生きる希望を失った青年は伯爵様の娼夫として寵愛されている

カミヤルイ

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おれ、言いつけを守れます。

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「駄目だ。講師は必要ない」

 仕事から戻ったリューク様は、怖い顔をして手を払う仕草をした。

 執事さんは喜んでくれたものの、リューク様は娼夫ごときが講師を付けて勉強なんて、と思ったんだろうか。

「ユアル」
「は、はい」

 リューク様の両手が伸びてきて、強めに頬を包まれる。

「もう君を誰にも見せたくないんだ」
「……は?」
「ハーヴィー男爵の件で懲りたよ。それに、先週君に会わせた商人も熱心にユアルのことを聞いてくるんだ。君は愛らしさに磨きがかかっていて危険だ。フォークは磨けば磨くほど輝きを増すものなのだな……」
「? ? ?」

 おれはやっぱり馬鹿だ。リューク様が言っていることも、どうして悩ましげな表情をされるのかもまるでわからない。

 首をかしげていると、後ろから執事さんの声がかかった。

「それではどうなさいますか」

 リューク様はおれの頬を包んだまま、目線だけを執事さんに向ける。

「私が教える。あとで資料を揃えておくように」
「かしこまりました」

 執事さんは短く返事をすると、いつものようにリューク様の着替えを手伝おうとしたのだろう、おれたちの方に近づいた。

「ああ、今後は私の身の回りのことも、できそうなことはユアルに頼もう。お前はもう下がっていい」

 リューク様がおれの顔を見てにこやかに微笑みつつ、執事さんに指示する。

「やれやれ。これは大変ですね。かしこまりました」

 執事さんは呆れたように言いつつも、最後には楽しそうに声を一段明るくして、部屋から下がった。

「リューク様、おれにお側仕えの仕事も許していただけるのですか?」
「ん? 側仕えというわけではない。ただユアルを片時も離したくないだけだ」

 リューク様の唇が額に降りてくる。それから眉間や瞼、鼻筋を通って唇を塞がれる。

「ん、んん」

 唇を大きく開かされ、強く舌を絡めとられる。
 身体の中に充足感が広がっていき、なにを話していたかを忘れてしまう。

「ユアル、私の服を脱がしてごらん」
「んん……はい」

 唇が離れるのが寂しい。けれどおれがリューク様の肌をあらわにするのだと思うと気持ちが高ぶり、胸がドキドキと弾んだ。

 高貴な方は他人の前で簡単に素肌を晒したりはしない。娼夫のおれはすべてをリューク様に見られているけれど、リューク様はおれに性の躾をするときも寝衣を脱がないから、リューク様の裸体を見るのは初めてだ。

 上着を取る。ふわっとリューク様の香りが漂う。

 おれはすん、と鼻をすすりながら次はタイを外し、衣装置きに並べていく。

「あ……」

 シャツのボタンを外すと、香りがますます濃くなった。それに、引き締まった胸の筋肉やおれのよりも色が濃い胸の先が見えて、艶っぽさにクラクラする。

「こら、くすぐったいぞ」
「あ……」

 触りたいな、と思ったら無意識に触っていたみたいだ。
 おれの手は、リューク様の左胸の筋肉の隆起に触れていた。

「あとでたっぷり触らせてやる。先に下も楽にさせてくれるか?」

 くすくす笑うリューク様。なんだかそれさえ艶っぽい。

「はい、リューク様」

 おれは鼓動を高鳴らせながら、床に膝をついた。

 両手でリューク様のトラウザーズのボタンを外し、ウエスト部分を下にずらして脚を抜いてもらう。

 口の中に唾液が溢れた。
 下着に隠れたリューク様のそこは、昂ってもいないのにこんもりと隆起し、質量を伝えてくる。

「手が止まっているぞ」

 顎を撫でられ、おれは背筋を震わせながら尋ねた。

「これも、ですか?」
「そうだ、すべて取り去るんだ」

 目を細めて言われ、頷く。
 すると、リューク様のそこはさらに質量を増した。

 ああ、どうしよう。心臓が破裂しそう。リューク様のここを見るのまで許してもらえるなんて……。

 溢れた唾液をゴクリと呑み下しながら、ゆっくりと下着を下ろした。

 途端にぶるんと勢いを持ったそこが飛び出し、おれの顔の前で天井を向いた。

「あ……リュ、ク様、の、おっきい……」

 頑丈な杭のようなリューク様のものから、強烈な甘い香りがもわっと立ち昇る。おれの身体はガタガタと震え、お腹の中がきゅうきゅうと蠕動する。
 唾液が溢れて、涎が垂れた。

 ──食べたい。これ、食べたい……!

 欲がせり上がってきて、涎だけじゃなく涙も溢れ出す。

「欲しいかい?」

 髪の中に手を入れられてますます欲が高ぶる。
 おれはこくこくとうなずいた。

「欲しい。リューク様の大きいの、食べたいです」
「ふふふ。本当に食べてはいけないよ? 口に入れたら噛まずに舌や頬の粘膜で舐めるんだ。できるかい?」
「できる。おれ、リューク様の言いつけを守れます」

 息が早くなる。おれは許される前にリューク様の雄々しい昂りを両手で握り、舌を突き出した。

「いい子だ。愛しいユアル。さあ、やってごらん」

 髪をかき混ぜながら許されて、おれはぱくっと口に含んだ。

 ……甘い。なんて甘くておいしいんだろう。

 アイスキャンディーでも舐めるように夢中で頬張ると、口の中にさらなる甘さが広がった。
 リューク様の先走りの味だ。

「ん、ん、おいしぃ……」

 下で露頭の先を割り、ちゅうちゅう吸う。

 リューク様のものがどんどん熱くなっていく。頬の粘膜で感じ取れるほどに、血脈や縮れがくっきりと浮き出てくる。

 おいしい、おいしい、おいしい……!

 おれは夢中で昂りをしゃぶった。どれくらいそうしていたのか、あまりの大きさに顎が疲れたなと思った頃だった。

「ああ、我慢できないな。すまない、ユアル」

 リューク様は息を切らしていて、切なげにそう言ったかと思うと、おれの頭をがっしりと持って腰を打ち付けた。
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