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其の二の一
②
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まったく、水虎の野郎はマヌケなやつじゃ。
いきなりあの珠に触れて自滅しおって。
だが、おかげで簡単に近づいてはこっちが殺られてしまうことが分ったわい。
まあ、もう少しここで様子を見ながらこの手に入れる事を考えようじゃあないか。
しかし、あの光を感じたのは我一人だけではあるまいて。
おそらく他の魔の者どももあの光の基を欲しいと思ったに違いない。
他のものよりも先にあの珠を手に入れなければ。
我が一番に気がついたのだからな。
しかし、触る事が出来ないとなると、どうやって……。
あの日の雷。
それこそが、この風雷桐三郎と名乗るお役者の仕業なのだ。
あの晩、いつものようにこの風雷桐三郎……いや、本当の名前はかまいたちの桐三郎と言うのだが、そのかまいたちの桐三郎が風に任せて空を闊歩していた時に起きた事だった。
何か面白い事はないかと地上を眺めては、時折、鎌で切るような強い風を吹いて悪戯をするのが楽しみで、あの日も何か無いかと地上を眺めていた。
すると、なにやら心にざわめきを感じた桐三郎はグルリと周りを見渡した。
一見何事もないように思えたが目の端に、見たこともない光が見え、よくよく地上に目を凝らして見ると一人の人間からその光が放っているのが見える。
燦然と見えたのがナナ太郎の肝の辺りから輝いていた勾玉の光。
勾玉からは、ただならぬ光と精気を発していた。
あれを持てばその者がこの世界を支配できる。
妖怪ならではの直感だ。
桐三郎はすぐさまそれを奪ってやろうと急ぎ地上に降りようとしたところ、うっかり雲の間を飛び廻る雷遣いの雷獣と出くわし雷獣を巻き込んでしまった。
それは辺りを昼間のように照らし出した稲光と大きな雷鳴となったのだった。
おかげで、雷獣もあの勾玉を知るところとなった。
ここはとりあえず、二者が協力をしようじゃないかという事となり、二人そろって地上に降り立ったのだが、そこで見たのは水虎の一虎と勾玉の持ち主のナナ太郎の睨み合いだ。
二人はすぐには近づかずに事の成り行きを見ていたところ、水虎がいとも簡単にやられてしまった。
これが、話の顛末だった。
いきなりあの珠に触れて自滅しおって。
だが、おかげで簡単に近づいてはこっちが殺られてしまうことが分ったわい。
まあ、もう少しここで様子を見ながらこの手に入れる事を考えようじゃあないか。
しかし、あの光を感じたのは我一人だけではあるまいて。
おそらく他の魔の者どももあの光の基を欲しいと思ったに違いない。
他のものよりも先にあの珠を手に入れなければ。
我が一番に気がついたのだからな。
しかし、触る事が出来ないとなると、どうやって……。
あの日の雷。
それこそが、この風雷桐三郎と名乗るお役者の仕業なのだ。
あの晩、いつものようにこの風雷桐三郎……いや、本当の名前はかまいたちの桐三郎と言うのだが、そのかまいたちの桐三郎が風に任せて空を闊歩していた時に起きた事だった。
何か面白い事はないかと地上を眺めては、時折、鎌で切るような強い風を吹いて悪戯をするのが楽しみで、あの日も何か無いかと地上を眺めていた。
すると、なにやら心にざわめきを感じた桐三郎はグルリと周りを見渡した。
一見何事もないように思えたが目の端に、見たこともない光が見え、よくよく地上に目を凝らして見ると一人の人間からその光が放っているのが見える。
燦然と見えたのがナナ太郎の肝の辺りから輝いていた勾玉の光。
勾玉からは、ただならぬ光と精気を発していた。
あれを持てばその者がこの世界を支配できる。
妖怪ならではの直感だ。
桐三郎はすぐさまそれを奪ってやろうと急ぎ地上に降りようとしたところ、うっかり雲の間を飛び廻る雷遣いの雷獣と出くわし雷獣を巻き込んでしまった。
それは辺りを昼間のように照らし出した稲光と大きな雷鳴となったのだった。
おかげで、雷獣もあの勾玉を知るところとなった。
ここはとりあえず、二者が協力をしようじゃないかという事となり、二人そろって地上に降り立ったのだが、そこで見たのは水虎の一虎と勾玉の持ち主のナナ太郎の睨み合いだ。
二人はすぐには近づかずに事の成り行きを見ていたところ、水虎がいとも簡単にやられてしまった。
これが、話の顛末だった。
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