21(仮)※不定期掲載

zakura

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7月22日 水曜日 朝

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ーーー目が覚めた。

肩まで伸びきった灰色の髪が邪魔くさい。

窓からは日が入ってきていた。

つくえのうえにおいてあった大量のお酒のかんはなくなっていた。

その代わりというように一通の手紙。

ボーッとする頭でその手紙を見る。

はがきは二枚あった。

一枚目は同窓会の案内。

日にちを見ることなくはがきをぐちゃぐちゃに丸め込んでゴミ箱の方へ投げた。

きれいにはいった。

二枚目ーーーーー

喉がひゅっ。となるのがわかった。

宛名を見ただけで背筋が凍りそうになる。

俺は一人、つぶやいた。

「いいかげんにしろ」

その声は誰にも届かない。

内容をしっかり読んだ上で吐き気を催してトイレに駆け込む。

「げほっ。げほ」

咳き込みながらしばらく便器に寄りかかっていた。

二枚目のはがきもぐちゃぐちゃに丸め込んでゴミ箱にすてた。

なにも間違っていない。

俺らのやっていることになにも問題はない。

はずなのに、、

奥の部屋にとぼとぼとあるいていった。

部屋は俺のすすり泣く声しか聞こえなかった。









「黒(こく)。」

気づいたら頭を撫でられていた。

ぼーっとしたまま俺の頭を撫でている灰(ぐれい)をみる。

奥の部屋は薄暗くて何があるかわからないがナニかにもたれ掛かって寝ていたようだ。

灰がきているということはもうゆうがた。

俺ははっとしてもたれ掛かっていたナニかに目を向けた。

ナニかの横には多くの機械がおいてある。

静かにピッ、ピッ、と人間の鼓動を表す機械が光って動いていた。

それをみて黒はほっとした。

灰はその様子を見てため息をついた。

「黒。手紙見たんだ」

「いいかげんにしろ」

先程の消えていった言葉を繰り返す。

灰はただ、黒の頭をなで続ける。

「まだ。まだだ」

「うん」

ナニかを見つめながら黒はいった。

それにうなずく灰。

どこかいつもと違う空気。




一時間すると白(はく)が部屋に入ってきた。

「ここにいたんだ」

黒の頭をなで続けている灰の隣に白が腰を下ろした。

灰はちらりと見ると「おかえりー」とつぶやいた。

白は「ただいま」と小さく呟くと、ナニかにも「ただいま」とつぶやいた。

ナニかから返事がするわけではない。

ただ、静かな時間が流れたあと、灰はなで続けていたてを離して立ち上がった。

「ごはん、たべよ」

唐突な言葉。

しかし黒は立ち上がった。

「たべる」

白もそれをみて優しく笑ってたつ。

「俺が作るんだからね」

そのまま、白は部屋を出てキッチンへと向かっていく、それについていく灰。

黒はたったまま、ナニかに触れた。

寂しそうに笑う。

涙を一粒流して、言葉を紡いだ。

「ごめん。ごめんね。」






寂しいことや悲しいことがあっても三人はいつものように夜を紡いでいく。

三人は自分達が作り出す静寂が嫌いじゃない。

三人は好きな食べ物も趣味もバラバラである。

唯一合ったのは





選ぶ友達。だった。



同じ闇をもつ三人は今日も夜を紡いでいく。

夜はこれからだ。
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