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あちら側
謎解きと問い掛け(現)
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ひとつわからないことがあって、怖くて不安で自信がなくて敢えて書かなかったことがある。
白いタイツの夢を見たとき、男の人が部屋のすみの暗がりで、白タイツが干されているのを一緒に見ていたこと。
ぶつかってきたおじさんだったら怖いな。
いったい誰が一緒に見送っていたのかが白タイツの話を書いているときさっぱりわからなかった。夢側であなたたちが思い出話を綴るまでは。
幼い頃から見守ってくれていたあなたが一緒にいなかったのであれば、あれはいったい誰だったのか。
母も祖母も、従兄弟もみんな、男の人も一緒に夢に出てきたと言ったときに、怖いから忘れなさいと言っていたけれど、私にはぶつかってきた人でも、悪い人でも怖い人でもないように思えた。
ぶつかってきたおじさんではないらしいのはそのときからわかっていたけれど……結局誰かわからなかったし、自信がなかったから、みんなが言うように怖いおじさんだと思い込んで忘れようと頑張った。
もし仮にぶつかってきた人が夢に出てきたのなら、本当に怖い夢以外のなんでもないからだ。
でも、今ならあれが誰だったのかわかる。
根拠もなにもないけれど、素直じゃなくてひねくれもので、こっそりそんなことをする人は一人しか浮かばない。
あの人が見守っていてくれたのだと思っていたけれど、怖がる可能性を考えて一緒に見守らなかったのがわかって、パズルのピースがはまったようにしっくりとくる。
あの人はずっと傍で一緒にいたと思っていたようだったけれど、ほんの少しの間抜け出して、私を薄暗い部屋に一人にしないように駆けつけていたんでしょう?
どうせ、あの人が寂しくないように見守りに行ったと嘘ついてまで主張するために演じていたのだろう。人のためにそういうことばっかりして。
どうせ当たっていてもしらばっくれるつもりなのはわかっている。
呆れて物も言えないけれど、ひとつひとつ、謎が解けていって少しだけすっきりしてきている。
私は私で約束を果たすため、恩義に報いるために、できる範囲でいろいろなことをこなしていく。
まずは思い出を語らい、苦しみと悲しみを飲み干し乗り越え、全力で立ち直ること。
師匠の言うことを信じながらひとつひとつ確実にこなす。信じた結果どんな未来が待ち受けているのか知る由もないけれど。
寄り道もしたけれど、多分自分のために必要なことだった。
本能に従え。自由に、心の向くままに行動すること。
思い出しきれてない、開ききれていない記憶のページもあるけれど、少しずつで良いから開いていっている。
約束も役目も思い出しきれていないし何もわからないけれど、師匠の残した言葉を信じてひとつずつこなしていく。
恐らく、助けてくれた人たちを、呼び戻してくれた人たちを英雄にするべくしていることなのだ。師匠の言いつけを守っていろいろなことをこなしていく。
勝手な言いがかりや勝手な約束を周りの人が果たそうとしても、気にせず自分らしく、自分の本能を信じてこなすこと。
そしてなにがなんでも、どんな手段を用いても、開いた記憶のページから溢れる絶望とトラウマ、忌まわしき記憶を、憎しみを乗り越え、立ち直ること。
一人でも大丈夫だと証明してみせること。
立ち直った末に、元気そうだのなんだの、言いがかりをつけてとんでもない目に遭わされるかもしれないけれど、それでも乗り越えるかどうかを問われたことを思い出す。
何が待ち受けているかさっぱりわからないけれど、今は師匠とあの人の事、本の虫のことだけを考えて踏ん張るしかない。
世界を救うために立ち直れ。
師匠はどうしてそういったのか、そのうちページをすべて開ききればわかることなのだろうか。
すべてを書く必要はないと言っていた。できる範囲で、俺たちとの夢の話を書くようにと。
この話を書き終えたら、本の虫と師匠に話した書いてみたい物語をみせてほしいとのことだった。
それは気さくなやつから聞いた話?
それは本の虫から聞いたのか?
どんな駄文でもいいから書いてみせて。
どんな駄文の箇条書きくそ構成でも良いから見てみたいもんだな。
二人とも同じ反応と似たような返事で面白かった懐かしい思い出。
話した当初、本の虫と師匠の返事の意味がわかっていなかったけれど、今なら何となくどうしてそんなことを言われたのかがわかるんだ。
きっと、みんなの大事な思い出話、冒険譚なのだろう。
師匠から託された願いのためにページを開いていると、自分に元々何ができたのかが少しずつ分かってきて、何を与えてもらったのかも自然とわかった。
私には人の心なんて微塵もわからなかった。
赤い浴衣の時、不思議だと思ったあの子のことを知りたいと思って、いろいろな目に遭わされながらも、あの子を助けたい、理解したい、本当の気持ちを知りたい、自由になってほしい、好きな物を好きなようにできるようになってほしい、自分の本音を、本心を大事にして、思うままに生きれるようになってほしいと願った結果だった。
みんなからの贈り物だったんだ。
気持ち悪がられて、気味悪がられて、もう関わるなと言われることになったけれど、みんなが私の願いを叶えるために伸ばしてくれた力だった。
本心を隠して言うことを聞いていたあなたは今、自分の気持ちに素直になれていますか? 幸せでいてくれているでしょうか? 誰かに罪悪感を煽られるような性悪を言われたりしていませんでしょうか?
心からの心配と、お節介な感情が湧いて出てくる。
意地悪された最初は憎くて、どうしてそんな意地悪するのかわからなかったけれど、この思いやる気持ちはやはり変わることはないのだろう。
記憶のページが開くと、感情の流れもそのまま同じ流れ方をするらしい。
最初は憎しみ、それからだんだん相手を知りたくなる出来事があって、最終的に湧いてくる思いやり。
どうか、自分の本音が言えるように、好きな物を好きにできるようになっていてくれたら、自分の人生を生きられるようになっていてくれたらと願わずにいられない。
話を戻し、ページが開いてくると少しずつ自分のことがわかるのが楽しいと思える。
自分を知るために開いたページではなかったのに、懐かしさと楽しさを感じられるくらいにはなってきた。これは立ち直ったも同然なのではないだろうか?
師匠、私はちゃんと託された願いを受け取り、応えることができているのでしょうか。
白いタイツの夢を見たとき、男の人が部屋のすみの暗がりで、白タイツが干されているのを一緒に見ていたこと。
ぶつかってきたおじさんだったら怖いな。
いったい誰が一緒に見送っていたのかが白タイツの話を書いているときさっぱりわからなかった。夢側であなたたちが思い出話を綴るまでは。
幼い頃から見守ってくれていたあなたが一緒にいなかったのであれば、あれはいったい誰だったのか。
母も祖母も、従兄弟もみんな、男の人も一緒に夢に出てきたと言ったときに、怖いから忘れなさいと言っていたけれど、私にはぶつかってきた人でも、悪い人でも怖い人でもないように思えた。
ぶつかってきたおじさんではないらしいのはそのときからわかっていたけれど……結局誰かわからなかったし、自信がなかったから、みんなが言うように怖いおじさんだと思い込んで忘れようと頑張った。
もし仮にぶつかってきた人が夢に出てきたのなら、本当に怖い夢以外のなんでもないからだ。
でも、今ならあれが誰だったのかわかる。
根拠もなにもないけれど、素直じゃなくてひねくれもので、こっそりそんなことをする人は一人しか浮かばない。
あの人が見守っていてくれたのだと思っていたけれど、怖がる可能性を考えて一緒に見守らなかったのがわかって、パズルのピースがはまったようにしっくりとくる。
あの人はずっと傍で一緒にいたと思っていたようだったけれど、ほんの少しの間抜け出して、私を薄暗い部屋に一人にしないように駆けつけていたんでしょう?
どうせ、あの人が寂しくないように見守りに行ったと嘘ついてまで主張するために演じていたのだろう。人のためにそういうことばっかりして。
どうせ当たっていてもしらばっくれるつもりなのはわかっている。
呆れて物も言えないけれど、ひとつひとつ、謎が解けていって少しだけすっきりしてきている。
私は私で約束を果たすため、恩義に報いるために、できる範囲でいろいろなことをこなしていく。
まずは思い出を語らい、苦しみと悲しみを飲み干し乗り越え、全力で立ち直ること。
師匠の言うことを信じながらひとつひとつ確実にこなす。信じた結果どんな未来が待ち受けているのか知る由もないけれど。
寄り道もしたけれど、多分自分のために必要なことだった。
本能に従え。自由に、心の向くままに行動すること。
思い出しきれてない、開ききれていない記憶のページもあるけれど、少しずつで良いから開いていっている。
約束も役目も思い出しきれていないし何もわからないけれど、師匠の残した言葉を信じてひとつずつこなしていく。
恐らく、助けてくれた人たちを、呼び戻してくれた人たちを英雄にするべくしていることなのだ。師匠の言いつけを守っていろいろなことをこなしていく。
勝手な言いがかりや勝手な約束を周りの人が果たそうとしても、気にせず自分らしく、自分の本能を信じてこなすこと。
そしてなにがなんでも、どんな手段を用いても、開いた記憶のページから溢れる絶望とトラウマ、忌まわしき記憶を、憎しみを乗り越え、立ち直ること。
一人でも大丈夫だと証明してみせること。
立ち直った末に、元気そうだのなんだの、言いがかりをつけてとんでもない目に遭わされるかもしれないけれど、それでも乗り越えるかどうかを問われたことを思い出す。
何が待ち受けているかさっぱりわからないけれど、今は師匠とあの人の事、本の虫のことだけを考えて踏ん張るしかない。
世界を救うために立ち直れ。
師匠はどうしてそういったのか、そのうちページをすべて開ききればわかることなのだろうか。
すべてを書く必要はないと言っていた。できる範囲で、俺たちとの夢の話を書くようにと。
この話を書き終えたら、本の虫と師匠に話した書いてみたい物語をみせてほしいとのことだった。
それは気さくなやつから聞いた話?
それは本の虫から聞いたのか?
どんな駄文でもいいから書いてみせて。
どんな駄文の箇条書きくそ構成でも良いから見てみたいもんだな。
二人とも同じ反応と似たような返事で面白かった懐かしい思い出。
話した当初、本の虫と師匠の返事の意味がわかっていなかったけれど、今なら何となくどうしてそんなことを言われたのかがわかるんだ。
きっと、みんなの大事な思い出話、冒険譚なのだろう。
師匠から託された願いのためにページを開いていると、自分に元々何ができたのかが少しずつ分かってきて、何を与えてもらったのかも自然とわかった。
私には人の心なんて微塵もわからなかった。
赤い浴衣の時、不思議だと思ったあの子のことを知りたいと思って、いろいろな目に遭わされながらも、あの子を助けたい、理解したい、本当の気持ちを知りたい、自由になってほしい、好きな物を好きなようにできるようになってほしい、自分の本音を、本心を大事にして、思うままに生きれるようになってほしいと願った結果だった。
みんなからの贈り物だったんだ。
気持ち悪がられて、気味悪がられて、もう関わるなと言われることになったけれど、みんなが私の願いを叶えるために伸ばしてくれた力だった。
本心を隠して言うことを聞いていたあなたは今、自分の気持ちに素直になれていますか? 幸せでいてくれているでしょうか? 誰かに罪悪感を煽られるような性悪を言われたりしていませんでしょうか?
心からの心配と、お節介な感情が湧いて出てくる。
意地悪された最初は憎くて、どうしてそんな意地悪するのかわからなかったけれど、この思いやる気持ちはやはり変わることはないのだろう。
記憶のページが開くと、感情の流れもそのまま同じ流れ方をするらしい。
最初は憎しみ、それからだんだん相手を知りたくなる出来事があって、最終的に湧いてくる思いやり。
どうか、自分の本音が言えるように、好きな物を好きにできるようになっていてくれたら、自分の人生を生きられるようになっていてくれたらと願わずにいられない。
話を戻し、ページが開いてくると少しずつ自分のことがわかるのが楽しいと思える。
自分を知るために開いたページではなかったのに、懐かしさと楽しさを感じられるくらいにはなってきた。これは立ち直ったも同然なのではないだろうか?
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