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第十九話(六)
しおりを挟む春菜だったものが、一つずつ黒龍が打った楔を外していく。憎しみはますます増大して、影の闇が深く大きくなった。
「こうなったら……」
秋葉はすうっと大きく息を吸って、ゆっくりと吐き出した。そして、身体中を巡るありったけの霊力を右手の拳に集める。
「はああぁぁぁぁっ!!」
ドンと鈍い音が鳴り響いて、鱗の障壁が一瞬大きく揺れた。
「な、なにをしているんだい?」
その姿を、若干引き気味に見つめている光河。人間より長く生きている彼でも、こんな乱暴な女性を見るのは生まれて初めてで、目を疑った。
「気の力が無理なら、物理でこじ開けるまでよっ!! 霊力で肉体を強化すれば、なんとか……!」
「ぼくも手伝う!」
すると白銀が秋葉の懐から出てきて、
「たああぁぁぁっ!」
いつの間にかくすねていた、白龍の宝玉を壁に向かって思い切り投げ付けた。
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