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「あぁ、そうだ」
アルベルトは彼女の感情を知っているのか知らないのか、何事もないように涼しい顔で言う。
「来月の王太子殿下の結婚式だが、ドレスを贈るよ。ぜひ着てくれないか?」
「……」
ディアナは目を丸くして、一瞬だけ動きを止めた。
無反応な婚約者に、アルベルトが顔を曇らせる。もしかして、嫌だったのだろうか。
「あぁ」
ややあって、彼女は思い出したように顔を上げた。
「そう言えば、来月は王太子殿下の結婚式でしたね。すっかり忘れておりました」
「……」
彼女の予想外の反応に、彼は目をしばたく。
「……一応、君の元婚約者だろう?」
そして呆れたように苦笑いをしてみせた。
「本当に忘れていたのです。強がりなどではなく」
実際、ディアナの頭の中からハインリヒの存在は徐々に薄れていっていた。
王太子の結婚式も、多忙な日々の中のお決まりの行事の一つみたいな感覚で。
切ない失恋の感情ではなく、安堵とか、肩の荷が降りたような。
まるで異国へ旅立つ家族の健闘を祈りながら、爽やかな気分で見送るような。
そんな気持ち。
「……ドレス、楽しみにしていますね」
この感情は、アルベルトへの感情と何かが違うと思った。
それが何かは、まだ分からないけど。
アルベルトは彼女の感情を知っているのか知らないのか、何事もないように涼しい顔で言う。
「来月の王太子殿下の結婚式だが、ドレスを贈るよ。ぜひ着てくれないか?」
「……」
ディアナは目を丸くして、一瞬だけ動きを止めた。
無反応な婚約者に、アルベルトが顔を曇らせる。もしかして、嫌だったのだろうか。
「あぁ」
ややあって、彼女は思い出したように顔を上げた。
「そう言えば、来月は王太子殿下の結婚式でしたね。すっかり忘れておりました」
「……」
彼女の予想外の反応に、彼は目をしばたく。
「……一応、君の元婚約者だろう?」
そして呆れたように苦笑いをしてみせた。
「本当に忘れていたのです。強がりなどではなく」
実際、ディアナの頭の中からハインリヒの存在は徐々に薄れていっていた。
王太子の結婚式も、多忙な日々の中のお決まりの行事の一つみたいな感覚で。
切ない失恋の感情ではなく、安堵とか、肩の荷が降りたような。
まるで異国へ旅立つ家族の健闘を祈りながら、爽やかな気分で見送るような。
そんな気持ち。
「……ドレス、楽しみにしていますね」
この感情は、アルベルトへの感情と何かが違うと思った。
それが何かは、まだ分からないけど。
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