俺はいつも拾われている

つちやながる

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これが俺の生きる道

5 分岐点とは気付かない

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拾われた屋敷は少し高台にあった。眼下に景色が広がる。ありがちな赤煉瓦の街だ。煉瓦屋根の色が統一された建築物が並ぶ。地面も切出し石で平に石畳になってたり、本当に石を埋め凸凹してる裏道があったり。整然としたこの街で俺は飢えた。都会は厳しい。

 レオは自室の窓から外を一望した。時間ができて色々考える。

 今後の事を考える頃合いだ。元気になるまで居たらいいと言う。拾われた時に毎回いわれる事だ。

 いいか、よく考えろ。俺はパターンを知っている。

 一、拾われる
 二、衣食住の提供
 三、生活安定、育つ(慣れる)
   仲良くなる
    (居座る、養子、身内家族化)
 四、就職、自立、家を出る
   (怒られる、止められる、絆される)
   (犯される、他同意でむにゃむにゃ)
 五、恋人、嫁的なやつ、愛人とか色々
 六、仕事のできるいい男
   (なれた試しない)

 端的にこうだ。これの法則を崩せばいいんだ。今はまだ衣食住の段階だ…だ、だと思う。まだ日は浅いしリハビリ中だし。慣れ切ってしまう前にここを出ればいいんだ。若しくは先に仕事して自立だ。

 然しだ。この街は子供に職は無い。見た目子供の俺はアウト。ここを出たら衣食住がない。また浮浪者で今度は死ぬかも。

「やっぱ村に帰るか、他の農村いくか」

 決まれば準備だ。俺は美少年。この肩上までのブロンド。これ髪型が幼さを強調してると分かった。中性っぽさに拍車かけてんだ。村に居たときは後ろに一纏めにしてた。今は揃え切られて縛っても直ぐ紐が落ちる。半端な長さは困る。

 世の中変に目立つ可愛さって危ないだろ。働くにも邪魔だ。つまり、散髪することから始める。よし、行動開始だ。



「バルモンクさん、はさみ貸して下さい」

 廊下を適当に徘徊する。探しに行かずと寄ってくる執事。俺は執事ホイホイだ。

「はさみ、ですか。何を切りますか」

 目を細めて質問される。え。切るって言えば髪か紙だろ。フィルに報せたら嫌だな。とりあえず嘘をつく。

「貰った絵本の切り絵切ってみたい」
「…そうですか。部屋に届けましょう。後ほど伺います」
「お願いします」

 大体皆が優しいのは俺が見た目子供、美少年だからだ。死にかけ拾ったのが気紛れとしても、ここまで構われるとな。前世過去に前例ありだ。何か起きる前に逃げれるように下準備は大事。今は大人しく自室待機をして鋏が届くのを待った。



「レオ、どれが使いよいでしょうか」

 バル爺は、手の大きさを考えて数種類持って来てくれた。なんて出来る執事。

 鋏のハンドル部分が白象牙だったり、オフセットハンドルで閉じると剣になるデザインだったり。一番小さいのは銀細工の刺繍鋏だった。髪を切るからね。紙を切るといった手前、不審がられない中くらいの物を選んだ。

「ありがとう。これ借りるよ」
「よく切れますので怪我しないように。使い終わったら言って下さい。取りに来ますので。では」

 執事は帰った。フィルもついて来なかったぜ。さぁ髪を。

 いや、待てよ。後ろ切れるのか。今までは肩下まで有って毛先が見て切れてた。…切りたい。この際短ければいい。少女の様な今より短いなら何とかなる。あ。鏡が欲しい。この屋敷手鏡あったかな。鋏を手に考えた。

「よし。応接間だ」

 鋏を羽織ったストールに隠す。ドアを少し開け誰もいない事を確認。第一関門突破。
 α班ゴーだ。神出鬼没のバル爺は居ない。移動開始。一階へ降りる階段、少し待機だ。指示を待て。
 降りて直ぐの所にフィルの部屋、執務室、書斎と主要部屋が続く。その向こうが玄関ホールや広い応接間だ。暗視モードで執事に警戒だ。あのバル爺のポップ率バグ並みにヤバいからな。
 よし。後続隊続け。抜き足差し足ってか。慎重に進んで第二関門突破。

 任務完了、応接間制圧だ。大鏡の前に立った。

 右手に鋏、左手で耳に掛かる髪を握る。少しずつ全体の長さを揃えて短くする感じで切る。よし。

「いざ」

 ジャキッ

 はらはら…

 ブロンドの髪が舞う。俺、基本気が小さいんだ。切ったの三センチ位かな。こんな感じで気長にいこう。そしてまた一握り。

 ジャキッ

 はらはら…

 バンッ!!

「レオ、何やってる!」

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