強く、咲く。※不定期掲載

zakura

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中庭。

駆け足できたからか息があがる。

呼吸を落ち着かせた。

するとぽこんっとメッセージがきた。

確認すると流星から一言。
『ナイス』

おもわずかちんときて、突っ込む。

「何がナイスじゃ」

ギリギリ教室から逃げ切ることができた。

まどかの話しきるのに時間をとってしまった。

ごめん。まどか。

息は落ち着かない。

「きっつー、」

汗が髪からじわりと出てくるのがわかって
前髪を掻き分けた。

かつらが外れたがしっかりともつ。

授業開始のチャイムがなった。

さっきも授業サボって、この時間もいけない。

今日授業サボってばっかりだなぁ

全然普通の女じゃないわ。

しかも授業サボってもすることがない。

京都や家にいるときはする仕事があるからいいけど、それを学校に持ち込んでるはずもなく、暇だ。



こんなときは、電話しようかな

思い立ったらすぐにスマホを開いて電話をかけた。

ぷるるるー、っ

ワンコールですぐでる。

電話口では明るくゆったりした声が響いてくる。

『はーい、咲ちゃんだよぉー、いとちゃん?今は授業中ではー?』

咲也は基本学校でもパソコンいじってるからこの時間は電話に出るってわかる。

私は芝生に寝転んだ。

「あー、咲也、ずっとしゃべってて、暇だから」

咲也は笑いながら答える。

『んもー、俺忙しいのよー、』カタカタ

だよねぇ、

昨日調べてほしいこといったし、わたしたちがいないぶんの仕事は咲也に回されるし、

「ごめんー」

『いいけどぉー『誰?』琉生斗だよー、かなちゃん暇だよね?『まー、暇やけど』じゃ、ちょっと話しててーぷっ、、、ーるいと?』

咲也が消えて、湊がでてきた。

もうこのさいだれでもいい。

「湊、暇すぎる」

『サボってんのか、』

湊は私の第二のあにてきそんざいだ。

話し相手ができたのでとりあえず今のことをはなす。

「やばい。身バレしそう、てか、目ぇつけられる。」

『ははは、同じ族なら頭もそこそこいいか』

「まー、そうやね。上手くいったと思ったのよ」

『あー、お前調子乗りすぎるとこあるからなぁー』という声が聞こえてそれに突っ込もうとしたとき

「上手くいったと思ったのか?」

「え?」

電話口とは違う声、

目を積むっていたため

目を開けると目の前には茶髪の肩まで伸びたかみ。

長いまつげ。

これは、………、立花 美王だ。

背筋が凍ったとともに頭が回転し始める。

いまはーーー

いますべきは、

『るいと?どーした?るいっーーーぷーっ』

電話を切って、情報をとられないようにする!

ごめんね、湊!

私は電話を切って、寝ているからだを起こした。

「………」

沈黙のまま、みつめあう。

口を開いたのは立花 美王だった。

「地味な女と聞いていたが、、全然違うな」

私ははっとする。

やべ、髪かきあげてた!

しかし、反応したら負け。

ポーカーフェイスを決め込む。

「…………、」

立花 美王は少し笑うと一人で話し出す。

「健太郎を上手く利用したな」

「………………、」

「だんまりか?」

「……………、」

どうやったら、乗りきれる。

たぶん、きゃぴきゃぴはきかない。

篝の話を聞いたはずだ。

どうすれば、、


私は、口を開いた。

「とりあえず、離れてもらえませんか?」

直球でいく。

立花美王は距離をとろうとしない。

そのままぐいっと近づいてきた。

「いやだ。といったら?」

「叫びます。」

「叫べばいい。みんなが注目したなかで宣言してやろう。今日から俺の女だと。」

……………、おいおいおい、

どーいう風の吹きまわ、

ちゅっ

頭がフリーズした。

一瞬。

「っ!」

おい、

そのまま口のなかを蹂躙される。

ちゅく、、、ちゅ、、、くちゅっ

「んっ、、、んんんっ、んふぅ、ん」

不意打ちでキス多すぎる。

私は恋愛なんて望んでないっつーの。

マジかよ、くそ、ここで蹴ったら終わり。

どーすれば。

私はひらめいて、てを振りかざした。

ぱしんっ!

立花美王は驚いたように唇から離れた。

「っ!」

私はきめた。

興味持たれたら仕方ない。

強気な女でいく。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、離れてって言ってるでしょう。」

やったのは平手打ち。

立花は静かに離れた。

私のとなりに座ると

不適な笑みを浮かべる。

鳥肌がたつ。

距離をとりながら、恐る恐るたずねた。

「………なによ」

「叩かれるなんて、はじめてだ。」

「そりゃどーも」

「なぜ、俺らとかかわり合いたくない」

「なんで、そういう考えに至ったんですか?」

そう、完璧だった。

完璧に篝を欺いて、、、、。

「それは、、


俺と付き合うと言えば教えてやる」



、、このやろう、、!!

私は立ち上がった。

下から立花美王を見下ろすと、顔をしかめたままいってやった。


「っ!けっこうですっ!」















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