専務、その溺愛はハラスメントです ~アルファのエリート専務が溺愛してくるけど、僕はマゾだからいじめられたい~

カミヤルイ

文字の大きさ
87 / 92
番外編

番外編Ⅱの① お願い、僕をいじめて⑫と混迷と昏迷のあいだで①の間の話*

しおりを挟む
 こちらのお話は「お願い、僕をいじめて⑫と混迷と昏迷のあいだで①」の間のお話です。

*******


「や……みっくん、もうだめ、許して……!」
「許すなんて、俺は意地悪をしているわけじゃないだろう? これはいつも頑張っている千尋へのご褒美だよ?」

 後孔の拡張が始まって一か月が近づいた夜。
 千尋はいつものように両手をハンドカフスで、ペニスをコックリングで拘束されていた。

 いつもと違うのは、雫が落ちるほどたっぷりと濡れたガーゼをペニスの先にかぶせられていること。
 ガーゼには光也のフェロモンローションがたっぷりと染み込んでいる。

 胸もだが、ペニスも先端が弱い千尋は、涙と涎とで顔をグシャグシャにしながら、今までに感じたことがない悦楽に腰を揺らして喘いでいた。

「あっ……! ペチペチってしないでっ。んんんっ、無理、もぉ 無理いっ!」
「まだ始まったばかりだよ? もっと気持ちよくなれるからね」

 かぶせたガーゼを取ったり外したりされ、敏感な亀頭を刺激される。

 光也は慈愛たっぷりの瞳をなだらかな弧の形にしているのに、どこか嗜虐的だ。

 正直言ってかっこいい。氷の王子感が漂っている。

 だが、甘い疼きと、吐精感はあるのに吐けない苦しさとで、光也のかっこよさに酔っていられない。
 このままじゃおかしくなりそうだ。

「んぁあぁぁぁ!」

 どうして……どうしてこんなことになっているんだっけ……。



 ことの起こりは一週間前の土曜日。
 夕方、千尋のスマートフォンにニ通のメールが届いた。

「あ……モトさん、お店辞めるんだ」

 差出人は「CLUBマゾ」のサドキャスト・モト。
 同じオメガのキャストだったので、千尋は毎回モトを指名していた。

‘’長年お世話になりました。このたび引退を決意しました。十二月三十日が最後のお仕置き日になります。リピーター様もお久しぶりの方も、モトとの最後のプレイを思い出に刻みにいらしてください’’

 一通目のメールは会員すべてに送られている自動メール。そしてもう一通は。

‘’藤村さん、しばらくご来店がありませんが、心境の変化などございましたでしょうか。充実した毎日を送っておられますように。長きに渡るご利用、ありがとうございました’’

 モトからの直接メールだった。
 モトはSMクラブのサドキャストらしからず、利用後のお礼メールや次回のお誘いメール、季節の挨拶メールなどを欠かさない、こまめなキャストだった。

 また、プレイ後のケアだけでなく客のメンタルケアにも定評があり、千尋に関しては、光也以外に千尋の過去を知る人物でもある。

「最後か……素顔も知らないし、もう会えないんだな……」

 光也と暮らして以降はもう行くつもりもなかったが、世話になったキャストだ。
 発情期のない身体の辛さと、今なら異常だったとはっきりと自覚できる過去を理解してくれた。
 光也と会う前の、ひとりぼっちの千尋の生活に小さな彩りを与えてくれた。 

 引退だと知ってしまうと、店に出向いて礼と花束を届けたいと思ってしまう。

「でも、みっくんに黙って行ける気はしない」

 同じ家で暮らし、仕事からの戻りは別でも大抵は夕食を共にし、よほどのことがなければ光也のベッドで共に眠る。
 休日ともなればトイレくらいしか離れている時間がない。

「千尋、お風呂の準備ができたからおいで」

 土曜日の今日も、一緒に入浴する。番になるためにふたりで頑張ろうと決めてから、よりふたりの密接度は高まった。

「あのね、みっくん。ん、そこっ……」
「どうしたの? ただ洗ってるだけだよ?」
「意地悪ぅ……。触るなら先のとこ、もう少し強くしてほしい」
「だから、洗ってるだけなのに」

 嘘だ。光也がギリシャから直接取り寄せている、最高級の百%オイルソープをたっぷりと泡立て、一番感じるところをだけを避けて身体を撫で洗いしてくるくせに。

「ぅ、んんっ」

 濃密な泡が胸の先とペニスの先をかすめるだけで、甘い痺れが背筋を駆け上がる。
 千尋は焦らされることにとても弱い。光也は千尋以上にそれをわかっているはずだ。

「……あっ……!」

 くるくる、きゅうぅ。

 乳暈を回し撫でられ、先を潰すように引っ張られる。
 求めていた刺激を与えられ、千尋は顎を上げて爪先立ちをした。
しおりを挟む
感想 134

あなたにおすすめの小説

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

平凡な僕が優しい彼氏と別れる方法

あと
BL
「よし!別れよう!」 元遊び人の現爽やか風受けには激重執着男×ちょっとネガティブな鈍感天然アホの子 昔チャラかった癖に手を出してくれない攻めに憤った受けが、もしかしたら他に好きな人がいる!?と思い込み、別れようとする……?みたいな話です。 攻めの女性関係匂わせや攻めフェラがあり、苦手な人はブラウザバックで。    ……これはメンヘラなのではないか?という説もあります。 pixivでも投稿しています。 攻め:九條隼人 受け:田辺光希 友人:石川優希 ひよったら消します。 誤字脱字はサイレント修正します。 また、内容もサイレント修正する時もあります。 定期的にタグ整理します。ご了承ください。 批判・中傷コメントはお控えください。 見つけ次第削除いたします。

【16話完結】スパダリになりたいので、幼馴染に弟子入りしました!

キノア9g
BL
モテたくて完璧な幼馴染に弟子入りしたら、なぜか俺が溺愛されてる!? あらすじ 「俺は将来、可愛い奥さんをもらって温かい家庭を築くんだ!」 前世、ブラック企業で過労死した社畜の俺(リアン)。 今世こそは定時退社と幸せな結婚を手に入れるため、理想の男「スパダリ」になることを決意する。 お手本は、幼馴染で公爵家嫡男のシリル。 顔よし、家柄よし、能力よしの完璧超人な彼に「弟子入り」し、その技術を盗もうとするけれど……? 「リアン、君の淹れたお茶以外は飲みたくないな」 「君は無防備すぎる。私の側を離れてはいけないよ」 スパダリ修行のつもりが、いつの間にか身の回りのお世話係(兼・精神安定剤)として依存されていた!? しかも、俺が婚活をしようとすると、なぜか全力で阻止されて――。 【無自覚ポジティブな元社畜】×【隠れ激重執着な氷の貴公子】 「君の就職先は私(公爵家)に決まっているだろう?」

【完結】それ以上近づかないでください。

ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」 地味で冴えない小鳥遊凪は、ずっと憧れていた蓮見馨に勢いで告白してしまう。 するとまさかのOK。夢みたいな日々が始まった……はずだった。 だけど、ある出来事をきっかけに二人の関係はあっけなく終わる。 過去を忘れるために転校した凪は、もう二度と馨と会うことはないと思っていた。 ところが、ひょんなことから再会してしまう。 しかも、久しぶりに会った馨はどこか様子が違っていた。 「今度は、もう離さないから」 「お願いだから、僕にもう近づかないで…」

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた

やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。 俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。 独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。 好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け ムーンライトノベルズにも掲載しています。 挿絵をchat gptに作成してもらいました(*'▽'*)

今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ ※ 不定期更新です。

バーベキュー合コンに雑用係で呼ばれた平凡が一番人気のイケメンにお持ち帰りされる話

ゆなな
BL
Xに掲載していたものに加筆修正したものになります。

処理中です...