63 / 74
未来へと歩む道
9、失言ゆえに
しおりを挟む
「子供に手を出すとは貴様!」
「オイオイおい、マジかよ」
フラッグは熱り立ち、ノールは頭を抱えた。俺は多分顔が紅潮してきてると思う。横に座るフィルは相変わらず淡々と話し続ける。
「レオはこう見えて二十三だ。そして同意の上の関係。問題ない。あとは噛んだ事だけ影響が詳細不明では困る」
「噛まなきゃいいだろーが」
「にじゅうさん、歳?!」
フラッグは俺を指差したから取り敢えずうんうん頷いてみるけどまた開口して固まった。
「問題ないとか、いや噛むってな。噛んだのか……いや確かに本気で気になる子はこう、ムラっと歯がムズムズしてな。噛んだ事は未だ無いけど、お前もあるだろ坊ちゃんよ」
「……まあ」
「て事は、アンフィルは本気なんだな。いや参ったね。お前がね」
「貴様が本気で?」
フンッと鼻息で返事をしたのか、フィルは目が笑ってないのに笑顔になった。
こわっ。超ブリザード感じる。
つい姿勢を正して座りなおしてみる。
俺を噛むのはフィルが本気って事?そんなに意外な事なのかな。今まで噛んだ事は無いって言ってたの本当なんだ?俺、今嬉しいとか思ったな。ああぁ、駄目だ。やっぱり俺はもう駄目なんだ。フィルから逃れられない運命ってやつなんだ。デ、ディスティニー。
落ち着かなくなって両手で顔を覆い隠した。
「付き合いきれん。エリアルはどうする」
「あれはレッグ一筋だろ。アンフィルは子育て支援と世間体から護ってただけだ。お前も相当だな。いい加減諦めろ」
「何だと」
ノールとフラッグも声が刺々しくなって来たのがわかった。同族嫌悪みたいなのがあるって聞いたけどそうなのかな。
「二人とも知らないと」
「他を当たれ。白けたから帰るぜ。レオっての仲良くやれよ」
「暫く会いたく無いものだ。レオとやら、その獣で困ったら力になるが覚えておけ。執事は従僕だ。わきまえろ。あの態度は品位に欠ける。じゃあ、俺も失礼する」
ノールは酒瓶を両手に、フラッグは時計を見て迎えを気にしながら屋敷から出て行った。
「収穫無し。次に行くかレオ」
「次?」
「帝都跡」
「南下?本は?」
「娯楽小説だから後でいい。俺も変わったがレオも変わったな」
「どこが」
「手をつねらなくなった。俺の執事は今まで通りでいい。レオはレオのままでいい」
フィルはフフッと笑み、俺の腰にあてた手を更にググッと力を入れたと思いきや、体重を一気に乗せて押し倒された。
なんつー早技。
「いいもんだな」
「意味がよくわかんないデス」
「あいつらの顔を見たか。間抜けな顔は早々みれないぞ。恋人か。自慢もいいもんだな」
自慢なんだ。俺が恋人で自慢?俺、溺愛されてるよね。それにフィルが楽しそう。うん。俺、認めるよ。
「嬉しい」
「……可愛いな」
引き寄せられるとはこの事だ。どちらからでもなく自然と唇を重ね、少し離れては微笑み合い、また唇を啄ばむ。
次第に熱が加わると深く、乱暴になるキスはお互いを煽り昂りを感じ始める。
恋人だって。伴侶って言わなかった。何だかんだ言っても俺の嫌がる事は面白がるけど、匙加減が絶妙なんだ。甘やかされ護られ安心して側にいられる。……甘々だな。
「っ、フィル」
「ん?」
「こ、ここソファなんだけど」
「何だ」
キスにうっとり頭でぼんやり考えてるうちに既にシャツははだけ、ズボンの中に手なんだけど!?
「な、何だじゃ無いデス。何でこうベッド以外でスイッチ入るわけ?」
「レオが煽るからな」
「は?」
「自覚無しも可愛い」
「え、え、ちょ、っん」
あわわわ。獣だ。獣降臨した!目がやらしいんだけどおおぉ。前を握りこまれては無闇に抵抗出来やしない。それで真っ直ぐ俺を見て射抜くんだから狡い、ずるいよ。抵抗する気なんか無くなるだろ。
ここが玄関ホール兼サロンだっていうのに。
ゆるゆると前を刺激されて、キスに身を委ねると快感しか追わなくなる訳で。
フィルも俺も最中に会話して楽しむタイプじゃなくて、ひたすら快感に行為に集中するってやつだ。絡み合う視線に身体に、触れ合う手と肌でお互いを確認する。
荒がる息の合間に思い出したようにキスをして頬を寄せ触れ合う。たまんないよ。
「あら、やだ」
「……いたのか」
「……う」
「帰宅したのよ。ここはあくまでも玄関サロンでしょ。場所変えてくれるかしら、ふふ」
「だ、だからベッド!」
「今更だ。来い」
「っも」
「どれだけ俺を煽れば気が済むんだお前は」
緩慢に乱れた格好のまま、手を繋ぎ部屋へと向かうって間抜けだ。
煽るって?知らないよ。俺のせいじゃない。多分恥ずかしさで顔が紅潮してるって言いたいんだろ?恥ずかしくさせるのはフィルじゃないか!くそうっ、くそーっ!
バルモンクに続きエリアルさんにまで見られたじゃないか。俺、見られて興奮とかないからね!くああぁっ!
「何ぶつぶつ言ってる。ほら脱げ」
「えぇ」
「何だ素直だったのに。可愛くなかせてやるから脱げ」
「言うことおっさん」
「……何だと」
「いえ、失言デス」
「ふふん」
あ、ああぁ、マズった。野獣スイッチ押したかも。俺のバカ!
「て、手加減して!」
「ははっ、さあな」
手加減なんて程遠く、あんあん泣かされたのは言うまでもない。
「オイオイおい、マジかよ」
フラッグは熱り立ち、ノールは頭を抱えた。俺は多分顔が紅潮してきてると思う。横に座るフィルは相変わらず淡々と話し続ける。
「レオはこう見えて二十三だ。そして同意の上の関係。問題ない。あとは噛んだ事だけ影響が詳細不明では困る」
「噛まなきゃいいだろーが」
「にじゅうさん、歳?!」
フラッグは俺を指差したから取り敢えずうんうん頷いてみるけどまた開口して固まった。
「問題ないとか、いや噛むってな。噛んだのか……いや確かに本気で気になる子はこう、ムラっと歯がムズムズしてな。噛んだ事は未だ無いけど、お前もあるだろ坊ちゃんよ」
「……まあ」
「て事は、アンフィルは本気なんだな。いや参ったね。お前がね」
「貴様が本気で?」
フンッと鼻息で返事をしたのか、フィルは目が笑ってないのに笑顔になった。
こわっ。超ブリザード感じる。
つい姿勢を正して座りなおしてみる。
俺を噛むのはフィルが本気って事?そんなに意外な事なのかな。今まで噛んだ事は無いって言ってたの本当なんだ?俺、今嬉しいとか思ったな。ああぁ、駄目だ。やっぱり俺はもう駄目なんだ。フィルから逃れられない運命ってやつなんだ。デ、ディスティニー。
落ち着かなくなって両手で顔を覆い隠した。
「付き合いきれん。エリアルはどうする」
「あれはレッグ一筋だろ。アンフィルは子育て支援と世間体から護ってただけだ。お前も相当だな。いい加減諦めろ」
「何だと」
ノールとフラッグも声が刺々しくなって来たのがわかった。同族嫌悪みたいなのがあるって聞いたけどそうなのかな。
「二人とも知らないと」
「他を当たれ。白けたから帰るぜ。レオっての仲良くやれよ」
「暫く会いたく無いものだ。レオとやら、その獣で困ったら力になるが覚えておけ。執事は従僕だ。わきまえろ。あの態度は品位に欠ける。じゃあ、俺も失礼する」
ノールは酒瓶を両手に、フラッグは時計を見て迎えを気にしながら屋敷から出て行った。
「収穫無し。次に行くかレオ」
「次?」
「帝都跡」
「南下?本は?」
「娯楽小説だから後でいい。俺も変わったがレオも変わったな」
「どこが」
「手をつねらなくなった。俺の執事は今まで通りでいい。レオはレオのままでいい」
フィルはフフッと笑み、俺の腰にあてた手を更にググッと力を入れたと思いきや、体重を一気に乗せて押し倒された。
なんつー早技。
「いいもんだな」
「意味がよくわかんないデス」
「あいつらの顔を見たか。間抜けな顔は早々みれないぞ。恋人か。自慢もいいもんだな」
自慢なんだ。俺が恋人で自慢?俺、溺愛されてるよね。それにフィルが楽しそう。うん。俺、認めるよ。
「嬉しい」
「……可愛いな」
引き寄せられるとはこの事だ。どちらからでもなく自然と唇を重ね、少し離れては微笑み合い、また唇を啄ばむ。
次第に熱が加わると深く、乱暴になるキスはお互いを煽り昂りを感じ始める。
恋人だって。伴侶って言わなかった。何だかんだ言っても俺の嫌がる事は面白がるけど、匙加減が絶妙なんだ。甘やかされ護られ安心して側にいられる。……甘々だな。
「っ、フィル」
「ん?」
「こ、ここソファなんだけど」
「何だ」
キスにうっとり頭でぼんやり考えてるうちに既にシャツははだけ、ズボンの中に手なんだけど!?
「な、何だじゃ無いデス。何でこうベッド以外でスイッチ入るわけ?」
「レオが煽るからな」
「は?」
「自覚無しも可愛い」
「え、え、ちょ、っん」
あわわわ。獣だ。獣降臨した!目がやらしいんだけどおおぉ。前を握りこまれては無闇に抵抗出来やしない。それで真っ直ぐ俺を見て射抜くんだから狡い、ずるいよ。抵抗する気なんか無くなるだろ。
ここが玄関ホール兼サロンだっていうのに。
ゆるゆると前を刺激されて、キスに身を委ねると快感しか追わなくなる訳で。
フィルも俺も最中に会話して楽しむタイプじゃなくて、ひたすら快感に行為に集中するってやつだ。絡み合う視線に身体に、触れ合う手と肌でお互いを確認する。
荒がる息の合間に思い出したようにキスをして頬を寄せ触れ合う。たまんないよ。
「あら、やだ」
「……いたのか」
「……う」
「帰宅したのよ。ここはあくまでも玄関サロンでしょ。場所変えてくれるかしら、ふふ」
「だ、だからベッド!」
「今更だ。来い」
「っも」
「どれだけ俺を煽れば気が済むんだお前は」
緩慢に乱れた格好のまま、手を繋ぎ部屋へと向かうって間抜けだ。
煽るって?知らないよ。俺のせいじゃない。多分恥ずかしさで顔が紅潮してるって言いたいんだろ?恥ずかしくさせるのはフィルじゃないか!くそうっ、くそーっ!
バルモンクに続きエリアルさんにまで見られたじゃないか。俺、見られて興奮とかないからね!くああぁっ!
「何ぶつぶつ言ってる。ほら脱げ」
「えぇ」
「何だ素直だったのに。可愛くなかせてやるから脱げ」
「言うことおっさん」
「……何だと」
「いえ、失言デス」
「ふふん」
あ、ああぁ、マズった。野獣スイッチ押したかも。俺のバカ!
「て、手加減して!」
「ははっ、さあな」
手加減なんて程遠く、あんあん泣かされたのは言うまでもない。
0
あなたにおすすめの小説
過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される
中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」
夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。
相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。
このお話はムーンライトでも投稿してます〜
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
悪役令息に転生した俺は推しの為に舞台から退場する
スノウマン(ユッキー)
BL
前世の記憶を思い出したアレクシスは悪役令息に転生したことに気づく。このままでは推しである義弟ノアが世界を救った後も幸せになれない未来を迎えてしまう。それを回避する為に、俺は舞台から退場することを選んだ。全てを燃やし尽くす事で。
そんな俺の行動によってノアが俺に執着することになるとも知らずに。
転移先で辺境伯の跡継ぎとなる予定の第四王子様に愛される
Hazuki
BL
五歳で父親が無くなり、七歳の時新しい父親が出来た。
中1の雨の日熱を出した。
義父は大工なので雨の日はほぼ休み、パートに行く母の代わりに俺の看病をしてくれた。
それだけなら良かったのだが、義父は俺を犯した、何日も。
晴れた日にやっと解放された俺は散歩に出掛けた。
連日の性交で身体は疲れていたようで道を渡っているときにふらつき、車に轢かれて、、、。
目覚めたら豪華な部屋!?
異世界転移して森に倒れていた俺を助けてくれた次期辺境伯の第四王子に愛される、そんな話、にする予定。
⚠️最初から義父に犯されます。
嫌な方はお戻りくださいませ。
久しぶりに書きました。
続きはぼちぼち書いていきます。
不定期更新で、すみません。
助けたドS皇子がヤンデレになって俺を追いかけてきます!
夜刀神さつき
BL
医者である内藤 賢吾は、過労死した。しかし、死んだことに気がつかないまま異世界転生する。転生先で、急性虫垂炎のセドリック皇子を見つけた彼は、手術をしたくてたまらなくなる。「彼を解剖させてください」と告げ、周囲をドン引きさせる。その後、賢吾はセドリックを手術して助ける。命を助けられたセドリックは、賢吾に惹かれていく。賢吾は、セドリックの告白を断るが、セドリックは、諦めの悪いヤンデレ腹黒男だった。セドリックは、賢吾に助ける代わりに何でも言うことを聞くという約束をする。しかし、賢吾は約束を破り逃げ出し……。ほとんどコメディです。 ヤンデレ腹黒ドS皇子×頭のおかしい主人公
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』
かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、
転生した高校時代を経て、無事に大学生になった――
恋人である藤崎颯斗と共に。
だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。
「付き合ってるけど、誰にも言っていない」
その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。
モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、
そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。
甘えたくても甘えられない――
そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。
過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの
じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。
今度こそ、言葉にする。
「好きだよ」って、ちゃんと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる