全てを無くした転生者は、スキルの力で成り上がる

蒼田 遼

文字の大きさ
4 / 18

3話 努力あるのみ

しおりを挟む
 本作品をお読みいただきありがとうございます。

 一部表現に修正を加えましたが、内容は変わっておりません。
 初めて各作品のため、表現が幼稚であったり間違いがある部分があるかと思いますが、随時修正して参ります。

 何かご意見、お気づきの点があれば、感想欄に記入していただけると嬉しいです。

 今後とも宜しくお願い致します。

                アオイ
************

--ガチャ

 突然、部屋の扉が開き人が入ってきた。

 急いだのか、髪が少し乱れているが息を切らしていないところを見ると体力があるのだろう。

 入ってきた人物が手に持っている本を見て俺は、笑顔で声をかけた。


 「急いで取ってきてくれたんだっ!ありがとうベルさん!しかも希望の本まで!持ってきてくれて本当にありがとう!」

 「いえ、私は何も。こちらご希望の本です。図書への入場の権利も貰ってきたので、もし他に必要な本があれば指示していただければ持ってきます。」

 「本当に凄いね、ベルさんは。あの父相手に、図書の入場の権利まで取ってきてくれたなんて。俺の望んだ以上の結果だよ。それに急いでくれたのに息が切れてないって事は、ベルさん相当体力あるでしょ?僕も見習って勉強頑張るね!」

 「……!勿体なきお言葉、恐縮です。それでは私は仕事があるので。」

 「そっか、他の仕事もあるもんね。忙しいところごめんね。ありがとう。はい、これ。俺のためにありがとう、冷たいお水を用意しておいたから飲んでよっ!」

 「勿体なきご配慮ありがとうございます。では。」

◆◇

 ~ベルside~

 私は、部屋を出た後もドキドキが止まらなかった。
 何を年甲斐もなくと思うだろう、いや恋とかじゃない。

 ロディ坊ちゃんは、3歳だ。それなのに色んなことに気がつく。
 
 私は、メイド長であり、暗殺を生業とする者。
 それこそ急いでいたとしても服の乱れや髪の乱れなどは、察しが付かないように隠すのに長けている。

 私の実力は、自分で言うことではないが、この国でもかなり高い方だと自負している。

 そんな私の少しの違和感を感じ取り気づく、ロディ坊ちゃん。

 入ってすぐに全身を見られ、状況整理までのスピード。
 そして、推測と気遣い。

 何をとっても3歳の子供ではない。
 しかも、教育も1歳から受けてないのにだ。

 彼の可能性は底が知れないかもしれない。
 私としたことが、当主相手よりも丁寧な対応をしてしまったことが何よりも証拠だった。

 これから、より一層、彼については調べていこう。

 そう心に決めて、いつもの仕事に戻った。

◇◆

 「……?」

 ベルさんが部屋から出て行ったけど、いつもと違う様子だったことに違和感を覚える。

 だがまぁ、小さいことは気にしない、それワ○チコワカ○コ。

 あれ?これなんだっけ?
 まぁいいか。

 俺は、早速ベルさんが持ってきてくれた本を読むことにした。

 まずは、魔法の本からだ。

 体内に流れる魔力……手に集めて……魔法はイメージ……魔素は空気中にも……水、火、森、闇、光の基本的な属性がある……詳しい魔法の方法は、それぞれの魔導書に記載がある……

 俺は、魔法の本を読み終え、パタンと本を閉じる。

 部屋にある小さな窓から日の傾きを見ると、日は天高く昇っていた。きっとお昼の時間くらいだろう。

 そろそろベルさんがお昼を持ってくるだろうから、一旦休憩にしようと伸びをしながら、本の内容を思い出す。

 内容は、魔法の基礎の本で、1歳までの間に教えてもらった内容だった。

 けど、忘れていた部分もあったからちょうど復習になって良かった。

 『使用した魔力は、時間と共に回復する。空気中の魔素が呼吸と共に体内に取り込まれ、それが魔力となる。』

 という部分なんて、生まれてこの方、魔力を使った事がないから完全に忘れていた。

 でも、魔力を使用してない時に、魔力を取り込んだらどうなるんだろうか。

 ふと、そんな疑問が頭をよぎる。
 んっじゃ、やってみっか。

 という事で、地面に座りリラックス体制をとりつつ目を閉じてみる。

 空気中の魔素か。
 ってか魔素ってなんだろうか。

 目を閉じ、さらに集中してみる。

 空気の流れを感じる。
 窓を閉め切った部屋に流れるゆったりとした空気の流れ。
 
 そんな空気の中に、俺にまとわりついてくるような空気とは少し違った流れを感じる。

 ん?これか?

 この正体不明の流れを、今度は全身の毛穴から呼吸をするようなイメージで体内に取り込んでみる。

 ん、かなり集中力がいるなこれ。

 全身を掃除機のように…そんなイメージだ。ん?掃除機ってなんだ?まぁいいか。

 そんな事を考えながら集中していくと……。

 おー凄い!かなりの勢いでまとわりついている空気が吸い込まれていくのが分かる。

 ドンドン吸収、ドンドン吸収ッ!はい、ドンドン吸収ッ!

 リズムに乗ってどんどん吸収していた時だった。
 身体に強い衝撃を受けて、俺は押し倒されたのだった。

 誰に!?

 急いで目を開けると押し倒した相手はベルさん……
 ベルさんの息は荒く、顔も紅潮しているのが分かる。
 吐息が俺の顔にかかり……俺の顔も紅潮していくのが分かった。

 でも……


 「ベルさんっ!俺はまだ子供ですっ!そんなっ!まだ精通もしてないのに……大人の階段は早いですっ!」

 「まだ…早い…?大人の階段……??精通……???ロディ坊ちゃん、何を?」

 「……へっ?」


 と、まぁそんなこんなで、俺は正座をさせられ怒られました。

 要は、魔素の吸収は危ないとのこと。
 魔力容量を超えて吸収してしまうと体が爆散してしまうらしく、ベルさんは俺を見て自殺しようとしてるのではないかと必死になって止めたらしい。

 それなのに俺は、精通だなんて……なんて、恥ずかしい。

 こってり怒られた俺は、魔法の本を取り上げられ、属性の魔導書を借りることも却下された。

 反省が見えるまでしばらくはダメらしい。
 幸い、剣術の本とスキルの本は手元に残ったので良しとする。

 それよりも、人生で初めて本気で怒られた事に、少し喜びを覚えたのは内緒だ。

 俺ってMなんだろうか?
 あれっ?Mってなんだろうか?

 その日俺は、反省の意味も込めて大人しく過ごした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。 だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。 そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。 異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。 チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!? “真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!

処理中です...