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word35 「昔見たAV 巨乳のやつ」②
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それから僕はスマホで画像や動画を見てそそられるものを探した。「その他」と名前を付けてある画像ファイルだったり、お気に入り登録してある優秀なサイトを見ていった。
男の性欲は食欲に似ていると聞いたことがあるが、その通りだと思う。
基本的には新鮮でおいしいものが好まれるし、その時々で食べたいものは変わる。食べたいものではないと満足できないなんて時もあってしまう。ちょっと手間をかけてでも好物でないと……そんな時が。
特に食欲があまりないときはそうだ。美味しいもの以外では食欲をそそられない。それなのにその美味しいものが自分でも分からない時がある。でも、一度食べたいものが見つかってしまうと、それが食べたくて食べたくて仕方がなくなるのだ……。
僕は今、正にそういう気分であった。何か食べたいものが見つかったから食欲が出てきたのではなくて、ちょっと食欲があるけど何か食べたくなるものがあるかなと家の棚を漁っている感じだった。
常備してある食べ慣れたインスタントラーメンや缶詰、冷凍食品なんかではダメなんだ。もっとデリシャスなものでないと。
それと同じように、あれでもないこれでもないとスマホを操作した。これには一生お世話になると思って保存した画像でも何回か使えば飽きてきてしまう。それもまた食べ過ぎると飽きる食欲と同じである。
探せど探せど見つからなくて……ムラついてはいるけど、徐々に僕の僕も元気を失ってくる。
もういっそ何も見ないで、無感情の処理をしようか。けれど、こんなに悩んだ末に結局そんな形を取るのか。自分に問いかけているとようやく僕のアンテナが電波を受信する。
そういえば、昔見たあの動画ちょーエロかったなあ……。
思い出すと気分は一瞬で変わった。文字通りアンテナのように僕の僕が再び立ち上がる。
自分がいつか見たAVのワンシーン。それが少し脳内でちらついただけで、これしかない、探し求めていたものだと確信する。
その瞬間だけでもう快感があった。別ベクトルの快感だけど、パズルのピースが埋まったような感覚。
僕はベッドの中で態勢を変えて、さっそく検索の方向をシフトした。
確か巨乳の女の人だったと思う。髪は金髪で長くて……本職の人なのか知らないけど少なくとも設定では素人だった。なんかちょっと露出なんかもしちゃったりして……。
少なくとも見たのは半年以上前だった。そんな過去の情報から思いつくことを頼りにその動画を探す。
見つかりさえすれば一瞬でこの無駄な時間を終わらせられる。なのに僕の求める動画はなかなか見つかってくれなかった。似たような動画はたくさん見つかるのにそれだけが出てこない。
似た動画にこんなブスじゃないんだなんて悪口を心の中で言っていると、それらしき動画が関連動画で発見された。
邪魔で無駄に多い広告を跳ね除け、流れるように向かう。
しかし、それをタップするとリンク先では「動画は削除されました」という文字だけがあった……。
もう我慢できなかった。やっと見つかったと思ったのにこの仕打ち。やり場のないモヤモヤが体に生まれる。
そして、それをすぐに解決する方法が1つだけあった。1つだけしかない――。
「昔見たAV 巨乳のやつ」
急いで黒いパソコンを取り出し、その言葉を入力した。
下半身裸のまま布団から出て椅子に座る。
見せたくないものをさらけ出している部屋の中、今ドアを開けられたらとんでもないことになるけど後戻りはできない。
僕は握りながら、動画検索を行った――。
画面が望んだものに、切り替わった時にはもう本当に黒いパソコンに感謝した……。感謝という意味では今までで1番かもしれない……。こんな素敵な使い方もできるんだなと思った……。
それから5分くらいで、僕は浄化された。急ぎ足で終わらせた。
でも、終わった後の感想は「こんなもんだったか」というものだった。
昔見たものって美化されてるんだなあ……そう感じた休日の朝だった
男の性欲は食欲に似ていると聞いたことがあるが、その通りだと思う。
基本的には新鮮でおいしいものが好まれるし、その時々で食べたいものは変わる。食べたいものではないと満足できないなんて時もあってしまう。ちょっと手間をかけてでも好物でないと……そんな時が。
特に食欲があまりないときはそうだ。美味しいもの以外では食欲をそそられない。それなのにその美味しいものが自分でも分からない時がある。でも、一度食べたいものが見つかってしまうと、それが食べたくて食べたくて仕方がなくなるのだ……。
僕は今、正にそういう気分であった。何か食べたいものが見つかったから食欲が出てきたのではなくて、ちょっと食欲があるけど何か食べたくなるものがあるかなと家の棚を漁っている感じだった。
常備してある食べ慣れたインスタントラーメンや缶詰、冷凍食品なんかではダメなんだ。もっとデリシャスなものでないと。
それと同じように、あれでもないこれでもないとスマホを操作した。これには一生お世話になると思って保存した画像でも何回か使えば飽きてきてしまう。それもまた食べ過ぎると飽きる食欲と同じである。
探せど探せど見つからなくて……ムラついてはいるけど、徐々に僕の僕も元気を失ってくる。
もういっそ何も見ないで、無感情の処理をしようか。けれど、こんなに悩んだ末に結局そんな形を取るのか。自分に問いかけているとようやく僕のアンテナが電波を受信する。
そういえば、昔見たあの動画ちょーエロかったなあ……。
思い出すと気分は一瞬で変わった。文字通りアンテナのように僕の僕が再び立ち上がる。
自分がいつか見たAVのワンシーン。それが少し脳内でちらついただけで、これしかない、探し求めていたものだと確信する。
その瞬間だけでもう快感があった。別ベクトルの快感だけど、パズルのピースが埋まったような感覚。
僕はベッドの中で態勢を変えて、さっそく検索の方向をシフトした。
確か巨乳の女の人だったと思う。髪は金髪で長くて……本職の人なのか知らないけど少なくとも設定では素人だった。なんかちょっと露出なんかもしちゃったりして……。
少なくとも見たのは半年以上前だった。そんな過去の情報から思いつくことを頼りにその動画を探す。
見つかりさえすれば一瞬でこの無駄な時間を終わらせられる。なのに僕の求める動画はなかなか見つかってくれなかった。似たような動画はたくさん見つかるのにそれだけが出てこない。
似た動画にこんなブスじゃないんだなんて悪口を心の中で言っていると、それらしき動画が関連動画で発見された。
邪魔で無駄に多い広告を跳ね除け、流れるように向かう。
しかし、それをタップするとリンク先では「動画は削除されました」という文字だけがあった……。
もう我慢できなかった。やっと見つかったと思ったのにこの仕打ち。やり場のないモヤモヤが体に生まれる。
そして、それをすぐに解決する方法が1つだけあった。1つだけしかない――。
「昔見たAV 巨乳のやつ」
急いで黒いパソコンを取り出し、その言葉を入力した。
下半身裸のまま布団から出て椅子に座る。
見せたくないものをさらけ出している部屋の中、今ドアを開けられたらとんでもないことになるけど後戻りはできない。
僕は握りながら、動画検索を行った――。
画面が望んだものに、切り替わった時にはもう本当に黒いパソコンに感謝した……。感謝という意味では今までで1番かもしれない……。こんな素敵な使い方もできるんだなと思った……。
それから5分くらいで、僕は浄化された。急ぎ足で終わらせた。
でも、終わった後の感想は「こんなもんだったか」というものだった。
昔見たものって美化されてるんだなあ……そう感じた休日の朝だった
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