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第十七話(五)
しおりを挟むそれは、自戒の意味も込められていた。
秋葉もまた、霊力が消えるまでは『特別な子』として育てられてきた。
彼女は妹ほど驕り高ぶった態度は取らなかったが、己が他者よりも優位な存在だとは自覚をしていた。
振り返ると、知らず知らずのうちにそれが言動に現れていたのかもしれない。
それだから、霊力が消えた瞬間に周囲から人が離れていったのだと猛省した。
妹が周囲に対して不遜な態度を振り撒く様子を見て、このままではこの子も一人ぼっちになるかもしれないと思った。
なので、いくら疎まれたり嫉妬だと笑われたりしても、注意は止めなかった。
(でも……。春菜には全く通じなかったのね……)
寂寥感が、彼女の肩に重くのしかかっていく。
これも霊力のせいだろうか。いつの間にか大事な妹と意思疎通ができなくなってしまったのが、彼女の一番の後悔だった。
「……るさい…………」
次の瞬間、春菜がゆらりと左右に揺れたと思ったら――、
「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいっ!!」
彼女の全身から、雪崩のように黒い影が一気に飛び出してきた。
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