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ねむる
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「みつけたぞ」
数日経っても姿を見せないモル。
家捜しをしてチェストの裏の影にいたの見つけて掴み出した。前も怒ったら隠れたからそうだろうとは思っだがこれはどうした事か。
大きさが戻っていなかった。
まさかずっと補食していない?
「…それはないな。確かスライム系は移動してても何か食う。ゴミでも死骸でも本能で勝手に吸収してんだからな。おいモル起きろ。仲直りして散歩でもしないか?」
丸まったモルを両手で掴みぐらぐらと揺らすと、うっすら目が開いたが直ぐ閉じた。
・・・な、に。眠い。寝、る。
「モルー、いつまで寝るんだ」
・・・、知ら、ない。
「モル?」
まさか本当に飯食ってない?まさかな。一応あれだな。
キングスはたらいに水を張りモルを浮かべた。ぷかぷか浮いて少しは吸収しているようだった。
「これで死にはしないだろ。何か機嫌悪いんだろ。ワガママな魔獣だな」
それからまた数日してもモルは浮いてるだけだった。水は少しは減っているが起きた気配がない。
まさか病気か?魔力のある魔獣が病む?聞いた事無いな。
辞典は生態全部を書いてる訳じゃない。幻影獣は影にいて見つかり難い希少種だ。こういう魔物なのかも知れない。
キングスは水を減らさない事は続けるが放置する事にした。
「あれ?あのイタズラっ子は?」
アイリが酒を持って来た。
「あれだ。ずっとタライの中だ」
「…は?ちっさ!!」
モルの大きさに驚くアイリ。一メートルはあったのが今は三十センチ程になっていた。
「魔獣って冬眠すんのか?アンタまた怒ったんじゃないだろな」
「見つけた時雪ん中眠ってたし冬眠だろ。それに悪い事したら怒らねえとな。魔獣に好き勝手やられてたまるか。しつけだ、しつけ」
キングスは注いだ酒を旨そうに飲む。
「まあそうだけど、そこは獣だし本能にしつけって無理じゃねえの?モルは頭いいから理由なく何でもやってる感じじゃ無いしさ。イタズラしてもあれは優しい魔獣だろ」
アイリはグラスの酒を見つめ、十数年前のこの家で、モルが犬で側に居てくれた事を思う。
「優しいねえ……」
「モルが来てから毎日賑やかで楽しいんだろ。酒浸りの頑固親父が変わったのわかってるか?あんたも誰か亡くしたんだろ?一日中飲んでイライラ発散に仕事して暴れてさ。それでも腕っ節は衰えなくてさ。呑んだくれでも俺には有名な憧れの冒険者様だからよ。戦争中はたまんなかったぜ。皆活躍してた昔のあんたが観れて戦意高揚ってやつだ。最高だったわ」
「…昔の、俺、か」
「魔物に思うとこ有るだろうけどさ、妥協して優しくしてやれよ。それにあれだ。モルの人の形はやべえよな。どこで見た人間なんだか、可愛いくてまずいから俺は逃げたけど、とり憑いたり魅了する魔獣じゃなかったな。ははは」
ゴンッ
キングスはアイリに拳骨をいれた。
「っだよ!」
「魔獣に可愛いもクソもあるか!」
「じゃあなんで飼ってんだよ!」
「…珍獣だから?」
「…可愛いんだろ」
「…まあ」
「…だよな」
キングスは小さなモルがしがみついた時を思い出す。そうだあれはかなり可愛かった。何だクソッ。
アイリは思った。用事がある時は手を繋いだり触手でつんつんして来てさ。魔獣のクセに小首を傾げんだぜ。可愛いよな。
おっさん達は次々注いでハイペースで酒をあおるのだった。
モルはぷかぷか浮いて眠り続けていた。
数日経っても姿を見せないモル。
家捜しをしてチェストの裏の影にいたの見つけて掴み出した。前も怒ったら隠れたからそうだろうとは思っだがこれはどうした事か。
大きさが戻っていなかった。
まさかずっと補食していない?
「…それはないな。確かスライム系は移動してても何か食う。ゴミでも死骸でも本能で勝手に吸収してんだからな。おいモル起きろ。仲直りして散歩でもしないか?」
丸まったモルを両手で掴みぐらぐらと揺らすと、うっすら目が開いたが直ぐ閉じた。
・・・な、に。眠い。寝、る。
「モルー、いつまで寝るんだ」
・・・、知ら、ない。
「モル?」
まさか本当に飯食ってない?まさかな。一応あれだな。
キングスはたらいに水を張りモルを浮かべた。ぷかぷか浮いて少しは吸収しているようだった。
「これで死にはしないだろ。何か機嫌悪いんだろ。ワガママな魔獣だな」
それからまた数日してもモルは浮いてるだけだった。水は少しは減っているが起きた気配がない。
まさか病気か?魔力のある魔獣が病む?聞いた事無いな。
辞典は生態全部を書いてる訳じゃない。幻影獣は影にいて見つかり難い希少種だ。こういう魔物なのかも知れない。
キングスは水を減らさない事は続けるが放置する事にした。
「あれ?あのイタズラっ子は?」
アイリが酒を持って来た。
「あれだ。ずっとタライの中だ」
「…は?ちっさ!!」
モルの大きさに驚くアイリ。一メートルはあったのが今は三十センチ程になっていた。
「魔獣って冬眠すんのか?アンタまた怒ったんじゃないだろな」
「見つけた時雪ん中眠ってたし冬眠だろ。それに悪い事したら怒らねえとな。魔獣に好き勝手やられてたまるか。しつけだ、しつけ」
キングスは注いだ酒を旨そうに飲む。
「まあそうだけど、そこは獣だし本能にしつけって無理じゃねえの?モルは頭いいから理由なく何でもやってる感じじゃ無いしさ。イタズラしてもあれは優しい魔獣だろ」
アイリはグラスの酒を見つめ、十数年前のこの家で、モルが犬で側に居てくれた事を思う。
「優しいねえ……」
「モルが来てから毎日賑やかで楽しいんだろ。酒浸りの頑固親父が変わったのわかってるか?あんたも誰か亡くしたんだろ?一日中飲んでイライラ発散に仕事して暴れてさ。それでも腕っ節は衰えなくてさ。呑んだくれでも俺には有名な憧れの冒険者様だからよ。戦争中はたまんなかったぜ。皆活躍してた昔のあんたが観れて戦意高揚ってやつだ。最高だったわ」
「…昔の、俺、か」
「魔物に思うとこ有るだろうけどさ、妥協して優しくしてやれよ。それにあれだ。モルの人の形はやべえよな。どこで見た人間なんだか、可愛いくてまずいから俺は逃げたけど、とり憑いたり魅了する魔獣じゃなかったな。ははは」
ゴンッ
キングスはアイリに拳骨をいれた。
「っだよ!」
「魔獣に可愛いもクソもあるか!」
「じゃあなんで飼ってんだよ!」
「…珍獣だから?」
「…可愛いんだろ」
「…まあ」
「…だよな」
キングスは小さなモルがしがみついた時を思い出す。そうだあれはかなり可愛かった。何だクソッ。
アイリは思った。用事がある時は手を繋いだり触手でつんつんして来てさ。魔獣のクセに小首を傾げんだぜ。可愛いよな。
おっさん達は次々注いでハイペースで酒をあおるのだった。
モルはぷかぷか浮いて眠り続けていた。
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