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◆
アルベルトの変化は、ディアナを困惑させた。
これまでの二人の会話は基本的に嫌味の応酬だった。
だから、きちんと正面から向き合ったことなんて一度もなかったのだが――……。
「ディアナ嬢、お手を」
「あ、ありがとうございます……」
今日もアルベルトが馬車を降りるディアナをエスコートしている。
未だに慣れない彼女は、彼と手と手が触れ合った瞬間にじゅわっと焼けるような感覚が走るのだ。
公爵と伯爵令嬢の婚約が公になって以来、アルベルトは騎士団本部まで毎日送り迎えをしていた。
最初は彼女は拒否したが、「ならば10人の騎士を護衛につける」と彼が主張してくる。
さすがに騎士団に所属している人間が多くの騎士から守られるのは恥だと、渋々受け入れたのだ。
「別に、私は一人でも大丈夫ですのに……」と、ディアナは不満そうに口を尖らせる。「それに、王宮からの護衛は一人でした」
「前も言ったはずだ。君の今の立場は危ういと。婚姻まで油断しないほうがいい」
「ですが……」
「私は君の婚約者だからな。これくらい当然だ」
アルベルトはふっと優しく目を細める。
婚約してから、よく見るようになった顔。その柔らかいな表情を見ると、ディアナはなぜかいつも急激に感情が揺さぶられてしまう。
二人の間に沈黙が落ちる。それはハインリヒの時とはちょっと違った沈黙だった。
あの頃はこの静寂が穏やかで、安心するような、何も感じないような……。それは特に心が上下しないものだった。
でもアルベルトとの沈黙は、まだぎこちなくて。
静かになる度にディアナの胸が高鳴って、自分でもどうしようもならない気持ちになってくる。
アルベルトの変化は、ディアナを困惑させた。
これまでの二人の会話は基本的に嫌味の応酬だった。
だから、きちんと正面から向き合ったことなんて一度もなかったのだが――……。
「ディアナ嬢、お手を」
「あ、ありがとうございます……」
今日もアルベルトが馬車を降りるディアナをエスコートしている。
未だに慣れない彼女は、彼と手と手が触れ合った瞬間にじゅわっと焼けるような感覚が走るのだ。
公爵と伯爵令嬢の婚約が公になって以来、アルベルトは騎士団本部まで毎日送り迎えをしていた。
最初は彼女は拒否したが、「ならば10人の騎士を護衛につける」と彼が主張してくる。
さすがに騎士団に所属している人間が多くの騎士から守られるのは恥だと、渋々受け入れたのだ。
「別に、私は一人でも大丈夫ですのに……」と、ディアナは不満そうに口を尖らせる。「それに、王宮からの護衛は一人でした」
「前も言ったはずだ。君の今の立場は危ういと。婚姻まで油断しないほうがいい」
「ですが……」
「私は君の婚約者だからな。これくらい当然だ」
アルベルトはふっと優しく目を細める。
婚約してから、よく見るようになった顔。その柔らかいな表情を見ると、ディアナはなぜかいつも急激に感情が揺さぶられてしまう。
二人の間に沈黙が落ちる。それはハインリヒの時とはちょっと違った沈黙だった。
あの頃はこの静寂が穏やかで、安心するような、何も感じないような……。それは特に心が上下しないものだった。
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静かになる度にディアナの胸が高鳴って、自分でもどうしようもならない気持ちになってくる。
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