death after

kzeroen

文字の大きさ
上 下
8 / 68
冥界編

chapter7 再会と感謝

しおりを挟む
 あれから立ち話ではあれかと、俺達は家の中に上がった。

「まさか母さんが、冥界に残っていたなんて信じられないよ」

「この若さでやりたいこととか、まだあるから冥界に残ったの♪」

 そう目の前にいるのは、母さんが死んだ時当時の姿、まだ若い。
 
「この若さって享年28じゃねーか」

「あらっ何か言ったか・し・ら?」

「いえ、何でもありません…」

「あははっ、圭助の負け~」

 霊華が、二人の会話に思わず笑った。 

 それから数時間が経った。俺が、警察になったこと等色々話した。時間が、立つのも忘れるぐらい楽しかった。この時間が続くなら、俺が冥界で過ごすのも悪くない。

「それにしても、随分大人っぽくなったわね圭助~」

「そりゃそうさ、今年で22だよ」

 母さんが、死んでからからもう17年立つ。俺が、大人っぽくならないわけがない。 
 
「もうそんなになるんだね~この、悪戯っ子が警察官にね」

「あぁ、そうだな。俺は、警察官にこうしてなれたんだし」

 そう俺は、小さい頃から悪戯好きだったため、親父によく殴られた。それが、本当によく警察官になれなものだ。霊華は、その圭助のその嬉しそうな様子を見ながら俺をつつく。

「圭助くん、随分と素直だね~もしかしてマザコンかいっ?」

"ゴツッ"

「はっ、ちげーよ何でそうなるんだっ!」

 俺は、顔を赤くしながら霊華を軽く殴った。

「いったいなぁー、図星なんだね~」

「だから久しぶりに母親に会って、素直にならない子がどこにいる!!」

「ここにいるじゃん!」

"ゴンッ"

「うるせーっ💢」

「ふふっ、圭助すっかり霊華ちゃんと良くなったんだね~」

 その言葉に霊華と圭助は同時にいい放つ。

「「仲良くない!!」」

 そんな2人を見て母さんは笑っていた。利音と付き合ってたこと、等色々圭助は話した。時間が立つのも忘れるぐらい、ここにいるのが当たり前な感じになってきた。そう家族団欒としてたあの頃のように……

 圭助は、ふと思い出し言えなかったことを言った。
 
「なぁ母さん、本当に火事の時助けてくれてありがとうな!」

 そう、俺の母正美は火事の時、圭助を倒れる柱から庇ってそのまま柱と一緒に倒れた。そのまま、逃げきれずに死んでしまった。それからはの生活は、父と親戚の所へ引っ越し生活だ。

「いいえ、圭助がこうして良い人生を送れて私は充分満足よ」

 母さんは、優しくそう言い幸せそうな顔をする。けど、俺は申し訳ない気持ちだ。
 
「でも俺は、やり残した事がある、今でも本当に悔しいから……」

「やり残した事って?」
 
「あぁ、母さんの敵討ちや、利音の事もあるから……」
 
 火事の原因は、放火魔による放火。今も尚、放火魔は捕まえられず、犯人の1人は放火を続けている。小さい時から、そいつらを逮捕するため、俺は警察官になった。

 母さんは、微笑みながらも真剣に俺に言った。
 
「私のことは、大丈夫だよ。それに人を憎むのは、犯罪者と同じことよ圭助」

「けど俺は、あいつらを許さない。必ず、どんな手段を使ってでも捕まえてやっから」

 だが、母さんは複雑な表情をし頬に手を当てた。

「そう……でも利音ちゃんには……」
 
「あっ・・・」
 
『そうだ、大俺馬鹿だ。何が警察官だ。すまない利音・・・俺が先に死んじまって…』 

 俺は、悔しさに唇を噛み涙ぐんだ。顔を伏せるが涙が下に落ちる。空気が静まってしまった。その様子を霊華が見て、母さんと目を合わせ両者が頷いていた。そして、霊華が目を閉じていた。
 

〔あの……竜嬉様〕
 
〔はい、なんでしょう〕
 
〔もう、あの事を話てもいいですか?〕

〔えぇ、こちらの状況もよろしくはなく、今話すのがいいかと思います……〕

〔承知しました。では、失礼致します〕



しおりを挟む

処理中です...