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第七話(七)
しおりを挟む(それにしても……)
数拍して、やっとまともに呼吸できた紫流は、首を傾げて思案した。
主の花嫁に、言葉にし難い妙な違和感を覚えるのだ。
たしか、元は姉のほうと契約していたという。だが、事故によって姉妹の霊力が反転したらしい。
双子の反転は珍しくはない。陰と陽の力は、微妙な均衡を保っているからだ。ゆえに、なんらかの外部からの作用でそれが崩されることもある。
それは、白龍と黒龍にも当てはまるのだ。
(花嫁の反転が、光河様に悪い影響を及ぼさないと良いが……)
春菜からは嫌な『気』が漂っている感覚がある。
はじめは彼女の刺々しい性格から感じるものかと思ったが、なにかがおかしい。黒龍の闇の神力とも異なる、異様な気配がある気がする。
大体、神の居場所に来て神の加護の食物を口にできないこと自体が不可解だ。
夫婦は一心同体。少しのずれもあってはならないのだ。
実際に、人間が神の世界に足を踏み入れたばかりの頃は霊気が安定しないのだが、生命力の源である神の食物を拒否するとは。
(悪い予感がする……)
本来なら主と同様に誠心誠意仕えないといけない花嫁だ。だがしかし、彼女に深入りしては危険なのではと、彼は嫌な予感が拭えなかった。
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