篤さんの転生異世界生活

かいむ

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街まで パート2

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結局それから何分経っただろうか?

生き物の音が止み、穴の中は静まりかえっている。聞こえるのは自分の足音だけだ。足元が少し濡れているためピチャピチャと音がする。歩いても歩いても穴の外に出ることはできない。体力に自信があるからよかったが、もし俺がサッカーをやっていなければ、もしかしたらもうここで体力が尽きていたかもしれない。

そんなことを考えながら歩いていると前の方に光が見えてきた。

やっと出口か⁉︎よかった安心したよ、いつまでこの暗闇が続くのかと思ったじゃねえか。

独り言を呟き、光の差す方へむかって行く。

ちゅんちゅん

鳥っぽい鳴き声が聞こえる。久しぶりに太陽を浴びることができて俺は今非常に気分がいい。

まわりを見渡すと向こうのほうに川が流れている。どうやら獣人の子たちの言ったことは本当だったようだ。

しかし誰にも会わないな。獣人の子たちと別れてから自分と会話できる生物に会えていない。それどころか会ったのは俺の嫌いなコウモリらしき飛行生物とカサカサと音を立てる姿すら認識できない小さな生き物だけだ。本当にあれらは勘弁してほしい。

ひとまず川に行って水を汲もう。それから街に向かうことにしよう。

川で水を汲むためには、橋のような太い木の枝を渡る必要があるみたいだ。茂みをかき分け、俺は例の木の枝の前にたどり着く。

木の枝を渡ろうと試みるも、この枝思ったより細い気がするのは俺だけだろうか?遠目から見た時はそんなに細くは見えず、むしろ太くて、長さのあるものと見受けられたが、実際目の前に立ってみると全然そんなことはなかった。

正直言ってこれを人間が渡るのは困難であると俺の心が叫んでいる。川幅は俺が見立てるに、50m前後はあるのではないかと考える。これを渡り切るのは相当厳しい。さらに、今俺が立っている場所はそれほど流れははやくないが、10mか20m先から急に流れが早まっている。もし流されたりしたら2度と街にたどりつけない場所まで流されてしまうかもしれないし、場合によっては死ぬ可能性だって考えられなくもない。

ただまずはこの木を渡ってみるのが得策だと俺は考える。俺の考えでは、最初から泳いで渡るより、途中から木を渡れないと思ってから川に飛び込んで川を渡る方が、肉体的疲労を抑えられるのではないかと考えたからだ。

いちおう近くにツタみたいなやつがあるのでそれを使おうと思う。近くにある切り株と木の出っ張りの部分を結べば、川と川岸の行き来がしやすくなるからだ。

とりあえずツタみたいなやつで木と切り株を結ぶことはなんとかできた。これくらい頭が回るのはやはり俺が天才だからだな。誇らしげに、結んだ木の前で仁王立ちをする。

さあ、やっとこれから木を渡ろうと思う。正直自信はある。サッカーで培った体幹があるし、俺は水泳も得意だからだ。意気揚々と枝に向かって足を踏み出す。
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