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49.過大評価
「俺のリリーのもとによその男を送るつもりじゃないですよね?」
「よ、よその男?」
「うちの職員ってほぼ男でしょ。可愛い可愛いリリーの寝顔を見せるなんて耐えられない」
「は?」
「不特定多数の医者が訪問したってだけでも腹立たしいのに」
「いや、そんな邪なことは」
「考えてなくても、リリーの可愛い可愛い顔を見てたら不埒な下心が湧き上がってくるに違いない。男なんて欲望に忠実なケダモノばっかりなんだから、そんなのの前にリリーを晒すことなんて―――」
『ちょっと黙ろうか?』
さっきから本当にコイツは何を言ってるんだ。
笑いすぎてオスカーは過呼吸気味になってるし、おじさまとお父様は困惑して顔を見合わせているし、混沌としている。
『私に邪な感情を抱くのはあんたくらいだから。一般的に見て私は顔立ちも平凡だし、スタイルがいいわけでもないし、言っちゃえばどこにでもいる取るに足らない令嬢なの』
「はぁ~~~~」
『何そのおっきいため息』
「俺の婚約者の自己肯定感が低くて困ってる。どこをどう見たら平凡なんて評価になるの?もっと天使の自覚を持って」
『人間だから』
「いい?リリーは!かわいい!!!」
『声でかっ』
助けを求めてオスカーとフィリーおじさまを見ると、首を横に振られた。
「まぁ多少美化しすぎかもしんないけど、概ね俺も同意。容姿は整ってる方だし、実際狙ってるヤツも多いからな」
「そうだよ、リアちゃんは可愛いよ。悪い虫が寄ってこないか心配になる。ねぇ、子爵?」
「え?は、はぁ……。親の欲目かもしれませんが、リアは本当に可愛い自慢の娘です」
3人してすごく褒めてくるのが気恥ずかしい。
セオルはなぜか得意げな顔をしてるし。
『で、でも調査は必要……だから』
「うん、だから調査は俺が引き続き担当するね。細かいデータの解析とか、直接リリーに会わなくてもできる仕事なら他のヤツにやらせてもいいけど……いや、やっぱ自分でやった方が正確か?他人に任せてミスがあったら殺したくなるし」
セオルが物騒なことをブツブツと呟く。
同僚をあまり信頼していないのかと本気で心配になるセリフだ。
「こら、セオル。うちにそんな適当な仕事をする人間はいない。一人で抱え込んでもいいことはないよ」
「……でも」
「それに、データの解析まで自分でしてたら、時間がいくらあっても足りないだろう?愛しの婚約者に寂しい思いをさせることになるぞ」
「え゛……。そ、それはちょっと」
「ね、リアちゃん」
そう話を振るおじさまの顔には「お願いだから話を合わせて」と大きく書いてある。
気は進まないが、やむを得ない。
『……おしゃべりする時間が減るのは、ちょっとやだ』
「うぐぅっっっ!!!!」
セオルが胸を掴んで前かがみになる。
何その反応、前にも見た気がする。
「お、俺を殺す気………?!」
『被害妄想甚だしくない?』
「攻撃力やっばい」
『攻撃してないから』
そう呆れつつ、おじさまにチラリと視線を向ける。
よくやったと親指を立ててくれたから、これで正解だったのだろう。
「よ、よその男?」
「うちの職員ってほぼ男でしょ。可愛い可愛いリリーの寝顔を見せるなんて耐えられない」
「は?」
「不特定多数の医者が訪問したってだけでも腹立たしいのに」
「いや、そんな邪なことは」
「考えてなくても、リリーの可愛い可愛い顔を見てたら不埒な下心が湧き上がってくるに違いない。男なんて欲望に忠実なケダモノばっかりなんだから、そんなのの前にリリーを晒すことなんて―――」
『ちょっと黙ろうか?』
さっきから本当にコイツは何を言ってるんだ。
笑いすぎてオスカーは過呼吸気味になってるし、おじさまとお父様は困惑して顔を見合わせているし、混沌としている。
『私に邪な感情を抱くのはあんたくらいだから。一般的に見て私は顔立ちも平凡だし、スタイルがいいわけでもないし、言っちゃえばどこにでもいる取るに足らない令嬢なの』
「はぁ~~~~」
『何そのおっきいため息』
「俺の婚約者の自己肯定感が低くて困ってる。どこをどう見たら平凡なんて評価になるの?もっと天使の自覚を持って」
『人間だから』
「いい?リリーは!かわいい!!!」
『声でかっ』
助けを求めてオスカーとフィリーおじさまを見ると、首を横に振られた。
「まぁ多少美化しすぎかもしんないけど、概ね俺も同意。容姿は整ってる方だし、実際狙ってるヤツも多いからな」
「そうだよ、リアちゃんは可愛いよ。悪い虫が寄ってこないか心配になる。ねぇ、子爵?」
「え?は、はぁ……。親の欲目かもしれませんが、リアは本当に可愛い自慢の娘です」
3人してすごく褒めてくるのが気恥ずかしい。
セオルはなぜか得意げな顔をしてるし。
『で、でも調査は必要……だから』
「うん、だから調査は俺が引き続き担当するね。細かいデータの解析とか、直接リリーに会わなくてもできる仕事なら他のヤツにやらせてもいいけど……いや、やっぱ自分でやった方が正確か?他人に任せてミスがあったら殺したくなるし」
セオルが物騒なことをブツブツと呟く。
同僚をあまり信頼していないのかと本気で心配になるセリフだ。
「こら、セオル。うちにそんな適当な仕事をする人間はいない。一人で抱え込んでもいいことはないよ」
「……でも」
「それに、データの解析まで自分でしてたら、時間がいくらあっても足りないだろう?愛しの婚約者に寂しい思いをさせることになるぞ」
「え゛……。そ、それはちょっと」
「ね、リアちゃん」
そう話を振るおじさまの顔には「お願いだから話を合わせて」と大きく書いてある。
気は進まないが、やむを得ない。
『……おしゃべりする時間が減るのは、ちょっとやだ』
「うぐぅっっっ!!!!」
セオルが胸を掴んで前かがみになる。
何その反応、前にも見た気がする。
「お、俺を殺す気………?!」
『被害妄想甚だしくない?』
「攻撃力やっばい」
『攻撃してないから』
そう呆れつつ、おじさまにチラリと視線を向ける。
よくやったと親指を立ててくれたから、これで正解だったのだろう。
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