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word7 「ドラゴン 実在」①
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皆さんは空想上の生き物と言われると何を思い浮かべるだろうか――?
僕は当然、「ドラゴン」だ――。
この世界には時折その存在が実際にあるのか語られる生物がいる。宇宙人だったり、妖精だったり、魔法使いだったり、幽霊だったり……。幽霊は生き物ではないけど……。
多くの人間はそんなもの存在しないと言うだろう。非科学的で馬鹿らしい。信じているのはまだ世の中のことを知らない子供くらいだ。議論を交わすまでもなく簡単に否定する。
でも空想上の生き物たちが人々を引き付けるのもまた事実である。
その存在を信じていない人たちも、現実離れしたそれらについての話を聞くこと自体は好きだったりする。口ではいないと言いつつも、心のどこかでロマンを感じている。
もし本当にいるのなら……そうやって空想上の生き物たちに夢を見ている。
あなたには存在を信じているものや、信じたいものがいるだろうか――。僕にはいる――。
そう、ドラゴンだ。
僕は子供の頃に買ってもらった「世界のドラゴン図鑑」という題名の本を机の上に置いた。ずっと昔に本棚の奥に閉まってからもう10年は取り出していないんじゃないかという代物だ。
手元にあるだけで古臭い紙の匂いがするし、端のほうは傷だらけになっている。
今日の検索ワードを決めた僕は、実行する前に昔買ってもらった本のことを思い出して、予習するというか、ノスタルジーに浸りたくなったのだ。
ボロっぽいその本。しかし最初のページをめくると、中はそれほど汚れていなかった。
見開きで描かれた巨大なドラゴンの絵、赤い体に大きな翼が生えていて、口からは炎を吐いている。子供向けのイラストではなくて、ゲームに出てくるようなリアルな感じの絵だった。
どういう経緯で買ってもらったかも分からない謎の図鑑の一枚の絵、子供の頃ただじっとそれを見ていた午後のことを今でもぼんやりと覚えている。子供の頃は大好きだったのだ。ドラゴンが。
そして、今でもそれを見ると胸が躍った。
かっこいい……。心からそう思えた。
昔好きだったものを収納の奥から引っ張り出してくると楽しいとかではなくて、普通に。高校生の目から見てもやっぱりドラゴンってかっこいい。
僕はじっくり図鑑を見ようかと思っていたけれど、居ても立っても居られなくなって黒いパソコンへワードを入力する。
「ドラゴン 実在」
今日の検索ワードはこれだ。ペガサスでも雪男でもなくて、ドラゴンがこの世にいるかどうか。
それをこのパソコンに聞く。
いないとは分かっているけど期待した。だってドラゴンは空想上の生き物の中では可能性があるほうだ。世界中の昔話や神話で登場する共通のモチーフであることがその理由。日本でもヨーロッパでも昔話にドラゴンが登場する。
だからもしかしたら……もしかしたら昔は本当にいて、もしかしたら今も……。
でもまあ、いないか。そう思って結果を見た。しかし……。
「この世界にドラゴンは実在します。」
黒いパソコンはそういう答えを出した。
いや、いるのかよ――。
僕は当然、「ドラゴン」だ――。
この世界には時折その存在が実際にあるのか語られる生物がいる。宇宙人だったり、妖精だったり、魔法使いだったり、幽霊だったり……。幽霊は生き物ではないけど……。
多くの人間はそんなもの存在しないと言うだろう。非科学的で馬鹿らしい。信じているのはまだ世の中のことを知らない子供くらいだ。議論を交わすまでもなく簡単に否定する。
でも空想上の生き物たちが人々を引き付けるのもまた事実である。
その存在を信じていない人たちも、現実離れしたそれらについての話を聞くこと自体は好きだったりする。口ではいないと言いつつも、心のどこかでロマンを感じている。
もし本当にいるのなら……そうやって空想上の生き物たちに夢を見ている。
あなたには存在を信じているものや、信じたいものがいるだろうか――。僕にはいる――。
そう、ドラゴンだ。
僕は子供の頃に買ってもらった「世界のドラゴン図鑑」という題名の本を机の上に置いた。ずっと昔に本棚の奥に閉まってからもう10年は取り出していないんじゃないかという代物だ。
手元にあるだけで古臭い紙の匂いがするし、端のほうは傷だらけになっている。
今日の検索ワードを決めた僕は、実行する前に昔買ってもらった本のことを思い出して、予習するというか、ノスタルジーに浸りたくなったのだ。
ボロっぽいその本。しかし最初のページをめくると、中はそれほど汚れていなかった。
見開きで描かれた巨大なドラゴンの絵、赤い体に大きな翼が生えていて、口からは炎を吐いている。子供向けのイラストではなくて、ゲームに出てくるようなリアルな感じの絵だった。
どういう経緯で買ってもらったかも分からない謎の図鑑の一枚の絵、子供の頃ただじっとそれを見ていた午後のことを今でもぼんやりと覚えている。子供の頃は大好きだったのだ。ドラゴンが。
そして、今でもそれを見ると胸が躍った。
かっこいい……。心からそう思えた。
昔好きだったものを収納の奥から引っ張り出してくると楽しいとかではなくて、普通に。高校生の目から見てもやっぱりドラゴンってかっこいい。
僕はじっくり図鑑を見ようかと思っていたけれど、居ても立っても居られなくなって黒いパソコンへワードを入力する。
「ドラゴン 実在」
今日の検索ワードはこれだ。ペガサスでも雪男でもなくて、ドラゴンがこの世にいるかどうか。
それをこのパソコンに聞く。
いないとは分かっているけど期待した。だってドラゴンは空想上の生き物の中では可能性があるほうだ。世界中の昔話や神話で登場する共通のモチーフであることがその理由。日本でもヨーロッパでも昔話にドラゴンが登場する。
だからもしかしたら……もしかしたら昔は本当にいて、もしかしたら今も……。
でもまあ、いないか。そう思って結果を見た。しかし……。
「この世界にドラゴンは実在します。」
黒いパソコンはそういう答えを出した。
いや、いるのかよ――。
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