個のキス。
続いて身体へのキスは痕を残して、100個のキスマークをつけた。
「うん、これで108キス」
108回のキスを終えるとちょうどお正月。
「あけましておめでとう、天音。今年もよろしくね」
理人は天音の唇に初キスを落とし、大事に大事に抱きしめ直して眠りについた。
翌朝、眠ってしまったことにガーンとなった天音だったが 「夕方には実家に行くから、今から出かけてそれまでお正月イベント行こう」と理人に誘われ、気を取り直して着替えを始める。
「天音、暖房効いているから、リビングで着替えたら?」
キッチンから、お雑煮の準備をしている理人の声が聞こえる。
「大丈夫~、寒くないから」
返事をして、パジャマのズボンをまず脱いだ。
「……あれ? なんだろう、虫刺され? 蕁麻疹……?」
太ももに、膝に、下肢に、赤い斑点が。
「!」
鏡の前に立って、肌着も脱いで声を失った。
「な、な、な、な……理人!」
天音が初驚きをして、大混乱に陥ったことは言うまでもない。
おわり
505
あなたにおすすめの小説
【完結】それ以上近づかないでください。
ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」
地味で冴えない小鳥遊凪は、ずっと憧れていた蓮見馨に勢いで告白してしまう。
するとまさかのOK。夢みたいな日々が始まった……はずだった。
だけど、ある出来事をきっかけに二人の関係はあっけなく終わる。
過去を忘れるために転校した凪は、もう二度と馨と会うことはないと思っていた。
ところが、ひょんなことから再会してしまう。
しかも、久しぶりに会った馨はどこか様子が違っていた。
「今度は、もう離さないから」
「お願いだから、僕にもう近づかないで…」
君に不幸あれ。
ぽぽ
BL
「全部、君のせいだから」
学校でも居場所がなく、家族に見捨てられた男子高校生の静。
生きる意味を失いかけた時に屋上で出会ったのは、太陽に眩しい青年、天輝玲だった。
静より一つ年上の玲の存在は、静の壊れかけていた心の唯一の救いだった。
静は玲のことを好きになり、静の告白をきっかけに二人は結ばれる。
しかしある日、玲の口から聞いた言葉が静の世界を一瞬で反転させる。
「好きになられるからあいつには近づかない方がいいよ。」
玲に対する感情は信頼から憎悪へと変わった。
それから十年後。
静は玲に復讐するために近づくが…
【完結】君のことなんてもう知らない
ぽぽ
BL
早乙女琥珀は幼馴染の佐伯慶也に毎日のように告白しては振られてしまう。
告白をOKする素振りも見せず、軽く琥珀をあしらう慶也に憤りを覚えていた。
だがある日、琥珀は記憶喪失になってしまい、慶也の記憶を失ってしまう。
今まで自分のことをあしらってきた慶也のことを忘れて、新たな恋を始めようとするが…
事故つがいの夫が俺を離さない!
カミヤルイ
BL
事故から始まったつがいの二人がすれ違いを経て、両思いのつがい夫夫になるまでのオメガバースラブストーリー。
*オメガバース自己設定あり
【あらすじ】
華やかな恋に憧れるオメガのエルフィーは、アカデミーのアイドルアルファとつがいになりたいと、卒業パーティーの夜に彼を呼び出し告白を決行する。だがなぜかやって来たのはアルファの幼馴染のクラウス。クラウスは堅物の唐変木でなぜかエルフィーを嫌っている上、双子の弟の想い人だ。
エルフィーは好きな人が来ないショックでお守りとして持っていたヒート誘発剤を誤発させ、ヒートを起こしてしまう。
そして目覚めると、明らかに事後であり、うなじには番成立の咬み痕が!
ダブルショックのエルフィーと怒り心頭の弟。エルフィーは治癒魔法で番解消薬を作ると誓うが、すぐにクラウスがやってきて求婚され、半ば強制的に婚約生活が始まって────
【登場人物】
受け:エルフィー・セルドラン(20)幼馴染のアルファと事故つがいになってしまった治癒魔力持ちのオメガ。王立アカデミーを卒業したばかりで、家業の医薬品ラボで仕事をしている
攻め:クラウス・モンテカルスト(20)エルフィーと事故つがいになったアルファ。公爵家の跡継ぎで王都騎士団の精鋭騎士。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
【完結済】俺のモノだと言わない彼氏
竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?!
■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新!
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる