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終章天界・現世編
chapter68 前日
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「うっ…ここは…」
ここは確か、裁判所の医務室…
俺は辺りを見回すと、隣に酷魔がまだ眠っている
「おはよ~圭助…」
「おう、霊華」
隣には霊華が座って、眠たい目を擦っていた
まだ、日が昇った頃だった
「ところで冬至達は…」
「隣部屋~」
「そっか、ところで今日の夜俺の家行かねぇ?」
「?!…あっ!そうだっね行こうかっ」
霊華は何かを思い出したように、手を叩く
「全く…呑気ですね、霊華…」
いつの間にか入ってきた竜嬉は、ドアのところで腕を組んでよしかかっている
「あっ、か…いや竜嬉様…」
「どちらでも…それより急な話があってね」
「急な話って?」
圭助もその話に耳を傾ける
「ええ。知っての通り修羅に怨霊らを放した人物について、明日裁判がかけられることになりました」
あっ…そういえば…
「それって母さんが裁判するの?」
「いいえ、閻魔様が直々に…」
「えっ……」
霊華は息を飲んだ、目を見開き竜嬉をガン見する
閻魔様…勝目あるの…母さん…?
「無論私と礼も、裁判側だけど…」
深刻な表情の竜嬉
「難しいんだ…」
「ええ」
「話は聞かせてもらいました、竜嬉様。姉貴は今、何処にいるのですか?」
圭助は隣で寝ていたはずの酷魔が、起き上がって立ち上がり患部を触っている
「酷魔、骨折は治しましたがまだ無理をせずに…今は牢にいます」
「はっ、了解です!感謝いたします」
酷魔は颯爽と去って行った
やれやれ…姉弟そろって、大切な人となると慌てやすいですね…
「さて、奈佐君はこの後どうしますか?」
話を聞くところ…難しいな…
「俺は…」
--------------------
一方酷魔は部屋を去った後、牢に来ていた
そこには、呑気に覚悟を決めたように寝ている雛の姿があった
手錠、足かせもはめられている
「おいっ姉貴っ!起きろっ!!」
「おはよう酷魔。もう酷魔達の顔見るの明日で最後になるね…」
何言ってるんだよ…覚悟一人だけ決めやがって…
真面目な顔でいつもと変わらない姉貴…
「縁起でもねぇこと言うなっ…」
「当然ね…あれだけの大罪、犠牲者、全て私の責任だから仕方ないね…」
「仕方ないって…姉貴は悪くねぇ…全てあいつらだろう…」
檻をつかみ、うつむきながらも訴える酷魔。だが雛の顔は一向に変わらない
「でも、行動は行動。閻魔様が許す訳ないから」
その言葉に何も言えなくなった酷魔…
檻を強く握り、ギシギシと音が立つ
くっ…
「このこと冬至君には言わないでね…きっと彼辛い思い出するから…閻魔様に私の、記憶を消してもらうようにするね」
雛はうっすらと涙がこぼれ落ちる
「なんでだよっ!あいつは、俺達の中で一番に姉貴を助けがってた!そして無事助かったじゃねぇかよ!!」
牢屋中に酷魔の叫び声が響き渡る
「ええ、本当に…そうだったね…」
何を言っても変わらない雛、だが涙は流れている
「酷魔、私がいなくても修羅の管理任せたよ…あの時全員を引っ張れたから、もう大丈夫って思ったから…」
涙を流しながら、笑顔で酷魔に伝える雛
「姉貴…嫌だ…まだ…俺は姉貴が必要だ…」
力なく、その場で座り込む酷魔。雛に子供のように駄々をこねり動かない
普段の厳格な姿は無い
「まったく…ほら、なに泣き顔見せてるの酷魔らしくない」
案外仲間思いなのは、昔から変わらないのよね…玉連以外は…
雛の言葉一言一言が胸に刺さる酷魔
「酷魔、本当に今までありがとうね…そろそろ竜嬉様の所に行く時間だから…」
「姉貴…俺諦めねぇから…」
もう、頼れるのは…
酷魔は涙を拭くと部屋を後にした
ここは確か、裁判所の医務室…
俺は辺りを見回すと、隣に酷魔がまだ眠っている
「おはよ~圭助…」
「おう、霊華」
隣には霊華が座って、眠たい目を擦っていた
まだ、日が昇った頃だった
「ところで冬至達は…」
「隣部屋~」
「そっか、ところで今日の夜俺の家行かねぇ?」
「?!…あっ!そうだっね行こうかっ」
霊華は何かを思い出したように、手を叩く
「全く…呑気ですね、霊華…」
いつの間にか入ってきた竜嬉は、ドアのところで腕を組んでよしかかっている
「あっ、か…いや竜嬉様…」
「どちらでも…それより急な話があってね」
「急な話って?」
圭助もその話に耳を傾ける
「ええ。知っての通り修羅に怨霊らを放した人物について、明日裁判がかけられることになりました」
あっ…そういえば…
「それって母さんが裁判するの?」
「いいえ、閻魔様が直々に…」
「えっ……」
霊華は息を飲んだ、目を見開き竜嬉をガン見する
閻魔様…勝目あるの…母さん…?
「無論私と礼も、裁判側だけど…」
深刻な表情の竜嬉
「難しいんだ…」
「ええ」
「話は聞かせてもらいました、竜嬉様。姉貴は今、何処にいるのですか?」
圭助は隣で寝ていたはずの酷魔が、起き上がって立ち上がり患部を触っている
「酷魔、骨折は治しましたがまだ無理をせずに…今は牢にいます」
「はっ、了解です!感謝いたします」
酷魔は颯爽と去って行った
やれやれ…姉弟そろって、大切な人となると慌てやすいですね…
「さて、奈佐君はこの後どうしますか?」
話を聞くところ…難しいな…
「俺は…」
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一方酷魔は部屋を去った後、牢に来ていた
そこには、呑気に覚悟を決めたように寝ている雛の姿があった
手錠、足かせもはめられている
「おいっ姉貴っ!起きろっ!!」
「おはよう酷魔。もう酷魔達の顔見るの明日で最後になるね…」
何言ってるんだよ…覚悟一人だけ決めやがって…
真面目な顔でいつもと変わらない姉貴…
「縁起でもねぇこと言うなっ…」
「当然ね…あれだけの大罪、犠牲者、全て私の責任だから仕方ないね…」
「仕方ないって…姉貴は悪くねぇ…全てあいつらだろう…」
檻をつかみ、うつむきながらも訴える酷魔。だが雛の顔は一向に変わらない
「でも、行動は行動。閻魔様が許す訳ないから」
その言葉に何も言えなくなった酷魔…
檻を強く握り、ギシギシと音が立つ
くっ…
「このこと冬至君には言わないでね…きっと彼辛い思い出するから…閻魔様に私の、記憶を消してもらうようにするね」
雛はうっすらと涙がこぼれ落ちる
「なんでだよっ!あいつは、俺達の中で一番に姉貴を助けがってた!そして無事助かったじゃねぇかよ!!」
牢屋中に酷魔の叫び声が響き渡る
「ええ、本当に…そうだったね…」
何を言っても変わらない雛、だが涙は流れている
「酷魔、私がいなくても修羅の管理任せたよ…あの時全員を引っ張れたから、もう大丈夫って思ったから…」
涙を流しながら、笑顔で酷魔に伝える雛
「姉貴…嫌だ…まだ…俺は姉貴が必要だ…」
力なく、その場で座り込む酷魔。雛に子供のように駄々をこねり動かない
普段の厳格な姿は無い
「まったく…ほら、なに泣き顔見せてるの酷魔らしくない」
案外仲間思いなのは、昔から変わらないのよね…玉連以外は…
雛の言葉一言一言が胸に刺さる酷魔
「酷魔、本当に今までありがとうね…そろそろ竜嬉様の所に行く時間だから…」
「姉貴…俺諦めねぇから…」
もう、頼れるのは…
酷魔は涙を拭くと部屋を後にした
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