「化け猫」

夢幻

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「蛇女郎」1 ☁️

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鳥居から賽銭箱に続く参道の上に、かりんが倒れている

秋晴れの良い天気、太陽の反射で参道が砂と共に、カッと白く見える

丁度私、参道の上のかりん、一直線上に手水舎、そう広くはない神社パッと一望でき、他に誰もいない事がわかる

そばに、ちょっと小太りでチェック着てる男が、かりんを見下ろして立っている。多分、25前後と思う

想定はしていた、転んだだけだと思いたかったが、まったく動かない

さっき、かりんが叫ぶ大きな声がして、急いで音のする方に。続くかりんの声、走る音が2人分、軽いのと重い音が二つ、そして何かが叩きつけられる音がした

追いつかれ、持ち上げられ、参道に叩きつけられたのだかりんは


🐍
この神社は、元は山
坂道の上にある神社。山の中腹より上にある場所で、昔なら山々の緑の木々に囲まれた中に、鳥居が青い空と共に見えていただろう

今はこの場所を残して、なだらかな坂道には住宅が建っている

緩やかな坂を登ったと思ったら、長い階段を上がる。テクノロジーが普及しだしてから、訪れる人が少なくなったらしい

まあ、平成中ぐらいから急に人はこの神社に参拝しにくる事が少なくなった

だから、人々の足腰が弱くなったのだと、神主は仕方ない事だとは思ってはいても、ちょっと怒っていた

でも、まあ仕方ない
縁日やお祭りでもあれば別であろうけども

人が来なくなった分、淋しくなりちょっと廃れ感が出て、変な奴らが来るようになった

まあ、それもたまに長い階段がネックだから
変な奴らも、たまにしか来ない 

たまにしか

たまに来るのを、ちょっとこいつらなと思うのは、自分は小さな蛇だけど、神社の最後の階段前でトグロを巻いて、シュッと鳥居迄の大きさ迄になって、まだまだ登ってる途中の奴らをシャーシャー言って追い返す

自分の大きくなった姿は、人間には見えないけど、気配はわかるようで、みんな「なんか、ヤダここ」と言って、帰っていく

まあ、いっかと思うのは通すけど

女の子は、いつも通してた
1人で来ては、いつも1人で地面に石でお絵書きしたり、描いた絵でケンケンパッをして遊んでる
いつも1人だ

女の子が1人でいるのは、危ないなと時々思う時もある

人が来ると追い返すのは、自分も危ないから

小さな蛇を見て、踏もうとしたり、捕まえてとか、通報されて捕獲が始まるのもだし、まあ自分が姿隠せばいいのだけど、それもあって人間を追い返す

自分も、この神社にたどりつく迄は、散々なめに道端であっていた

蛇でも階段登るのは大変だった
でも、人間が来なくて別天地だった
水も餌も豊富

この広い空間で、悠々自適だ


続く→
「蛇女郎」2
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