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第八話（四）
しおりを挟む「くそっ！」
誰もいない祠の前で、夏純はドンと強く拳を地面に叩き付ける。悔しそうにギリギリと歯ぎしりをして、盛大に舌打ちをした。
途轍もない屈辱だった。
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大体、霊力を失って無能に成り果てた秋葉のほうが悪い。あれのせいで四ツ折家の名誉が一時的に失墜してしまったのだ。
春菜の皇族との婚姻の破断、霊力者の総会幹部への道も絶たれ、金の工面も苦労して……。
あの娘のせいで己の計画が全て狂ってしまった。無能以外に言い表しようがないではないか。
「はぁ…………」
彼は体内の残留している怒りを吐き出すように、長いため息をつく。
とんだ時間の無駄だった。あんな愚かな者たちに頼った自分が馬鹿だった。
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