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第十一話(五)
しおりを挟む「さっさと散るのだな」と、彼が踵を返した折も折、
――ドン!
にわかに、里の外れの森からけたたましい爆発音がした。
すると、バリバリと深いひびが入る音、烏の大群が大声で鳴きながら一斉に飛び立つ音、竜巻のような強烈な突風、突然の雷雨。
全てが同時に巻き起こった。
その場の全員が呆気に取られて遠くの山々を見つめていると、
「ぐあ……ああぁぁ……!」
突如、四ツ折の当主が胸を掻きむしりながら跪いた。
(なんだこれは……!)
身体中が熱い。肉体の核が、溶岩に変化してしまったかのようだ。
血管の隅々までどろりと熱いものが伝わっていっている。心臓も、喉も、脳味噌も……焼かれていくのを感じる。
「うっ……うあ…………」
彼はこの灼熱の正体を察していた。
黒龍の神力だ。
長女を通じてあの神に神力の放出を再開させてから、これまでの数倍もの力が流れ込んできた。
それがあまりに多すぎて、夏純の霊力の器を超え、ついに決壊してしまったのだ。
あの大音声の正体は、四ツ折の里の結界の崩壊だった。
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