俺は帰りたいんですが。

つちやながる

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にえきらないとはこの事で

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「これで全部、かなー」
「そうですね」

盗賊は全員で十五名だった。半数以上はクルフェルが消したらしいという容赦無さ。
この世界で賊をして捕まれば死罪か一生労役となる。捕縛して冒険者組合に連れて行けば賞金がでる仕組みだ。捕まるくらいなら死んでもいいと思う輩も多いとクロウが説明してくれた。

森でのんびり過ごしていた俺には異世界カルチャーショックだ。

賊も捕縛され、結界も解術。
周りは安心し切って片付けや身支度を整えて出発し直していた。
術師二人に結果的に助けられたとあって、すれ違う人々はお礼を言って行く。

ドッと疲れた。なんなんだこいつら。俺は精神的ダメージが大きいぞ。
伏せて視線だけクロウとクルフェルに向けた。

「さて、次の町はここですね」

地図を広げ、俺に見えるように海沿いの町とわかる場所を指す。
捕縛された賊は、全員手足縄拘束されて道端に転がしている。抵抗を諦めて大人しいもんだ。

「あー、エウルスか」
「港町ですね。クルフェルは言った事があるようですね」
「おおきい、まち。こいつら連行、めんどくさー」
「まあ、ゾロゾロ歩くのはあれですね」
「転移できますか」
「余裕。そうする」

・・・今なんて言った?
バッと顔を上げてはっはっと犬らしく口を半開きにした。

転移?

そうだ、術師二人もいて何か引っかかってたんだよ。
仮にも高位魔術師だろ。得意分野だって経験だって違うはずだ。転移だって気付くべきだったんだ。行った事ある場所は転移可能だと行ってただろ。
早く気付けよ俺。というかクロウも言ってくれよ!

俺は鼻息荒く興奮した。

「クルフェル、お前ここ行った事あるか!」

地図を前脚でバンバン叩いた。勿論、そこは俺の住む隣の大陸だ。
覗き込んで耳をふるふるさせてクルフェルは位置を確認した。

「ない!」

無いのか!クソ!じゃあ、ココは!と目指す半島をまた前脚で叩く。

「ココだ、ココ」
「んー?…ない。わたし、家が反対側はしっこ。こっち、獣すくない、用事ない」
「次の町と転移可能なのはどこだ」
「二つ先、まで?」
「それでもいい。少しでも距離を稼ぎたい。飛ばせ」
「魔狼様、賊を渡してからですよ」
「…お前らでやれ。二人と一緒にいるとろくな事にならん気がして来た。俺は一人で行く。飛ばせ」
「えー、おおかみ、みてないよ」
「魔狼様!僕の俺も置いて行くんですか!」
「というか、最初から転移しろ。こんな面倒なかっただろ!」
「あー……」
「えーと…」

何故そこで濁す。イライラしてきた。もう俺はさすがに短気を自覚した。目を細めて牙を剥く。

「お前ら…言えよ。早く」
「さっさと、帰ったら、(私が)おもしろく、ないよ?」
「魔狼様と過ごす時間が減ります!」

目眩がした。

・・・ふ、ふはは。

腹が立つというか自己中心というのか、怒りとか悔しいとか、人間の利己主義とか浮かび段々もやもやした物がこみ上げて来た。目を細めて、下から獲物に狙いをつけるがごとく、二人を睨む。

グルルルルヴッ

俺は波風立てず生きたい。平々凡々ってやつだ。そして帰りたいだけなんだ。なのに何だこの仕打ち。

「おい、クロウ。お前はまだわかる所がある。この獣人は好かん。これと一緒に旅は無理だ」
「まあ。俺も嫌いなんですけど」
「えー」
「クルフェルは次の町までだ。転移しろ」
「えー」
「文句あるなら今離れろ。人に戻る方が先じゃないのか」

クロウは嬉しそうにウンウンと首を振っている。クルフェルは口を尖らせ不満顔だ。

「それに転移の対価に魔狼の生息地を教えよう」
「まあ、しかたない。やる。それで、いい」
「よし、交渉成立だ。飛ばせ」
「はい、はい」

しぶしぶとクルフェルは賊たちの周りに簡易陣を書いたかと思うと、一人の男の額にメモ紙を貼付けた。詠唱すると十五人がフッと消えた。次は自分たちだと、ぴょんぴょん跳ねて帰って来る。

「んじゃ、いくよー。インポルタ



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