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これが俺の生きる道
番外編 疑惑と距離 2
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「大公は車で後続している。何とかしてくれる。気をしっかりと持て」
「これから向かうは帝国領フスト。そこで留置の後取調と裁判だ。留置期間でなんとかなるはずだ。暫し辛抱されよ」
「降りる前に後手に縛るからな」
連れ込まれた馬車の中、向かいに座る監視と思しき軍人が二人レオに優しく声を掛けてきた。
「……え」
ずっと納得できず俯いたままだったレオが顔をあげると目の前には軍服の男達。これは今現実だと思い知る。俺はフィルの執事。ただそれだけなのに何故。
いつも表情少なく毅然とし、執事として大公の側に付き従う美しく気高いと聞く雪月花の君。今は誰も見た事が無い弱々しく儚げな小柄な美少年にしか見えなかった。
「俺達はエンダイン、シャウロの同期だ。噂は多々聴いている。不安だろうが大公を信じて待て」
「何か聞いておくことはあるか?」
訳がわからないのに何から聞けばいいんだろう。フィルは竜国で部下を使って各国に火種を作る公国に監視やら情報操作してる。どうかと言えばフィルと部下達の方がスパイだよ?竜国人の俺が帝国人に仕えてるから?スパイにスパイがいてスパイ嫌疑?ええ?
呆然と思考の海に飛び込み現実逃避したい。
何でこうなったのかやっぱり納得出来ない。
レオは両手でまた俯いた顔を覆い首を左右に振り返事とした。
「そうか…」
「眠気がなくとも目を閉じて休んでおくといい、レオ殿」
今、自分がフィルの横にいない。フィルが側にいない。感じたことの無い寂しさが寒さとなって全身を襲う。レオは自分の身体を細い腕で抱き締め目を閉じた。
「ここで過ごして貰う。勿論鍵付きだ。逃げれないぞ。何かしようとすれば大公にも後々迷惑だから大人しく頼む」
レオは馬車から後手に革紐で縛られ目隠しまでされていたが室内に入ると外された。留置と聞けば薄暗い地下の牢屋だと覚悟していたが目にしたのは客間とも言える普通の部屋だった。
「いいか、ここにいろ」
「…はい」
目隠しも縛りも無く、この部屋で監禁されるということかと大人しく返事を返した。
食事も出る。湯も出る。排泄も心配無い。
軍人が出て行き一人になったレオはベッドに横たわる。
フィルが居ないと思うと心細くて詮方無かった。離れて半日も経っていないのに思い浮かぶのはいつも優しい目をしたフィル。別れ間際に見た困惑したフィル。
俺、どうなるんだろ。何でこんなに落ち着かないし心許ないんだろ。悪いことなんかして無い。あの人の執事でいたいだけだ。フィルを好きになった分だけ自分が弱くなった気がする。
「…フィル」
レオはシーツを握り締めどうしようもない気持ちに蓋をする様にうつ伏せになる。
そのまま気疲れして眠りに落ちたのだった。
「レオ殿、起きろ」
「…ん」
身体を揺さぶられて目が覚めて自分が寝てた事に気付く。どのくらい時間が経ったんだろう。
「これに着替えろ。なるべく急いで着替えるんだ」
「……着替え?」
「面談だ。その私服はそぐわない」
「…面談?」
ぼーっとする頭で聞き流し受け取った服に着替え始める。ふと視線を感じ寝ぼけ眼で視線を走らせると、軍人は唖然とした顔でレオを見ていた。
・・・?
首を傾げスルリとズボンを下ろして履き替えようと中腰になって目が合った。
カーッと顔が紅潮して行く男はハッとして回れ右をした。
「着替え終わったら声をかけてくれ」
「…はい、?」
ぼーっとするレオはフィルと離れ弱々しくなりアンニュイな雰囲気をまとっていた。平常でさえ美しいのだ。寂しさから色香が出ていたことは本人にはわかる筈もなかった。
「これから向かうは帝国領フスト。そこで留置の後取調と裁判だ。留置期間でなんとかなるはずだ。暫し辛抱されよ」
「降りる前に後手に縛るからな」
連れ込まれた馬車の中、向かいに座る監視と思しき軍人が二人レオに優しく声を掛けてきた。
「……え」
ずっと納得できず俯いたままだったレオが顔をあげると目の前には軍服の男達。これは今現実だと思い知る。俺はフィルの執事。ただそれだけなのに何故。
いつも表情少なく毅然とし、執事として大公の側に付き従う美しく気高いと聞く雪月花の君。今は誰も見た事が無い弱々しく儚げな小柄な美少年にしか見えなかった。
「俺達はエンダイン、シャウロの同期だ。噂は多々聴いている。不安だろうが大公を信じて待て」
「何か聞いておくことはあるか?」
訳がわからないのに何から聞けばいいんだろう。フィルは竜国で部下を使って各国に火種を作る公国に監視やら情報操作してる。どうかと言えばフィルと部下達の方がスパイだよ?竜国人の俺が帝国人に仕えてるから?スパイにスパイがいてスパイ嫌疑?ええ?
呆然と思考の海に飛び込み現実逃避したい。
何でこうなったのかやっぱり納得出来ない。
レオは両手でまた俯いた顔を覆い首を左右に振り返事とした。
「そうか…」
「眠気がなくとも目を閉じて休んでおくといい、レオ殿」
今、自分がフィルの横にいない。フィルが側にいない。感じたことの無い寂しさが寒さとなって全身を襲う。レオは自分の身体を細い腕で抱き締め目を閉じた。
「ここで過ごして貰う。勿論鍵付きだ。逃げれないぞ。何かしようとすれば大公にも後々迷惑だから大人しく頼む」
レオは馬車から後手に革紐で縛られ目隠しまでされていたが室内に入ると外された。留置と聞けば薄暗い地下の牢屋だと覚悟していたが目にしたのは客間とも言える普通の部屋だった。
「いいか、ここにいろ」
「…はい」
目隠しも縛りも無く、この部屋で監禁されるということかと大人しく返事を返した。
食事も出る。湯も出る。排泄も心配無い。
軍人が出て行き一人になったレオはベッドに横たわる。
フィルが居ないと思うと心細くて詮方無かった。離れて半日も経っていないのに思い浮かぶのはいつも優しい目をしたフィル。別れ間際に見た困惑したフィル。
俺、どうなるんだろ。何でこんなに落ち着かないし心許ないんだろ。悪いことなんかして無い。あの人の執事でいたいだけだ。フィルを好きになった分だけ自分が弱くなった気がする。
「…フィル」
レオはシーツを握り締めどうしようもない気持ちに蓋をする様にうつ伏せになる。
そのまま気疲れして眠りに落ちたのだった。
「レオ殿、起きろ」
「…ん」
身体を揺さぶられて目が覚めて自分が寝てた事に気付く。どのくらい時間が経ったんだろう。
「これに着替えろ。なるべく急いで着替えるんだ」
「……着替え?」
「面談だ。その私服はそぐわない」
「…面談?」
ぼーっとする頭で聞き流し受け取った服に着替え始める。ふと視線を感じ寝ぼけ眼で視線を走らせると、軍人は唖然とした顔でレオを見ていた。
・・・?
首を傾げスルリとズボンを下ろして履き替えようと中腰になって目が合った。
カーッと顔が紅潮して行く男はハッとして回れ右をした。
「着替え終わったら声をかけてくれ」
「…はい、?」
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