【完結】黒の花嫁/白の花嫁

あまぞらりゅう

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第十一話 驕れる者の結末(一)

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「――つまり、憂夜ゆうや龍泉りゅうせんへ十分な神力しんりょくを流さなくなったから、里に被害が及んでいるのね?」

 秋葉は公平に夫と父からそれぞれ話を聞いて、やっと今の状況を理解した。
 彼女は眉根を寄せてじっと憂夜を見る。

「呆れた。神様がなんでそんなみみっちい嫌がらせをするのよ」

「っ……」

 妻から批難されて、憂夜は衝撃で凍り付いた。反対に娘が味方に付いてくれた夏純かすみは、ニタリと嫌らしい笑みを浮かべる。

「あ、秋葉……さ、ん…………?」

 憂夜はかろうじて妻の名を呼ぶが動揺は激しく、今にも消え入りそうな掠れた声しか発せられなかった。肉体を下界に留めているのもやっとで、ふらふらと揺れながら徐々に身体が透明になっていく。

 しかし、秋葉はそんな可哀想な夫など意にも介さずに、厳しく言い放った。

「私は、人間に被害が及ぶのは嫌だわ。私怨で無関係な人々を傷付けるのは違うと思うの」

「……」

「だから、憂夜はすぐに元に戻す。話はこれでおしまい」と、秋葉は淡々と述べると、消えかかっている憂夜の手を取った。

「さ、帰るわよ」

 そして父の存在など無視するかのように、夫を連れてその場を離れた。

 ぽつねんと、夏純だけが取り残される。

「はは……」

 彼は脂汗を袖で拭いながら、乾いた笑いを零した。
 あの無能娘もたまには役に立つものだ。むしろ、初の親孝行なのかもしれない。

 いずれにせよ、自分は勝ったのだ。
 あの生意気なおとこに。


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