100 / 117
word40 「今年 運勢」①
しおりを挟む
僕は年末年始の休みをダラダラと過ごしていた。そして今日は1月3日である――。
クリスマスも大晦日も特にこれといったイベントが無く終わった。外出することも無く、家で家族と少し豪華なご飯を食べながら、色々やっている特番でも見て過ごした。
高校2年生としてはちょっと寂しい過ごし方かもしれないけれど、それはそれで幸せだったし、僕自身は自分が寂しい男だとは思っていなかった。
どんな年のクリスマスや正月も一生に一度だけ。それぞれが一生に一度の体験で、特別。何をしたから勝ちだ負けだなんて無いのだ――。
昔見たドラマでそんなことを言っていたおじさんの言葉を僕はなんとなく心に留めていた。
この年にこうやって家族と過ごすのもまた一生に一度しかできない特別な体験。年越し蕎麦や雑煮を食べて寝て、友達からの面白いあけおめメッセージを見て笑ったり、いくつか女子からもメッセージが届いていたりして喜ぶ。それでいいのだ。
あと、どうしても気になって検索して、折原にまだ彼氏がいないことを確認したことも僕が余裕な理由だった。折原さえ無事なら他がどうでも気にならない……。
年末年始期間中の検索はソシャゲのガチャを引くタイミングとかに使った。年末年始のソシャゲといえば豪華なイベントや、性能が飛び抜けて強い「人権」と呼ばれるキャラの追加で熱いもの。
僕もやっているソシャゲで人権を剥奪されないように、しっかり黒いパソコンに指示された時間でガチャを回した。
あとはお正月の豪華な懸賞に応募したり……。でも、色々当ててやるつもりが途中でめんどくさくなってきて、それらはやめてしまった。
休みなのに何時何分何秒にあれをしなければと考えるのが煩わしかったのだ。ソシャゲのガチャタイミングに至っては神引きの為に深夜に起こされたりしたし、そうやっても結局完璧なタイミングで押せなかったりして、アホらしくなった。
かくして、正月休暇はいつもの休日と変わらなくなった。それよりもちょっとダラダラ度が高いかもしれない。ギターの練習はやっているけれど、筋トレなんかは正月くらい休むかという感じでおざなりになっている――。
「――明日は皆で初詣いくか」
そんな僕も、こんな父の言葉で、今日はついに外へ出ることになっていた。
父が昨日の夜寝る前に家族全員に言ったのだ。明日は朝早くから初詣に行くから全員朝早く起きるようにと。
これは我が家にとっていつものことである。大体1月2日か、1月3日に父がふらっと予定を立てて家族で初詣に行く。
朝早くという予定だったから、家族は皆午前7時には起きた。僕も昨晩は午前1時過ぎくらいまでは起きていたものの、目を擦りながら目覚ましを叩いた。
しかし、朝ごはんの後の休憩や各々の外出準備で気づけば午前9時になっていて、そのくらいの時間にやっと僕ら一家は神社に向かって出発した。これも毎年のことである。
決まって誰かの準備が遅れて、それを見た誰かも――じゃあ自分も遅くていいかと思う。
アホみたいな寒さを嫌がりながらも車に乗り込んで、うとうとしながら車に揺られて……20分ほど…………。
1つ山を越えれば、目的地の神社が見えてくる――。
目的地の神社もまたほとんど毎年行くところであった。ある程度でかい神社で最も近場にある神社、この辺りの人は大体そこへ行くという場所だ。僕の家からは車で20分くらい。それほど遠くない。
僕はそこへ着いて車を降りれば、駐車場に並ぶ車と行き交う人の多さに白い息を吐いた。
分かっていたことだけど、とんでもない人の数である。皆よくこんな朝から人の多い場所に来るなと思う。皆分厚い服を着て鳥居をくぐっていた。
今から僕もあそこへ行って、長い階段を登らなければならないのか。全くもってめんどくさい、今すぐ帰りたい…………とまでは思わなかった。なんだかんだ初詣という行事が嫌いじゃなかったからだ。1年に1回くらい人混みにもまれるのも悪くない……。
「さあ、行きましょ!」
家族の中で唯一楽しそうな母を先頭に僕ら一家は神社に乗り込んだ。
クリスマスも大晦日も特にこれといったイベントが無く終わった。外出することも無く、家で家族と少し豪華なご飯を食べながら、色々やっている特番でも見て過ごした。
高校2年生としてはちょっと寂しい過ごし方かもしれないけれど、それはそれで幸せだったし、僕自身は自分が寂しい男だとは思っていなかった。
どんな年のクリスマスや正月も一生に一度だけ。それぞれが一生に一度の体験で、特別。何をしたから勝ちだ負けだなんて無いのだ――。
昔見たドラマでそんなことを言っていたおじさんの言葉を僕はなんとなく心に留めていた。
この年にこうやって家族と過ごすのもまた一生に一度しかできない特別な体験。年越し蕎麦や雑煮を食べて寝て、友達からの面白いあけおめメッセージを見て笑ったり、いくつか女子からもメッセージが届いていたりして喜ぶ。それでいいのだ。
あと、どうしても気になって検索して、折原にまだ彼氏がいないことを確認したことも僕が余裕な理由だった。折原さえ無事なら他がどうでも気にならない……。
年末年始期間中の検索はソシャゲのガチャを引くタイミングとかに使った。年末年始のソシャゲといえば豪華なイベントや、性能が飛び抜けて強い「人権」と呼ばれるキャラの追加で熱いもの。
僕もやっているソシャゲで人権を剥奪されないように、しっかり黒いパソコンに指示された時間でガチャを回した。
あとはお正月の豪華な懸賞に応募したり……。でも、色々当ててやるつもりが途中でめんどくさくなってきて、それらはやめてしまった。
休みなのに何時何分何秒にあれをしなければと考えるのが煩わしかったのだ。ソシャゲのガチャタイミングに至っては神引きの為に深夜に起こされたりしたし、そうやっても結局完璧なタイミングで押せなかったりして、アホらしくなった。
かくして、正月休暇はいつもの休日と変わらなくなった。それよりもちょっとダラダラ度が高いかもしれない。ギターの練習はやっているけれど、筋トレなんかは正月くらい休むかという感じでおざなりになっている――。
「――明日は皆で初詣いくか」
そんな僕も、こんな父の言葉で、今日はついに外へ出ることになっていた。
父が昨日の夜寝る前に家族全員に言ったのだ。明日は朝早くから初詣に行くから全員朝早く起きるようにと。
これは我が家にとっていつものことである。大体1月2日か、1月3日に父がふらっと予定を立てて家族で初詣に行く。
朝早くという予定だったから、家族は皆午前7時には起きた。僕も昨晩は午前1時過ぎくらいまでは起きていたものの、目を擦りながら目覚ましを叩いた。
しかし、朝ごはんの後の休憩や各々の外出準備で気づけば午前9時になっていて、そのくらいの時間にやっと僕ら一家は神社に向かって出発した。これも毎年のことである。
決まって誰かの準備が遅れて、それを見た誰かも――じゃあ自分も遅くていいかと思う。
アホみたいな寒さを嫌がりながらも車に乗り込んで、うとうとしながら車に揺られて……20分ほど…………。
1つ山を越えれば、目的地の神社が見えてくる――。
目的地の神社もまたほとんど毎年行くところであった。ある程度でかい神社で最も近場にある神社、この辺りの人は大体そこへ行くという場所だ。僕の家からは車で20分くらい。それほど遠くない。
僕はそこへ着いて車を降りれば、駐車場に並ぶ車と行き交う人の多さに白い息を吐いた。
分かっていたことだけど、とんでもない人の数である。皆よくこんな朝から人の多い場所に来るなと思う。皆分厚い服を着て鳥居をくぐっていた。
今から僕もあそこへ行って、長い階段を登らなければならないのか。全くもってめんどくさい、今すぐ帰りたい…………とまでは思わなかった。なんだかんだ初詣という行事が嫌いじゃなかったからだ。1年に1回くらい人混みにもまれるのも悪くない……。
「さあ、行きましょ!」
家族の中で唯一楽しそうな母を先頭に僕ら一家は神社に乗り込んだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる