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第49話 ド・オデッセリアの攻防⑦ 学生小隊⑦ ゲートキーパーグリモア
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「なんなんだねこれはあああぁぁっっ!? 僕はこんなことになっているなんて聞いてないぞおぉぉっ!?」
そのあまりの光景にドゥルグは我知らず叫んでいた。
「こんなの一体この僕にどうしろって言うんだ!」
「さぁそんなこと知らないわよ」
「無責任だぞ君! そもそも君がここに入れといったんじゃないか! ああ、あの時こんな安っぽい建物に入らずみんなで逃げていれば……」
「私に言われても。それにあんただってここに入るのに反対しなかったじゃない」
「そりゃ……あの時僕は冥界の魔物に追われててパニクっていて……」
尻すぼみに声が小さくなっていくドゥルグ。
「とにかくこんな建物に逃げ込もうといった君が全面的に悪い! 何とかしたまえ!」
「あの建物はみんなで駆け込んだんであって別に私のせいじゃ……」
「なら、一旦引こうといった奴が悪い! あの時あんな巨人が出てくる前に逃げるか、僕のスカルンで門を破壊していればこんなことにならなかったんだ!」
二人が不毛な言い争いを始めようとしたとき声が上がる。
「ねぇル~ちゃん。あのおっきい人どっかいっちゃったよ?」
「え?」
「なんだって?」
その声に一同は言い争うのをやめて巨人のいた方角を見据えると、イルの言った通りに巨大な冥界の門の傍から青銅の巨人の姿が消え去っていた。
それだけならよかったのだが、次の瞬間一同の目に飛び込んできたのは、青銅の巨人がこの都市の中心部目掛けて歩みを進める姿だった。
しかも先ほどまで冥界の門の前に仁王立ちしていた青銅の巨人のその手には、いつのまにか一振りの巨大な剣が握られていて、それを振り下ろしながら進軍するのに邪魔な建築物を力任せになぎ払い倒壊させていた。
壊されているのは、元はこの町の住民たちの住処であったアパートメントや住居と思しき建物たちだ。
それらがミノタウロスの振るう巨大な剣の一振り一振りによってあっさり崩されてただの瓦礫へと化していく。
そこに住んでいた子供のだろうか? 崩れ行く瓦礫の中に小さな熊のぬいぐるみなどが、瓦礫と共に空を舞っていた。
そして巨人は同じ行為を何度も繰り返し、巨大な剣を振り下ろし邪魔な建物をなぎ倒しながらド・オデッセリアの中心部へと進軍を開始した。
その光景を見ていたルミナは、言い争っていたのも忘れて疑問の言葉を口にした。
「何で門番がゲートを離れるの!?」
「普通一般的には、一度門番としての契約をかせられたものは門の周囲を離れることが出来ません。その場合考えられる可能性は一つ。あれが門番ではないということですね」
「でも、あの巨人は腕に文様を……って、あれっ? 今、門の中にっなにかいた。イルッ!」
「うん!」
ルミナの意を汲み取って、視力や身体能力では群を抜いているイルが、ルミナの視線の先を凝視した。
「ル~ちゃん、門の向こうになんか、僕も見たことない変なのがいるよ?」
イルの指摘を受け彼女の視線を辿るようにして、この場にいるみんなが門の中を覗き込む。
「あれ、なに?」
ルミナが呟く
。まるでイソギンチャクのような、または野太い緑色の海草のような物体が、まるで貝のように上下にその触手を広げながら蠢いている光景だった。
しかもその額には門番のマークであるあの文様が大きく描かれていた。
「信じたくない事実ですが、どうやらこの門は複数のゲートキーパーを有しているようですね。しかも門の中にいるあの魔物は古文書にその名が記されているものの、その能力素性が一切不明とされている未知なる魔物グリモアのようですね」
未知なる魔物グリモア……しかもへたをしたらあんなものが、あと何体もこの場にいるのかもしれないとわかり、その場にいたものは誰知らず生唾を飲み込んでいた。
今確認できただけでも二体のゲートキーパーがいる。しかも下手をしたらあんなのが後何体もいるかもしれない。そのことを考えると、門の中にいたものをルミナたちと共に確認したフィフスは早々に決断を下すことにした。
「ここは、やはり一旦学園まで引くしかありませんね」
「でも、フィフス先生そうしたら」
「ええ、間違いなくこの都市ド・オデッセリアは落とされるでしょうね」
そして、次にこの場所へ来ることはきっと叶わない。なぜならこのままあの巨大な冥界の門を放置して、この地を離れた場合。この都市はおろか、この周辺地域全域が門から溢れ出した冥界の魔物たちによって占領されてしまうからだ。
きっと先生はそのことをわかっている。わかっていて私たちの身を案じて一度引くことに決めたんだ。
だけどどんなに危険でもどんなに困難でも、きっとこの巨大な冥界の門を閉じる機会は今しかない。そのことは誰の目から見ても明らかだった。
そして、そのことは自分達はおろかフィフス先生も当然ながらわかっているはずだ。けど、それでも先生は世界の命運より私たちの安全を優先したんだ。
これがもし国を守護する立場の人なら、いや、一般人だったとしても、たった数人の学生の命と世界の命運どっちを選べと言われたら、間違いなく世界の命運を選ぶ。
そのために今出来ることは、ヘイムダルの森に向かった正規軍が、こちらの現状に気付いて駆けつけて来るまでの時間稼ぎだ。
そのためならば、たかが一介の学生の命などはかりにかけるほどの価値などないはずで、普通の人々なら間違いなく私たちを正規軍がこの場に来るまでの時間稼ぎをするために捨石として使っていただろう。けれど先生はそれをしなかった。
フィフス先生は私たちの教師として、まず第一に自分の生徒を守る道を選んだのだ。
それは教師としては当然の選択で、正しいのかもしれない。
フィフス先生の生徒として誇らしくもあり嬉しくもある。けれど……この世界に住みこの世界を守るものとしてはどうなのだろう? 世界の大事より一介の学生を優先するその考えは。
などといったふうにルミナが思考しているのも知らずに、フィフスはフィフスで現状最も最善な案を考えていた。世界を守るものとしてではなく一教師として。
今本当にやるべきことはヘイムダルの森に向かった正規軍がこちらの現状に気づき駆けつけてくるまでの時間稼ぎだ。そのことはきっとこの場にいる生徒たちも皆わかっているはず、しかし時間稼ぎをするにしても現状この子達だけでは戦力が足りなすぎる。
それに敵が冥界の軍勢とわかった以上、自分の生徒たちをむざむざ死地に追いやるわけにはいかない。それに今の私の立場は教師、何よりも優先してこの子達を守る義務がある。
世界の命運と生徒たちの命。とてもはかりになどかけられない選択を迫られたフィフスは、どうする? どうすればいいの? と一人目をつぶり奥歯を噛みしめながら思考を巡らしていた。
そして、ふと誰かに見つめられている気がして目を開ける。
するとその視線の先には自分を見つめてくる生徒たちの姿があった。
それを見てフィフスははっとしたかのようになにか気づき、自分が何のために教師になったのか、今なんのためにここにいるのかを思い出す。
そう私はこの子達を守りたかったんだ。だから教師になったのだと。そして、そのことを思い出した彼女は生徒たちの顔を見回しながら決意した。
悩む必要なんて最初からなかったのよね。例えこの選択をしたせいで、近い将来未曾有の危機がこの世界を襲うことになったとしても、その前に私は一教師としてこの子達を守らなければならないのだから。そう、私の進むべき道はすでに決まっている。
そして、彼女は決断を下した。
そのあまりの光景にドゥルグは我知らず叫んでいた。
「こんなの一体この僕にどうしろって言うんだ!」
「さぁそんなこと知らないわよ」
「無責任だぞ君! そもそも君がここに入れといったんじゃないか! ああ、あの時こんな安っぽい建物に入らずみんなで逃げていれば……」
「私に言われても。それにあんただってここに入るのに反対しなかったじゃない」
「そりゃ……あの時僕は冥界の魔物に追われててパニクっていて……」
尻すぼみに声が小さくなっていくドゥルグ。
「とにかくこんな建物に逃げ込もうといった君が全面的に悪い! 何とかしたまえ!」
「あの建物はみんなで駆け込んだんであって別に私のせいじゃ……」
「なら、一旦引こうといった奴が悪い! あの時あんな巨人が出てくる前に逃げるか、僕のスカルンで門を破壊していればこんなことにならなかったんだ!」
二人が不毛な言い争いを始めようとしたとき声が上がる。
「ねぇル~ちゃん。あのおっきい人どっかいっちゃったよ?」
「え?」
「なんだって?」
その声に一同は言い争うのをやめて巨人のいた方角を見据えると、イルの言った通りに巨大な冥界の門の傍から青銅の巨人の姿が消え去っていた。
それだけならよかったのだが、次の瞬間一同の目に飛び込んできたのは、青銅の巨人がこの都市の中心部目掛けて歩みを進める姿だった。
しかも先ほどまで冥界の門の前に仁王立ちしていた青銅の巨人のその手には、いつのまにか一振りの巨大な剣が握られていて、それを振り下ろしながら進軍するのに邪魔な建築物を力任せになぎ払い倒壊させていた。
壊されているのは、元はこの町の住民たちの住処であったアパートメントや住居と思しき建物たちだ。
それらがミノタウロスの振るう巨大な剣の一振り一振りによってあっさり崩されてただの瓦礫へと化していく。
そこに住んでいた子供のだろうか? 崩れ行く瓦礫の中に小さな熊のぬいぐるみなどが、瓦礫と共に空を舞っていた。
そして巨人は同じ行為を何度も繰り返し、巨大な剣を振り下ろし邪魔な建物をなぎ倒しながらド・オデッセリアの中心部へと進軍を開始した。
その光景を見ていたルミナは、言い争っていたのも忘れて疑問の言葉を口にした。
「何で門番がゲートを離れるの!?」
「普通一般的には、一度門番としての契約をかせられたものは門の周囲を離れることが出来ません。その場合考えられる可能性は一つ。あれが門番ではないということですね」
「でも、あの巨人は腕に文様を……って、あれっ? 今、門の中にっなにかいた。イルッ!」
「うん!」
ルミナの意を汲み取って、視力や身体能力では群を抜いているイルが、ルミナの視線の先を凝視した。
「ル~ちゃん、門の向こうになんか、僕も見たことない変なのがいるよ?」
イルの指摘を受け彼女の視線を辿るようにして、この場にいるみんなが門の中を覗き込む。
「あれ、なに?」
ルミナが呟く
。まるでイソギンチャクのような、または野太い緑色の海草のような物体が、まるで貝のように上下にその触手を広げながら蠢いている光景だった。
しかもその額には門番のマークであるあの文様が大きく描かれていた。
「信じたくない事実ですが、どうやらこの門は複数のゲートキーパーを有しているようですね。しかも門の中にいるあの魔物は古文書にその名が記されているものの、その能力素性が一切不明とされている未知なる魔物グリモアのようですね」
未知なる魔物グリモア……しかもへたをしたらあんなものが、あと何体もこの場にいるのかもしれないとわかり、その場にいたものは誰知らず生唾を飲み込んでいた。
今確認できただけでも二体のゲートキーパーがいる。しかも下手をしたらあんなのが後何体もいるかもしれない。そのことを考えると、門の中にいたものをルミナたちと共に確認したフィフスは早々に決断を下すことにした。
「ここは、やはり一旦学園まで引くしかありませんね」
「でも、フィフス先生そうしたら」
「ええ、間違いなくこの都市ド・オデッセリアは落とされるでしょうね」
そして、次にこの場所へ来ることはきっと叶わない。なぜならこのままあの巨大な冥界の門を放置して、この地を離れた場合。この都市はおろか、この周辺地域全域が門から溢れ出した冥界の魔物たちによって占領されてしまうからだ。
きっと先生はそのことをわかっている。わかっていて私たちの身を案じて一度引くことに決めたんだ。
だけどどんなに危険でもどんなに困難でも、きっとこの巨大な冥界の門を閉じる機会は今しかない。そのことは誰の目から見ても明らかだった。
そして、そのことは自分達はおろかフィフス先生も当然ながらわかっているはずだ。けど、それでも先生は世界の命運より私たちの安全を優先したんだ。
これがもし国を守護する立場の人なら、いや、一般人だったとしても、たった数人の学生の命と世界の命運どっちを選べと言われたら、間違いなく世界の命運を選ぶ。
そのために今出来ることは、ヘイムダルの森に向かった正規軍が、こちらの現状に気付いて駆けつけて来るまでの時間稼ぎだ。
そのためならば、たかが一介の学生の命などはかりにかけるほどの価値などないはずで、普通の人々なら間違いなく私たちを正規軍がこの場に来るまでの時間稼ぎをするために捨石として使っていただろう。けれど先生はそれをしなかった。
フィフス先生は私たちの教師として、まず第一に自分の生徒を守る道を選んだのだ。
それは教師としては当然の選択で、正しいのかもしれない。
フィフス先生の生徒として誇らしくもあり嬉しくもある。けれど……この世界に住みこの世界を守るものとしてはどうなのだろう? 世界の大事より一介の学生を優先するその考えは。
などといったふうにルミナが思考しているのも知らずに、フィフスはフィフスで現状最も最善な案を考えていた。世界を守るものとしてではなく一教師として。
今本当にやるべきことはヘイムダルの森に向かった正規軍がこちらの現状に気づき駆けつけてくるまでの時間稼ぎだ。そのことはきっとこの場にいる生徒たちも皆わかっているはず、しかし時間稼ぎをするにしても現状この子達だけでは戦力が足りなすぎる。
それに敵が冥界の軍勢とわかった以上、自分の生徒たちをむざむざ死地に追いやるわけにはいかない。それに今の私の立場は教師、何よりも優先してこの子達を守る義務がある。
世界の命運と生徒たちの命。とてもはかりになどかけられない選択を迫られたフィフスは、どうする? どうすればいいの? と一人目をつぶり奥歯を噛みしめながら思考を巡らしていた。
そして、ふと誰かに見つめられている気がして目を開ける。
するとその視線の先には自分を見つめてくる生徒たちの姿があった。
それを見てフィフスははっとしたかのようになにか気づき、自分が何のために教師になったのか、今なんのためにここにいるのかを思い出す。
そう私はこの子達を守りたかったんだ。だから教師になったのだと。そして、そのことを思い出した彼女は生徒たちの顔を見回しながら決意した。
悩む必要なんて最初からなかったのよね。例えこの選択をしたせいで、近い将来未曾有の危機がこの世界を襲うことになったとしても、その前に私は一教師としてこの子達を守らなければならないのだから。そう、私の進むべき道はすでに決まっている。
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