立派な魔王になる方法

・めぐめぐ・

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その後の話:暴走と妄想の狭間で

第3話 病気

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「そういえばジェネラル様。ミディの侍女はお決めになられたのですか?」

 執務室で共に仕事をしていたエクスが、ジェネラルに尋ねた。書類に目を通していた魔王は、青年の言葉に顔を上げた。

「うん、さっき決まったんだ。きっと今頃、ミディの部屋に挨拶に行ってるんじゃないかな」

 決まる前とは打って変わった明るい口調に、エクスは胸を撫で下ろす。魔王が先ほどまで、中々決まらないと暗い表情を浮かべていたからだ。

 そしてペンにインクをつけると、エクスは肝心な内容を問いかけた。

「で、誰になさったのですか?」

 あのミディに対抗できる神経の持ち主なのだ。エクスが気になるのも頷ける。
 ジェネラルは少し顔を上げると、軽く一言で答えた。

「ユニだよ」

「ユニですか。まああれなら……って、ユニいぃぃ―――!?」

 エクスの叫び声が、執務室に響き渡った。驚きのあまり思いっきりペンをインク瓶に突っ込んでしまい、その反動でインク瓶が倒れた。机の上がみるみるうちに黒く染まっていく。机の上の物全てが黒く染まるのも、時間の問題だろう。
 しかし今のエクスに、そこまで気にする心の余裕はない。

 予想外に衝撃を受けているエクスを見て、ジェネラルが落ち着かせるように声をかけた。

「えっ、エクス! どうしたの!? とりあえず落ち着いて……、インクがっ……」

「ジェネラル様! ユニをミディの侍女にしたという話は、本当ですか!?」

 しかし魔王の言葉に落ち着きを取り戻す事はなく、エクスはジェネラルに掴みかからん勢いで近づく。インクがついて黒くなった両手を強く握り、固い表情でジェネラルを凝視している。魔王を驚かせるに十分な迫力だ。

 エクスの気迫に押され、まるで強要されたかのようにジェネラルは何度も首を縦に振った。

「うっ、うん……。ユニがさっき部屋に来て、ミディの侍女を申し出てさ……。元々ユニはどうかな?って考えていたし、本人もやる気だったから、いいかなって……」

「あれが自らジェネラル様に……」

「何か悪かったかな? 実力的に問題は全くないし。あっ、ユニを侍女にする事、エクスにも1度相談した方がよかったね、やっぱり……」

「いえいえ……、それはユニ自身の問題ですから」

 暗くなった魔王の様子を見て、エクスは慌てて両手を振った。が、不意に思い浮かんだ考えによって、その手の動きが止まった。はっと顔を上げて叫ぶ。

「ユニには病気が……! ミディが危ない!!」
  
「えっ!? ユニが病気!? どういう事、エクス!」

 只ならぬエクスの発言に、ジェネラルは驚きの声を上げ、詳しい説明を求めた。
 しかしエクスは魔王の問いに答えず、執務室を飛び出して行った。
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