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騎士への道
ベルヘイムへの旅立ち2
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「でだ……さっきから、似たような景色の場所をグルグルと回っているようにしか思えないんだが……本当に、道あってんだろうな?」
「まぁ……オレも始めて歩く道っちゃ道だからなぁ……方角は合ってる筈だから、大丈夫だろ」
航太の不安など気にもせず、ガラードは豪快に笑いながら話す。
「あの、ごめんなさい。私、少し疲れちゃった……」
「そうね……少し休みましょうか。でも、夜になる前には森を抜けたいわね……」
体力のない美羽を気遣かって、ニミュエは声をかける。
体力がないというより、そもそも美羽は長距離を歩くような格好ではない。
「美羽さん、少し座りましょうか? 神剣の力を使えば、少し楽になると思うわ」
切株に腰掛けた美羽の足に、智美が水の力を集めていく。
「私、足手まといですよね? ごめんなさい……」
「そんな事ねぇよ。その格好で……ヒールのある靴で、むしろ頑張って歩いてる。流石は、看護師の卵だな」
航太は太い木に背中を預けながら、美羽の足を見る。
美羽の履いている靴は、高くはないがヒールがついており、とても森の中を歩き回るような代物ではない。
「智美さん……ありがとうございます。凄く足が楽になってきました。なんか、看護師の勉強してるのが馬鹿らしくなってきちゃうな……」
「そんな事ないよ。確かに神剣や神器の力は、人の傷や疲れを癒す物もあるわ。でも、看護師さんは人の心も癒してくれる……とっても大切な仕事……だからこそ、カズちゃんも目指したんだと思う」
智美の優しい笑顔に落ち着きを感じながら、美羽はポケットから赤い石を取り出すと、それを少し眺めてから胸の前で握り締める。
「ミワちゃん、それ……航ちゃん、ひょっとしたら……」
「ああ……すまん、ちょっと見せてくれないか?」
航太の言葉に美羽は少し戸惑うが、ゆっくりと絵美に赤い石を手渡した。
「やっぱり……これ、ティアさんの……」
「ああ……ロキと戦っていた時に、一真の胸で光っていたティアさんのペンダントに嵌め込まれていた石に似てるな……」
吸い込まれそうな……新品的な輝きの石……
光の加減で色が変わる赤い石は、見間違える筈もない。
「その石は、一真くんから借りたんです。私が実習で辛かった時に、その石を握ると心が落ち着くからって……」
美羽は実習中に、担当していた患者に嫌われてしまった事があった。
それが原因で実習グループのメンバーからも足手まといと言われて、イジメのような事をされていた時期がある。
その時、一真に声をかけられた……その石を握ってごらん……そう言われて手渡された。
石を持った瞬間、黒く淀んだ心が晴れやかになった事を覚えている。
それ以来、何かあると赤い石を握り締める癖がついてしまった。
「心が落ち着く……か。効果も一緒だな。やっぱり、この石が鍵なのか?」
「そうだね……そして、きっとカズちゃんもアクアも知ってたんだろうね……」
鳳凰天身……伝説の7国の騎士でも、数秒で心が破壊された凰の目を持つ者の最強形態……
一真は、ロキの神槍を弾き飛ばすまで使い続けた。
自分の力と、ティアのペンダントの力を信じて……
「やっぱり、カズちゃんは凄いよ。光の神の生まれ変わりとか、関係ない。自分の心が失うリスクを知っていても、友達の為に……悔しいけど、私には出来ないなぁ……」
航太から受けとった石を、智美は美羽に返しながら呟く。
「なんか、大切な物だったんですね……これ、私が持っていてもいいのかな? 皆さんが持っていた方が……」
「ごめんなさい。でも、それは美羽さんがカズちゃんから渡された物なんたから、美羽さんが持っていて」
智美は、美羽に笑顔を向けると立ち上がる。
「そいつは、一真の心を取り戻すのに必要かもしれねぇ……その時が来たら、一真に返してやってくれないか?」
「もちろんです! あの……色々と、ごめんなさい。私……本当に失礼な態度をとっていたと思います。皆さんの想いも覚悟も知らないで……」
首を垂れて、本当に申し訳ないといった表情を見せる美羽の肩に、智美の手がそっと触れた。
「こんな世界があるなんて、信じる方が無理なんだから気にしないで。今の美羽ちゃんの気持ち……本当に嬉しいわ。改めて、カズちゃんの為に力を貸して……」
「はい! 私こそ、よろしくお願いします! 頑張ります!」
美羽は、勢いよく立ち上がる。
「もう、大丈夫そうだな。じゃあ、行くか。早く森を出たいしな」
「早く森を抜け出すって? 時間食ってるのは、カラードが案内役として使えねーからだと思うが……夜になる前に、抜け出せるのかねぇ……」
歩き出そうとするガラードの肩を抱き、航太が不安そうな声を出す。
「ガラード……女性が多いんだから、野営は嫌よ」
「そーだそーだ! お風呂も入りたいんだから、ちゃんとした宿をとってよ!」
「でしゅよ~」
ニミュエと絵美と……おまけにガーゴにも突っつかれたガラードは、頭を掻きながら渋い顔をする。
「……まぁ、頑張って歩こうぜ! 宿に泊まりたい気持ちは、オレも同じだ!」
「ちょっと、今の一瞬の間は何よ! 本当に大丈夫なのかしら……」
歩き出したガラードの後ろ姿に、不安な視線を向ける智美……
そしてガラード達が休憩していた場所の近くでは、フィアナ騎士団が夜営地を設置しようとしていた……
「まぁ……オレも始めて歩く道っちゃ道だからなぁ……方角は合ってる筈だから、大丈夫だろ」
航太の不安など気にもせず、ガラードは豪快に笑いながら話す。
「あの、ごめんなさい。私、少し疲れちゃった……」
「そうね……少し休みましょうか。でも、夜になる前には森を抜けたいわね……」
体力のない美羽を気遣かって、ニミュエは声をかける。
体力がないというより、そもそも美羽は長距離を歩くような格好ではない。
「美羽さん、少し座りましょうか? 神剣の力を使えば、少し楽になると思うわ」
切株に腰掛けた美羽の足に、智美が水の力を集めていく。
「私、足手まといですよね? ごめんなさい……」
「そんな事ねぇよ。その格好で……ヒールのある靴で、むしろ頑張って歩いてる。流石は、看護師の卵だな」
航太は太い木に背中を預けながら、美羽の足を見る。
美羽の履いている靴は、高くはないがヒールがついており、とても森の中を歩き回るような代物ではない。
「智美さん……ありがとうございます。凄く足が楽になってきました。なんか、看護師の勉強してるのが馬鹿らしくなってきちゃうな……」
「そんな事ないよ。確かに神剣や神器の力は、人の傷や疲れを癒す物もあるわ。でも、看護師さんは人の心も癒してくれる……とっても大切な仕事……だからこそ、カズちゃんも目指したんだと思う」
智美の優しい笑顔に落ち着きを感じながら、美羽はポケットから赤い石を取り出すと、それを少し眺めてから胸の前で握り締める。
「ミワちゃん、それ……航ちゃん、ひょっとしたら……」
「ああ……すまん、ちょっと見せてくれないか?」
航太の言葉に美羽は少し戸惑うが、ゆっくりと絵美に赤い石を手渡した。
「やっぱり……これ、ティアさんの……」
「ああ……ロキと戦っていた時に、一真の胸で光っていたティアさんのペンダントに嵌め込まれていた石に似てるな……」
吸い込まれそうな……新品的な輝きの石……
光の加減で色が変わる赤い石は、見間違える筈もない。
「その石は、一真くんから借りたんです。私が実習で辛かった時に、その石を握ると心が落ち着くからって……」
美羽は実習中に、担当していた患者に嫌われてしまった事があった。
それが原因で実習グループのメンバーからも足手まといと言われて、イジメのような事をされていた時期がある。
その時、一真に声をかけられた……その石を握ってごらん……そう言われて手渡された。
石を持った瞬間、黒く淀んだ心が晴れやかになった事を覚えている。
それ以来、何かあると赤い石を握り締める癖がついてしまった。
「心が落ち着く……か。効果も一緒だな。やっぱり、この石が鍵なのか?」
「そうだね……そして、きっとカズちゃんもアクアも知ってたんだろうね……」
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自分の力と、ティアのペンダントの力を信じて……
「やっぱり、カズちゃんは凄いよ。光の神の生まれ変わりとか、関係ない。自分の心が失うリスクを知っていても、友達の為に……悔しいけど、私には出来ないなぁ……」
航太から受けとった石を、智美は美羽に返しながら呟く。
「なんか、大切な物だったんですね……これ、私が持っていてもいいのかな? 皆さんが持っていた方が……」
「ごめんなさい。でも、それは美羽さんがカズちゃんから渡された物なんたから、美羽さんが持っていて」
智美は、美羽に笑顔を向けると立ち上がる。
「そいつは、一真の心を取り戻すのに必要かもしれねぇ……その時が来たら、一真に返してやってくれないか?」
「もちろんです! あの……色々と、ごめんなさい。私……本当に失礼な態度をとっていたと思います。皆さんの想いも覚悟も知らないで……」
首を垂れて、本当に申し訳ないといった表情を見せる美羽の肩に、智美の手がそっと触れた。
「こんな世界があるなんて、信じる方が無理なんだから気にしないで。今の美羽ちゃんの気持ち……本当に嬉しいわ。改めて、カズちゃんの為に力を貸して……」
「はい! 私こそ、よろしくお願いします! 頑張ります!」
美羽は、勢いよく立ち上がる。
「もう、大丈夫そうだな。じゃあ、行くか。早く森を出たいしな」
「早く森を抜け出すって? 時間食ってるのは、カラードが案内役として使えねーからだと思うが……夜になる前に、抜け出せるのかねぇ……」
歩き出そうとするガラードの肩を抱き、航太が不安そうな声を出す。
「ガラード……女性が多いんだから、野営は嫌よ」
「そーだそーだ! お風呂も入りたいんだから、ちゃんとした宿をとってよ!」
「でしゅよ~」
ニミュエと絵美と……おまけにガーゴにも突っつかれたガラードは、頭を掻きながら渋い顔をする。
「……まぁ、頑張って歩こうぜ! 宿に泊まりたい気持ちは、オレも同じだ!」
「ちょっと、今の一瞬の間は何よ! 本当に大丈夫なのかしら……」
歩き出したガラードの後ろ姿に、不安な視線を向ける智美……
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