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第四話 ブタっぽい俺のクッキング レシピ1 オークの丸焼き
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オークを倒し、無事ポテチと飲料水(特大コーラ)を取り返した俺は、オークが食い残したポテチと、飲み残した飲料水を口にしながら、一息ついていた。
「ふぅ。にしても、マジいきなりオークが出てくるとは思わなかったぜ」
そう、普通オークといえばゲームなどでは物語の中盤に現れる敵のはずだ。
それがいきなり、序盤。簡単に言えばレベル一のしかも初戦に現れたのだ。普通の勇者ならば死んでいる。
「にしても、これからどうすっか?」
俺は自分で倒した異世界初の獲物。オークを見つめながら疑問の声を口にする。
「確かオークって、ファンタジー小説とかだと食材になるんだよな?」
そう思いながら、俺はオークへと熱っぽい視線を向ける。
「う~ん。でも、俺剥ぎ取りとか解体とかできないし、どうすっかな」
俺は思い悩む。そしてある料理を思い出す。
「そうだ。困ったときは丸焼きだ」
俺は何かの番組で見た牛や豚を木の串に刺して丸焼きにするという料理方法を思い出す。
「確か火はあったはず」
俺はリュックの中にあたりめを炙るために忍ばせていた。百円ライターを取り出した。
「あったあった。あとは串か……」
俺は森を見つめる。
「けどあそこからオークが出てきたわけだし……う~ん。どうしようか?」
俺は悩んだ末に結論を下した。
「よしっこのまま考えてても仕方ないし、オークの肉を食べるためにもとりあえず薪と、肉を刺す枝は必要だからな。取りに行こう」
森に行くことを決めた俺は、重い腰を上げると、森へと歩き出そうとするが、そこで俺の持ってきた荷物が目に入る。
「自転車はいいとして、食べ物が入っているリュックを置いとくと、さっきみたいに匂いを嗅ぎつけてオークみたいなのが来るかもしれない」
そう思った俺は、匂いが漏れないようにリュックを閉めると、腕を通して背負った。
「よしっこれでいい」
リュックを背中に背負った俺は、倒れた自転車をそのままにして、オークの出てきた森の中へと、薪になる木の枝とオークの肉を串刺しにする枝。それに串刺しにしたオークの肉を両脇で支えられるような頑丈な枝を取りに、森の中へと足を踏み入れる。
「ふ~ん。異世界の森って、こうなってるのか」
俺は初めて入った異世界の森を見上げながら呟いた。
初めて見る異世界の森は、多種多様な生き物が住まう日本の原生林を彷彿とさせた。
見たこともない木々に草花。森の中から聞こえるモンスターとも動物ともつかない鳥や動物たちの鳴き声。
俺は今まで聞いたことも見たこともないそれらを肌で感じ、辺りを警戒しながらも、丸焼きに必要な枯れ枝や肉を刺して焼くのに適した大きさの木の枝に、串刺しにした肉を両脇で支えられるような先端が枝分かれした頑丈そうな木の枝などを、森の奥深くに入らないように、できる限り森の浅場で拾い集めていく。
そして、ある程度木の枝を拾い集めて森を後にする。
必要なものを拾い集めて森から出た俺は、まず最初に三メートルほどの間隔をあけて、拾ってきた木の枝や手を使って、五、六十センチ程度の穴を地面に二つ掘った。
もちろんこの穴は、丸焼きにする肉を支えるための枝を立てるためのものだ。
俺は掘った穴の中に、百五十センチほどの先端が二つに枝分かれしている野太く頑丈そうな木の枝を立ててから、土をかけて足で踏み固めていった。
「よしっ土台はできたっ」
俺は二つ掘った穴に、二本の先端が枝分かれした頑丈な木の枝が立ち並んだ丸焼き機の出来具合を見て満足げに頷いた。
「あとは、オークを串刺しにして、この丸焼き機に乗せるだけだ」
と言いつつも、今まで肉の解体などしたことのない俺は、これから串刺しにしなくてはいけないオーク肉に視線を向けながら、若干引き気味になっていたのだが、その時俺の腹がグキュルルルルルルルッと爆音を鳴らしたために、とてもこの空腹には勝てないと思った俺は、左手でオーク肉を掴み、右手で先端が尖っている森で拾って来た串刺し用の串を握り締めると、目をつぶりながらも、「えいやっ」と掛け声を上げながら、意を決して森で拾って来た先端がいい感じに尖っている串刺し用の串に、オーク肉を突き刺していった。
「ふぅ何とか出来たな」
オーク肉のケツの穴から、口先まで串を通した俺は、オーク肉を串にさすのが思いのほかうまくいったので、口から安堵の吐息を吐き出していた。
「あとはこれを丸焼き機に乗せて、森で拾い集めて来た木の枝にライターで火をつければ終わりだ」
俺は串刺しにしたオーク肉を丸焼き機に乗せるために、持ち上げようとするが、自分ほどもあるオークの体が思いのほか重くて、なかなか持ち上げることができなかった。
「おっおもてえっが、ここまで来たんだっここで諦めるわけにはいかねぇ! ふんぬらばぁっ!」
俺は気合の掛け声を上げると、何とかオーク肉を串刺しにした串を、片方づつ丸焼き機に乗せることに成功する。
「よしっ準備は整った」
力を振り絞って、何とかかんとかオークの串刺し肉を丸焼き機に乗せた俺は、森の中で集めた枝をその下に入れてからライターで火をつけた。
俺がライターで火をつけた枯れ枝は、いい感じに燃え上がり、串刺しにしたオーク肉を炙る。
「うしっいい感じいい感じっ」
俺はいい感じに枝が燃えているので、そこに薪をくべながら串刺しにしたオークのお肉を、石器時代のマンモスの肉を焼く原始人のように、ゆっくりと回しながら焼いていった。
それから小一時間ほどたっただろうか? 少し焼くのに失敗して焦げてしまってはいるが、オークの肉を焼き終わった俺は、オークの肉を焼いていた火を足で蹴った土を使って沈下した後。濃い味が好きな俺は、お菓子などの味付け用にリュックの中に入れていた塩コショウをオークの肉に振りかけながら、今しがた焼き上がったために、おいしそうな匂いと、わずかばかりの白煙を上げて、香ばしい香りを漂わせているオークの丸焼きに恐る恐るかぶりついていった。
「うめぇっ! なんだこの油ギッシュなお肉は!? まるでちょっと高級な豚肉じゃねぇか!」
オークの丸焼きを口にした俺は、その豚肉を彷彿とさせる油ギッシュなあまりのうまさに舌鼓を打ちながら、一心不乱に貪りついていった。
「にしても、オーク肉は食材に使われてるって、小説とかで書かれてたけど。オークの肉って、こんな味してたんだな」
俺が少し焦げてはいるが、こんがりと焼かれて、塩コショウで味付けしたブタ肉のような油ギッシュな味のするオーク肉を、口の中でモグモグと咀嚼しながら満足げに感想を漏らす。
そうしてしばらくの間、うまいうまいと、俺が無我夢中になってオークの肉を貪っていると、いつの間にか俺の周りには夜の帳が降りていて、闇の中に気配が浮かび上がる。
どうやら、俺が焼いたオークの匂いに連れられて、何ものかが集まって来たらしい。
先ほどまでの俺ならば、集まって来たものに怯えて、肉を譲っていたかもしれないが、今の俺には護るべきもの(こんがりと焼けたオーク肉)があるために、俺の思考回路からは、一切の怯えという項目が打ち消され、代わりに『食欲』という俺の中で何者よりも強い強者の殺気が膨れ上がる。
「やらねぇぞ」
俺が『食欲』という殺気を伴った。獰猛な肉食獣のような瞳でしばらく見つめると、闇の中の気配は諦めて去って行ったようだった。
「う~ん。この様子からして、火は絶やさない方がいいな」
そう思った俺は、仕方なしに眠気をこらえて、先ほど土をかけて沈下した丸焼き機の中で未だにくすぶっていた火種に、枯れ枝をくべて焚火をしながら夜を明かすことにした。
「ふぅ。にしても、マジいきなりオークが出てくるとは思わなかったぜ」
そう、普通オークといえばゲームなどでは物語の中盤に現れる敵のはずだ。
それがいきなり、序盤。簡単に言えばレベル一のしかも初戦に現れたのだ。普通の勇者ならば死んでいる。
「にしても、これからどうすっか?」
俺は自分で倒した異世界初の獲物。オークを見つめながら疑問の声を口にする。
「確かオークって、ファンタジー小説とかだと食材になるんだよな?」
そう思いながら、俺はオークへと熱っぽい視線を向ける。
「う~ん。でも、俺剥ぎ取りとか解体とかできないし、どうすっかな」
俺は思い悩む。そしてある料理を思い出す。
「そうだ。困ったときは丸焼きだ」
俺は何かの番組で見た牛や豚を木の串に刺して丸焼きにするという料理方法を思い出す。
「確か火はあったはず」
俺はリュックの中にあたりめを炙るために忍ばせていた。百円ライターを取り出した。
「あったあった。あとは串か……」
俺は森を見つめる。
「けどあそこからオークが出てきたわけだし……う~ん。どうしようか?」
俺は悩んだ末に結論を下した。
「よしっこのまま考えてても仕方ないし、オークの肉を食べるためにもとりあえず薪と、肉を刺す枝は必要だからな。取りに行こう」
森に行くことを決めた俺は、重い腰を上げると、森へと歩き出そうとするが、そこで俺の持ってきた荷物が目に入る。
「自転車はいいとして、食べ物が入っているリュックを置いとくと、さっきみたいに匂いを嗅ぎつけてオークみたいなのが来るかもしれない」
そう思った俺は、匂いが漏れないようにリュックを閉めると、腕を通して背負った。
「よしっこれでいい」
リュックを背中に背負った俺は、倒れた自転車をそのままにして、オークの出てきた森の中へと、薪になる木の枝とオークの肉を串刺しにする枝。それに串刺しにしたオークの肉を両脇で支えられるような頑丈な枝を取りに、森の中へと足を踏み入れる。
「ふ~ん。異世界の森って、こうなってるのか」
俺は初めて入った異世界の森を見上げながら呟いた。
初めて見る異世界の森は、多種多様な生き物が住まう日本の原生林を彷彿とさせた。
見たこともない木々に草花。森の中から聞こえるモンスターとも動物ともつかない鳥や動物たちの鳴き声。
俺は今まで聞いたことも見たこともないそれらを肌で感じ、辺りを警戒しながらも、丸焼きに必要な枯れ枝や肉を刺して焼くのに適した大きさの木の枝に、串刺しにした肉を両脇で支えられるような先端が枝分かれした頑丈そうな木の枝などを、森の奥深くに入らないように、できる限り森の浅場で拾い集めていく。
そして、ある程度木の枝を拾い集めて森を後にする。
必要なものを拾い集めて森から出た俺は、まず最初に三メートルほどの間隔をあけて、拾ってきた木の枝や手を使って、五、六十センチ程度の穴を地面に二つ掘った。
もちろんこの穴は、丸焼きにする肉を支えるための枝を立てるためのものだ。
俺は掘った穴の中に、百五十センチほどの先端が二つに枝分かれしている野太く頑丈そうな木の枝を立ててから、土をかけて足で踏み固めていった。
「よしっ土台はできたっ」
俺は二つ掘った穴に、二本の先端が枝分かれした頑丈な木の枝が立ち並んだ丸焼き機の出来具合を見て満足げに頷いた。
「あとは、オークを串刺しにして、この丸焼き機に乗せるだけだ」
と言いつつも、今まで肉の解体などしたことのない俺は、これから串刺しにしなくてはいけないオーク肉に視線を向けながら、若干引き気味になっていたのだが、その時俺の腹がグキュルルルルルルルッと爆音を鳴らしたために、とてもこの空腹には勝てないと思った俺は、左手でオーク肉を掴み、右手で先端が尖っている森で拾って来た串刺し用の串を握り締めると、目をつぶりながらも、「えいやっ」と掛け声を上げながら、意を決して森で拾って来た先端がいい感じに尖っている串刺し用の串に、オーク肉を突き刺していった。
「ふぅ何とか出来たな」
オーク肉のケツの穴から、口先まで串を通した俺は、オーク肉を串にさすのが思いのほかうまくいったので、口から安堵の吐息を吐き出していた。
「あとはこれを丸焼き機に乗せて、森で拾い集めて来た木の枝にライターで火をつければ終わりだ」
俺は串刺しにしたオーク肉を丸焼き機に乗せるために、持ち上げようとするが、自分ほどもあるオークの体が思いのほか重くて、なかなか持ち上げることができなかった。
「おっおもてえっが、ここまで来たんだっここで諦めるわけにはいかねぇ! ふんぬらばぁっ!」
俺は気合の掛け声を上げると、何とかオーク肉を串刺しにした串を、片方づつ丸焼き機に乗せることに成功する。
「よしっ準備は整った」
力を振り絞って、何とかかんとかオークの串刺し肉を丸焼き機に乗せた俺は、森の中で集めた枝をその下に入れてからライターで火をつけた。
俺がライターで火をつけた枯れ枝は、いい感じに燃え上がり、串刺しにしたオーク肉を炙る。
「うしっいい感じいい感じっ」
俺はいい感じに枝が燃えているので、そこに薪をくべながら串刺しにしたオークのお肉を、石器時代のマンモスの肉を焼く原始人のように、ゆっくりと回しながら焼いていった。
それから小一時間ほどたっただろうか? 少し焼くのに失敗して焦げてしまってはいるが、オークの肉を焼き終わった俺は、オークの肉を焼いていた火を足で蹴った土を使って沈下した後。濃い味が好きな俺は、お菓子などの味付け用にリュックの中に入れていた塩コショウをオークの肉に振りかけながら、今しがた焼き上がったために、おいしそうな匂いと、わずかばかりの白煙を上げて、香ばしい香りを漂わせているオークの丸焼きに恐る恐るかぶりついていった。
「うめぇっ! なんだこの油ギッシュなお肉は!? まるでちょっと高級な豚肉じゃねぇか!」
オークの丸焼きを口にした俺は、その豚肉を彷彿とさせる油ギッシュなあまりのうまさに舌鼓を打ちながら、一心不乱に貪りついていった。
「にしても、オーク肉は食材に使われてるって、小説とかで書かれてたけど。オークの肉って、こんな味してたんだな」
俺が少し焦げてはいるが、こんがりと焼かれて、塩コショウで味付けしたブタ肉のような油ギッシュな味のするオーク肉を、口の中でモグモグと咀嚼しながら満足げに感想を漏らす。
そうしてしばらくの間、うまいうまいと、俺が無我夢中になってオークの肉を貪っていると、いつの間にか俺の周りには夜の帳が降りていて、闇の中に気配が浮かび上がる。
どうやら、俺が焼いたオークの匂いに連れられて、何ものかが集まって来たらしい。
先ほどまでの俺ならば、集まって来たものに怯えて、肉を譲っていたかもしれないが、今の俺には護るべきもの(こんがりと焼けたオーク肉)があるために、俺の思考回路からは、一切の怯えという項目が打ち消され、代わりに『食欲』という俺の中で何者よりも強い強者の殺気が膨れ上がる。
「やらねぇぞ」
俺が『食欲』という殺気を伴った。獰猛な肉食獣のような瞳でしばらく見つめると、闇の中の気配は諦めて去って行ったようだった。
「う~ん。この様子からして、火は絶やさない方がいいな」
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