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7月21日 火曜日
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森の奥にある一件の家。
今日も三人は集まる。
スーツをきくずして、ビールを片手にまるでおっさんのような風貌の灰(ぐれい)。
すでに机にうっつぷしている黒(こく)。
灰の話に笑顔で答える白(はく)。
つくえのうえにはたくさんの空き缶。
空き缶のしたじきになっている白いはがきをみつけて白は引っ張り出す。
そこには同窓会の案内が書かれていた。
白はぼーっとして見つめていると灰が声をかける。
「どーそーかい?」
白はかかれている方を見せる。
灰は「もうみたからい」とつぶやいた。
静かになる。
白は灰に声をかけた。
「いくの?」
灰はぼーっとしている。
白はキッチンから水を持ってきて私ながらもう一度いった。
「いくの?」
白から水を受け取った灰は水を一気に飲み干した。
目は覚めたようだ。
白を見つめてにやりとする。
「白は?」
白の答えは決まっていた。
「灰がいくならいくよ」
「なーるほど。」
白は言葉を続ける。
「黒はいかないでしょ。
別に一晩ぐらい俺がここにいてもいいのに」
灰はため息をついた。
黒を指差す。
「こいつが、ここから離れるわけないでしょ」
白は困ったように笑った。
「いきたいなら、さ。行ってもいいよってことだよ。」
灰は「それはないよ」と寂しそうにいいながら酒を飲んだ。
そして白にいう。
「いこ。どーそーかい。」
女王様みたいだな、と思いつつ、返すことばはひとつしかないと白は返す。
「よろこんで。おともしまーす」
これは従者だな。と少し面白くなった。
何ヵ月ごかの同窓会。
会場についたら昔の友達と一緒にいるかもしれないけど、灰とはほとんど離れないだろう。
いつもいる面子だがいると安心する。
そういう面子だ。
かこんっ。
ちょうど静かになった頃
ポストに手紙が入る音がした。
こんな夜中に来る手紙の送り主は二人にとってわかっている。
だから手紙を見るのはまた明日。
だってその手紙は自分達にとっていいものではないとわかっているから。
辛いものほど後回しにしたくなる。
現実逃避したくなる。
明日はしっかり向き合うから、
現実と向き合うから。
ただ、今だけは楽しいことを。
三人で楽しい夜を。
今日も三人は集まる。
スーツをきくずして、ビールを片手にまるでおっさんのような風貌の灰(ぐれい)。
すでに机にうっつぷしている黒(こく)。
灰の話に笑顔で答える白(はく)。
つくえのうえにはたくさんの空き缶。
空き缶のしたじきになっている白いはがきをみつけて白は引っ張り出す。
そこには同窓会の案内が書かれていた。
白はぼーっとして見つめていると灰が声をかける。
「どーそーかい?」
白はかかれている方を見せる。
灰は「もうみたからい」とつぶやいた。
静かになる。
白は灰に声をかけた。
「いくの?」
灰はぼーっとしている。
白はキッチンから水を持ってきて私ながらもう一度いった。
「いくの?」
白から水を受け取った灰は水を一気に飲み干した。
目は覚めたようだ。
白を見つめてにやりとする。
「白は?」
白の答えは決まっていた。
「灰がいくならいくよ」
「なーるほど。」
白は言葉を続ける。
「黒はいかないでしょ。
別に一晩ぐらい俺がここにいてもいいのに」
灰はため息をついた。
黒を指差す。
「こいつが、ここから離れるわけないでしょ」
白は困ったように笑った。
「いきたいなら、さ。行ってもいいよってことだよ。」
灰は「それはないよ」と寂しそうにいいながら酒を飲んだ。
そして白にいう。
「いこ。どーそーかい。」
女王様みたいだな、と思いつつ、返すことばはひとつしかないと白は返す。
「よろこんで。おともしまーす」
これは従者だな。と少し面白くなった。
何ヵ月ごかの同窓会。
会場についたら昔の友達と一緒にいるかもしれないけど、灰とはほとんど離れないだろう。
いつもいる面子だがいると安心する。
そういう面子だ。
かこんっ。
ちょうど静かになった頃
ポストに手紙が入る音がした。
こんな夜中に来る手紙の送り主は二人にとってわかっている。
だから手紙を見るのはまた明日。
だってその手紙は自分達にとっていいものではないとわかっているから。
辛いものほど後回しにしたくなる。
現実逃避したくなる。
明日はしっかり向き合うから、
現実と向き合うから。
ただ、今だけは楽しいことを。
三人で楽しい夜を。
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