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プロローグ
第六話 どんな顔をしたんだろう?
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あれから、結構な時間をかけてから、ようやくーー俺の自己満足(土下座)にカシム殿を付き合わせている事に気づいた俺は頭を上げ問うた。
「申し訳ない。謝罪の言葉はここまでにします。貴方は俺に何を望みますか? 俺が出来る事ならどのような願いも叶えますよ。まあ俺に出来ることなんて暴力関係しかありませんがーー帝国?でしたか? 滅ぼしますか? 我が一族の血筋を根こそぎ滅ぼしますか? それともーー」
「っ...お、お待ちを神祖様。我らは使命を果たしたのみ。怨みはありますが、もはや当事者は残っておりましてもエルフの血を引く数名でしょう。関係無き者には慈悲を。我が祖父母達と建国した帝国に慈悲を」
ああ...どうやら冷静になったつもりで、全然そうじゃ無かったみたいだ。
確かに最低でも三百年......生き残っているのはエルフぐらいだろうか? おっちゃんとティナならまだ生きているか? 魔族は寿命が永いとか言っていたが...どれぐらい寿命があるのか聞いてなかったな。
ははーー駄目だな怒りでどうにかなりそうだ。
エルフが生き残っているということは、主犯である神聖皇帝とやらも生きているって事だろうからな!
ハーフだが俺の子供なら間違いなく長寿だろう。
俺自身、自分の寿命は不明だからな。二十歳あたりから老化が止まっているしな。
ああー殺してぇー。
今すぐ殺してぇー。
ぐちゃぐちゃにしてぇー
取り敢えず殺してぇー
はは、こんなに誰かをコロシタイなんて初めてかもしれないな。
...まあ話しを聞いた限り、今の俺じゃあ無理っぽいがね。
それにカシム殿は、本気で復讐を望んでいないのだろう。まったくお人好しなのは遺伝するものなのかね?
...あの二人の孫か。
ーーあぁー本当に俺は馬鹿で愚かだ。
二人の大事な孫であるカシム殿に出来る事が何もない...。
...せめて。
...本当に、せめて。
...迷わず成仏して貰うことぐらいの事しか俺がカシム殿に出来る事が思いつかない。
なのにーーー復讐を禁じられたら俺が出来る事は何もない。
力でしか問題を解決出来ない王。
忠誠に報えない王。
覚悟も決意もない王
暴虐王
惰眠王
逡巡王
これが俺、ザガン王。
感情のまま部族を滅ぼし。都市を滅ぼし。国を滅ぼし。敵対者を滅ぼした結果が今の状態ならばーー
ーー王になんて為るんじゃなかった。
今更ながらそんな事を考えて自笑していると、カシム殿が一つだけ願いがあると言ってくれた。
俺は、急かすようにカシム殿にそれを聞いた。
それを聞いた俺は......どんな顔をしていたんだろう?
「私が、いえ我が一族が望むのはーー畑を耕し、毎日昼寝をし、ブラブラ散歩をして、珠に犬に吠えられ、家族と他愛ない話しで笑い会えるーーそんな余生を送って下さい」
ああー本当にどんな顔をしたんだろう。
「申し訳ない。謝罪の言葉はここまでにします。貴方は俺に何を望みますか? 俺が出来る事ならどのような願いも叶えますよ。まあ俺に出来ることなんて暴力関係しかありませんがーー帝国?でしたか? 滅ぼしますか? 我が一族の血筋を根こそぎ滅ぼしますか? それともーー」
「っ...お、お待ちを神祖様。我らは使命を果たしたのみ。怨みはありますが、もはや当事者は残っておりましてもエルフの血を引く数名でしょう。関係無き者には慈悲を。我が祖父母達と建国した帝国に慈悲を」
ああ...どうやら冷静になったつもりで、全然そうじゃ無かったみたいだ。
確かに最低でも三百年......生き残っているのはエルフぐらいだろうか? おっちゃんとティナならまだ生きているか? 魔族は寿命が永いとか言っていたが...どれぐらい寿命があるのか聞いてなかったな。
ははーー駄目だな怒りでどうにかなりそうだ。
エルフが生き残っているということは、主犯である神聖皇帝とやらも生きているって事だろうからな!
ハーフだが俺の子供なら間違いなく長寿だろう。
俺自身、自分の寿命は不明だからな。二十歳あたりから老化が止まっているしな。
ああー殺してぇー。
今すぐ殺してぇー。
ぐちゃぐちゃにしてぇー
取り敢えず殺してぇー
はは、こんなに誰かをコロシタイなんて初めてかもしれないな。
...まあ話しを聞いた限り、今の俺じゃあ無理っぽいがね。
それにカシム殿は、本気で復讐を望んでいないのだろう。まったくお人好しなのは遺伝するものなのかね?
...あの二人の孫か。
ーーあぁー本当に俺は馬鹿で愚かだ。
二人の大事な孫であるカシム殿に出来る事が何もない...。
...せめて。
...本当に、せめて。
...迷わず成仏して貰うことぐらいの事しか俺がカシム殿に出来る事が思いつかない。
なのにーーー復讐を禁じられたら俺が出来る事は何もない。
力でしか問題を解決出来ない王。
忠誠に報えない王。
覚悟も決意もない王
暴虐王
惰眠王
逡巡王
これが俺、ザガン王。
感情のまま部族を滅ぼし。都市を滅ぼし。国を滅ぼし。敵対者を滅ぼした結果が今の状態ならばーー
ーー王になんて為るんじゃなかった。
今更ながらそんな事を考えて自笑していると、カシム殿が一つだけ願いがあると言ってくれた。
俺は、急かすようにカシム殿にそれを聞いた。
それを聞いた俺は......どんな顔をしていたんだろう?
「私が、いえ我が一族が望むのはーー畑を耕し、毎日昼寝をし、ブラブラ散歩をして、珠に犬に吠えられ、家族と他愛ない話しで笑い会えるーーそんな余生を送って下さい」
ああー本当にどんな顔をしたんだろう。
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